あれは,あれで良いのかなPART2

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家電買うなら池袋?家電邪馬台国となるか

2009年11月10日 00時28分16秒 | 経済全般
ヤマダ電機が池袋の三越跡地に日本総本店をオープンさせました。
一方,池袋に本社のある老舗ビックカメラも,店舗の一つをアウトレットとして改装,オープンしました。

池袋家電戦争は第2ラウンドへ ヤマダ電機の抱える2つの死角(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

市場開拓となるか,単なる埼玉の食いつぶしとなるか

個人的には,ヤマダ電機の経営姿勢には若干??なところがあるのですが,ここではヤマダ電機の内情はさておき,経営戦略について書きたいと思います。
さて,ヤマダ電機の飛ぶ鳥を落とす勢いは留まるところを知りません。そもそも,池袋に進出しただけでもすごいなあと思っていましたが,池袋にさらに巨大店舗をオープンさせるというのはある意味大冒険のような気もします。
しかし,ヤマダ電機の戦略は,実はセオリーどおりでして,CEO曰く「つぶし合いではなく,共存。そのためには,市場拡大にある。」っていう方針から,池袋を巨大家電市場にしようというということで,あえて日本総本店をオープンさせたようです。
若干例えは悪いですが,「ラブホテル街」と同じような発想です。いわゆるラブホテル街の場合,「あの辺に行けばラブホテルに入れる」という思惑からユーザー(?)が集まってくるため,各ホテルは「ライバルだけどつぶし合いではなく共存」っていう関係にあるのです。仮に,ラブホテル街で1つのホテルだけが勝ち続けてしまうと,他のホテルは撤退し,ラブホテル街は閑散としてしまい,結果,ひとり勝ちしていたホテルも経営難になる,っていう構図になります(これを「ラブホテルの経済学」と勝手に命名しました。)。
ヤマダ電機は,池袋においてもこれと同じことと企んでいるようです。「打倒ビックカメラ」である反面,「ビックカメラはつぶさない」っていう思惑もあるようです。ビックと共存することで,「家電といったら池袋」っていう客をたくさん取り込む狙いを持っている訳なのです。

ただし,リスクもあります。最大のリスク,それは,「家電市場の絶対的需要数」が決して増えるわけではないということです。もちろん,家電の安売りで多少家電の需要は増えるとは思いますが,この不景気においては,家電需要数は横ばい状態になります。そうすると,必然的に「他の地域の客を奪う」ことになります。
では,どの地域の客を奪うでしょうか?それは,池袋に集まる人種から考えてみると分かります。ざっくりイメージで「池袋=埼玉県人のるつぼ」ですから,家電市場も埼玉もそれを奪うことになるでしょう。実際,なんだかんだいっても秋葉原と新宿の家電牙城はなかなか崩れないでしょうから,そっち側の客の流れは思うほど伸びないと思われます。
一方,西武線,東武線,埼京線ラインには,そうした巨大家電市場はありませんから,ほぼスルーパス状態で池袋まで集まってきます。
ところが,埼玉にはプチ家電市場がたくさんあります。いわゆる「YKK」と呼ばれる,ヤマダ,コジマ,K’Sです。したがって,池袋巨大市場を築くと,埼玉小国が一気に崩壊するおそれがあるのです。いわば,「池袋という邪馬台国に埼玉の小国が屈服する」っていう構造です。これは,ヤマダ電機は自分で自分のクビを締める部分も若干はあるものの,何より「埼玉経済への影響」がかなり出てくる可能性があるのです。
まあ,ヤマダ電機的には,絶対的需要数が伸びなくても,相対的需要数が増えてくれることで,短期的には十分成功といえるでしょう。そういう意味では,このリスクは,あまり気にしていないのかもしれません。

さあ,池袋はこれからどのように変貌するでしょうか。まずは,年末家電商戦が一つのターニングポイントになります。顧客がどのように動いたか,特に埼玉の家電ショップの売り上げがどう変わるか,これにより池袋家電市場の帰趨が占えるでしょう。
池袋がますます面白い街になりそうです。

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