見出し写真:2015年9月撮影(場所:大阪府豊中市)
今年の秋は、どんな景色だろう・・・
徳富 蘆花(とくとみ ろか)<1868年ー1927年>熊本県に生まれる。本名は健次郎。兄はジャーナリストの徳富 蘇峰。同志社英学校に進学しキリスト教の影響を受ける。蘇峰のもとで文筆家として修業。最初の小説「不如帰」(元々は「ふじょき」と訓んだが、現在「ほととぎす」が一般的)がベストセラーとなる。映画、演劇の原作としても著名。トルストイの平和主義に傾倒していた蘆花は、しだいに国粋主義的思想を持つようになった兄と対立、絶縁状態となる。病死の直前に兄と再会、和解する。
【読売新聞 編集手帳 令和2年(2020年)9月29日より】
◆徳冨蘆花は神奈川県の逗子に住んだ時期がある。小説の『不如帰』と並び称される、名随筆『自然と人生』(岩波文庫)に、湘南海岸から自然や季節の移ろいに目を凝らしたようすがうかがえる。
◆一つに夕日がある。湘南地域からは、冬至には、伊豆の天城山、春分や秋分のおりには、富士山に太陽が沈んでいくと記している。秋のお彼岸から間もない、きのう、富士山の初冠雪が確認された。
◆どんな景色だろう。紅色の夕日と、その色に染まる雪と。富士山も、モミジやカエデに負けじと、紅くなるのかもしれない。秋が、ようやく秋らしくなってきた。
◆夕日は、ふしぎなことに、昼間に高い場所にある太陽よりもずっと大きく見える。これを孔子が証明しようとして、できなかったとも伝えられている。それもそのはずで、夕日が地球に近づくことで起こる現象では当然ない。何でも人間の視野は、上下より水平方向に広いため、空より地平線付近にあるものが大きいように錯覚するのだとか。
◆巨大な熱源のようだった、今夏の西日を思い出す。もう、エアコンを消して寝てもよいですね。と、やさしくなったお日様に、念を押してみる。
ご覧いただきありがとうございました。
【イラスト /みさきのイラスト素材】
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