ベスト電器は,2006年に子会社化した家電量販店「さくらや」をすべて清算し,店舗を2月28日までに全面撤退することを発表しました。また,ベスト電器自体も業績低迷により,今後50~70店舗の閉鎖を予定しているとのことです。
なお,さくらやのポイントは,ベスト電器で引き続き使えるとのことです。
また,撤退したさくらやの店舗については,一部をビックカメラに譲渡するなどを予定していることから,今後はビックカメラとの提携なども予想されます。
ベスト電器、さくらやを清算へ 業績低迷で、社長退任(共同通信) - goo ニュース
2010年は家電業界再編もありそう
さくらやは,正直風前の灯火状態でした。池袋にヤマダ電機が乗り込んで家電戦争を仕掛けたとき,もはやさくらや池袋店は仮想敵国にすら入っていない状態でした。したがって,今回の撤退は,「来るべき日が来た」という感じです。
とはいえ,10年位前までは,さくらやのヘビーユーザーだっただけに,今回の撤退は少々残念ではありますが,これも宿命といえるでしょう。
何が悪かったのかというのは一概には言えませんが,やはり金額面で「激安戦争」に太刀打ちできず,またポイントシステムを早期に取り入れたものの,ポイント還元率が中途半端で,「ポイント勝負なのか,現金値引き勝負なのか」という立ち位置が宙ぶらりんであったことも,他の家電量販店から出遅れた原因かもしれません。
ベスト電器も,首都圏進出のためにさくらやを利用しようとしましたが,そもそもさくらやが老舗としての力がが弱くなっていたころに,首都圏では北関東「YKK」(ヤマダ,コジマ,ケーズ)と,東京「YB」(ヨドバシ,ビック)がしのぎを削っていただけに,首都圏進出どころか大赤字の原因になってしまい,結果,親会社自体の業績にも響いてしまいました。
ところで,家電業界は,ヤマダ電機の「ラブホテル方式」(私が名付けた経営戦略名です。一カ所に数店舗どっかんと作ることで,「家電街」を築きあげる戦略です。)により,顧客導線が大きく変わりつつあります。一方で,地デジ需要やエコポイント制度などによる家電需要の拡大が期待できる反面,不景気による家電の買い控えなども大きく懸念されることから,おそらく各量販店,露骨に勝ち負けが出てくると思われます。
そうすると,次に考えられるのは,「量販店再編」です。現に,ベスト電器は,今回のさくらや処理についてはビックカメラと事実上の提携を行うが,今後の業績如何では,ビックカメラとの業務提携や場合によっては合併などもあり得るでしょう。
また,北関東家電YKKも,売り上げの割には決して経常が良いとまでは言い切れませんから,ここもどこかと提携(例えば,ヨドバシやジョウシンなど)もあり得るでしょう。もしかすると,「北関東大連合」だってないとは言い切れません。
さらに,家電量販店のアキレス腱は,「ネットショップ」です。金額だけなら,量販店よりネットショップの方が安いため,「サービス勝負」という競争も始まります。長期保証などを大きくやると,引当金が増えてしまうため,見た目の利益は減少することになるばかりか,結果将来の負担を増やすだけに終わってしまい,業績悪化が進むということも懸念されます。
いずれにせよ,家電大戦争は,今年も相当激しくなると思われます。家電を安く買えること自体は非常に良いことなのですが,業界再編が進みすぎて,「やっぱり高くなってきた」とか,「近所の店がみんなつぶれた」なんてことにならないよう,程々の戦争にしてほしいものです。そういう意味では,案外「家電ラブホテル方式」経営は,「共倒れせず」ということでうまくいくかもしれません。
家電自体も今後新製品がいろいろ出ると思いますが,今後の量販店の動きにも目が離せません。
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http://uesama.antena.ne.jp/archives/article/132053.html
なお,さくらやのポイントは,ベスト電器で引き続き使えるとのことです。
また,撤退したさくらやの店舗については,一部をビックカメラに譲渡するなどを予定していることから,今後はビックカメラとの提携なども予想されます。
ベスト電器、さくらやを清算へ 業績低迷で、社長退任(共同通信) - goo ニュース
2010年は家電業界再編もありそう
さくらやは,正直風前の灯火状態でした。池袋にヤマダ電機が乗り込んで家電戦争を仕掛けたとき,もはやさくらや池袋店は仮想敵国にすら入っていない状態でした。したがって,今回の撤退は,「来るべき日が来た」という感じです。
とはいえ,10年位前までは,さくらやのヘビーユーザーだっただけに,今回の撤退は少々残念ではありますが,これも宿命といえるでしょう。
何が悪かったのかというのは一概には言えませんが,やはり金額面で「激安戦争」に太刀打ちできず,またポイントシステムを早期に取り入れたものの,ポイント還元率が中途半端で,「ポイント勝負なのか,現金値引き勝負なのか」という立ち位置が宙ぶらりんであったことも,他の家電量販店から出遅れた原因かもしれません。
ベスト電器も,首都圏進出のためにさくらやを利用しようとしましたが,そもそもさくらやが老舗としての力がが弱くなっていたころに,首都圏では北関東「YKK」(ヤマダ,コジマ,ケーズ)と,東京「YB」(ヨドバシ,ビック)がしのぎを削っていただけに,首都圏進出どころか大赤字の原因になってしまい,結果,親会社自体の業績にも響いてしまいました。
ところで,家電業界は,ヤマダ電機の「ラブホテル方式」(私が名付けた経営戦略名です。一カ所に数店舗どっかんと作ることで,「家電街」を築きあげる戦略です。)により,顧客導線が大きく変わりつつあります。一方で,地デジ需要やエコポイント制度などによる家電需要の拡大が期待できる反面,不景気による家電の買い控えなども大きく懸念されることから,おそらく各量販店,露骨に勝ち負けが出てくると思われます。
そうすると,次に考えられるのは,「量販店再編」です。現に,ベスト電器は,今回のさくらや処理についてはビックカメラと事実上の提携を行うが,今後の業績如何では,ビックカメラとの業務提携や場合によっては合併などもあり得るでしょう。
また,北関東家電YKKも,売り上げの割には決して経常が良いとまでは言い切れませんから,ここもどこかと提携(例えば,ヨドバシやジョウシンなど)もあり得るでしょう。もしかすると,「北関東大連合」だってないとは言い切れません。
さらに,家電量販店のアキレス腱は,「ネットショップ」です。金額だけなら,量販店よりネットショップの方が安いため,「サービス勝負」という競争も始まります。長期保証などを大きくやると,引当金が増えてしまうため,見た目の利益は減少することになるばかりか,結果将来の負担を増やすだけに終わってしまい,業績悪化が進むということも懸念されます。
いずれにせよ,家電大戦争は,今年も相当激しくなると思われます。家電を安く買えること自体は非常に良いことなのですが,業界再編が進みすぎて,「やっぱり高くなってきた」とか,「近所の店がみんなつぶれた」なんてことにならないよう,程々の戦争にしてほしいものです。そういう意味では,案外「家電ラブホテル方式」経営は,「共倒れせず」ということでうまくいくかもしれません。
家電自体も今後新製品がいろいろ出ると思いますが,今後の量販店の動きにも目が離せません。
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