飲食店業界では,「無料食べ放題」を売りにする店舗が増加しているようです。
「居酒屋革命」における「焼酎無料飲み放題」や,「ステーキけん」で「カレーライス無料食べ放題」などが話題を呼んでいます。
今年後半のキーワードは“無料”!?(FOOD STADIUM) - goo ニュース
「タダほど高いものはない」は過去の話。これからは「タダを有効に活用しよう」の時代。
このタダ商法,前提として,「適当に安い粗悪品でごまかす」という戦術ではありません。消費者も目が肥えていますから,たとえタダであったとしても,「まずくて悪いもの」を配ったら,二度とその店にはいきません。したがって,無料戦術のお店は,基本的に「それなりのものをタダでふるまう」というスタンスです。
そして,タダ商法,これまでは,「何かをいくら以上買ったらタダ」みたいな形でやっていましたが,「居酒屋革命」や「ステーキけん」については,そのような足枷は一切ないという大胆な戦術に打って出ました。
これは,「損して得を得る」というベタな戦略ではあるのですが,実は非常に理にかなっていて,「メディアによる広告ではなく,口コミによる新規開拓を図る」という狙いがあるようです。すなわち,広告費などの経費を限りなく0にする代わりに,その分無料提供に充当するということで経営を成立させているのです。
しかも,日本人の心理として,「いつもタダって訳にはいかない」ということや,「いやあー,安い店で美味しかったよ」とつい言いたくなることで,新規顧客の拡大や優良商品の購入の増加が期待しやすいようです。
さらには,この不景気の中,上司が部下に酒をおごるとかいう場合にも,こうしたお店を使うことで,減らされた小遣いの中でもどうにかコミュニケーションを図れるという時代背景も手伝い,無料ショップは売り上げを伸ばしているようです。
そういえば,店名は忘れましたが,雨の日にじゃんけんで勝てば全品タダになる焼き肉屋を紹介していました。これも,実は理にかなった戦略なのです。「雨の日半額セール」というお店は多いと思いますが,実はこれで元がとれるなら,じゃんけんタダセールでも十分元が取れるのです。
ざっくりいうと,じゃんけんタダセールとは,じゃんけんの勝ち負けだけの勝負なので,単純な確率論でいうと2分の1の人がタダになります。ってことは,ならして考えると,全員半額と同じなのです。むしろ「タダ」という響きの方が魅力的なので,集客アップや口コミなども期待できるため,全員半額より収益があがるっていうわけです。
似たような戦略に,家電量販店で行なっていた「100人に一人タダ」キャンペーンがあげられます。これも,結局,5%引き程度のリスクなので,「全品10%引き」よりも低いリスクでより多くの顧客が期待できたっていうわけなのです。
このように,タダ戦略,飲食店だけでなく,多くの業界で検討,採用されています。おそらく,今年のトレンドとして,「成長企業はタダ商品を活用した」という点が出てくるのではないでしょうか。
一方で,森永ヲタク先生あたりは,これをうまく使って「タダで生活しよう」みたいなことを触れまわるかと思います。でも,これは企業にとってありがたい話です。森永先生のような著名人が,その店をタダで紹介してくれるわけですから,まさに「広告塔」になるわけです。もっといえば,この場合,実は森永さんも「タダでCM出演」しているに等しいわけなのです。
しかし,タダ戦略,一つ問題があります。この戦略,何度も言っているように「新規顧客を開拓する」ことに主眼を置いています。ってことは,「顧客市場がある」ということが前提となります。だとすると,必然的に潜在的顧客数が多い「大都市圏」を中心に展開されることになります。逆に,地方圏では,新規顧客の開拓をするほど潜在的顧客数が少ないことや,そもそも宣伝経費がかなり少なく,すでにぎりぎりの経費で経営していることからしたら,タダ戦略が入り込む要素が少ない可能性が考えられます。すると,極端な話,「大都市圏の方がお金のかからない生活ができる」という逆転現象が発生しかねません。しかも,大都市周辺都市では,今以上に大都市圏に顧客を奪われる可能性がありますから,その界隈の商圏がますます衰退する可能性が考えられます。群馬,栃木,茨木,今のままで大丈夫か?って懸念せずにはいられません。
こうした都市圏は,タダ戦略が浸透する前に,タダ戦略で元が取れる戦略を取り入れるか,またはタダ戦略を超える,顧客もビックリのような戦略をうつべきでしょう。
「景気回復をするにはお金を回すこと」というのがセオリーでした。ってことは,タダ戦略ではお金が回らないため,景気回復になりえないようにも思えます。しかし,「タダによって,結果的にお金を回しやすくする」ということになるため,景気回復の大きなカギを握ることになります。
この一見すると負の連鎖に陥りやすそうに見えるタダ戦略,今年のカギとなることに間違いありません。はたして,どこまで進んでいくでしょうか。消費者としても楽しみです。
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「居酒屋革命」における「焼酎無料飲み放題」や,「ステーキけん」で「カレーライス無料食べ放題」などが話題を呼んでいます。
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「タダほど高いものはない」は過去の話。これからは「タダを有効に活用しよう」の時代。
このタダ商法,前提として,「適当に安い粗悪品でごまかす」という戦術ではありません。消費者も目が肥えていますから,たとえタダであったとしても,「まずくて悪いもの」を配ったら,二度とその店にはいきません。したがって,無料戦術のお店は,基本的に「それなりのものをタダでふるまう」というスタンスです。
そして,タダ商法,これまでは,「何かをいくら以上買ったらタダ」みたいな形でやっていましたが,「居酒屋革命」や「ステーキけん」については,そのような足枷は一切ないという大胆な戦術に打って出ました。
これは,「損して得を得る」というベタな戦略ではあるのですが,実は非常に理にかなっていて,「メディアによる広告ではなく,口コミによる新規開拓を図る」という狙いがあるようです。すなわち,広告費などの経費を限りなく0にする代わりに,その分無料提供に充当するということで経営を成立させているのです。
しかも,日本人の心理として,「いつもタダって訳にはいかない」ということや,「いやあー,安い店で美味しかったよ」とつい言いたくなることで,新規顧客の拡大や優良商品の購入の増加が期待しやすいようです。
さらには,この不景気の中,上司が部下に酒をおごるとかいう場合にも,こうしたお店を使うことで,減らされた小遣いの中でもどうにかコミュニケーションを図れるという時代背景も手伝い,無料ショップは売り上げを伸ばしているようです。
そういえば,店名は忘れましたが,雨の日にじゃんけんで勝てば全品タダになる焼き肉屋を紹介していました。これも,実は理にかなった戦略なのです。「雨の日半額セール」というお店は多いと思いますが,実はこれで元がとれるなら,じゃんけんタダセールでも十分元が取れるのです。
ざっくりいうと,じゃんけんタダセールとは,じゃんけんの勝ち負けだけの勝負なので,単純な確率論でいうと2分の1の人がタダになります。ってことは,ならして考えると,全員半額と同じなのです。むしろ「タダ」という響きの方が魅力的なので,集客アップや口コミなども期待できるため,全員半額より収益があがるっていうわけです。
似たような戦略に,家電量販店で行なっていた「100人に一人タダ」キャンペーンがあげられます。これも,結局,5%引き程度のリスクなので,「全品10%引き」よりも低いリスクでより多くの顧客が期待できたっていうわけなのです。
このように,タダ戦略,飲食店だけでなく,多くの業界で検討,採用されています。おそらく,今年のトレンドとして,「成長企業はタダ商品を活用した」という点が出てくるのではないでしょうか。
一方で,森永ヲタク先生あたりは,これをうまく使って「タダで生活しよう」みたいなことを触れまわるかと思います。でも,これは企業にとってありがたい話です。森永先生のような著名人が,その店をタダで紹介してくれるわけですから,まさに「広告塔」になるわけです。もっといえば,この場合,実は森永さんも「タダでCM出演」しているに等しいわけなのです。
しかし,タダ戦略,一つ問題があります。この戦略,何度も言っているように「新規顧客を開拓する」ことに主眼を置いています。ってことは,「顧客市場がある」ということが前提となります。だとすると,必然的に潜在的顧客数が多い「大都市圏」を中心に展開されることになります。逆に,地方圏では,新規顧客の開拓をするほど潜在的顧客数が少ないことや,そもそも宣伝経費がかなり少なく,すでにぎりぎりの経費で経営していることからしたら,タダ戦略が入り込む要素が少ない可能性が考えられます。すると,極端な話,「大都市圏の方がお金のかからない生活ができる」という逆転現象が発生しかねません。しかも,大都市周辺都市では,今以上に大都市圏に顧客を奪われる可能性がありますから,その界隈の商圏がますます衰退する可能性が考えられます。群馬,栃木,茨木,今のままで大丈夫か?って懸念せずにはいられません。
こうした都市圏は,タダ戦略が浸透する前に,タダ戦略で元が取れる戦略を取り入れるか,またはタダ戦略を超える,顧客もビックリのような戦略をうつべきでしょう。
「景気回復をするにはお金を回すこと」というのがセオリーでした。ってことは,タダ戦略ではお金が回らないため,景気回復になりえないようにも思えます。しかし,「タダによって,結果的にお金を回しやすくする」ということになるため,景気回復の大きなカギを握ることになります。
この一見すると負の連鎖に陥りやすそうに見えるタダ戦略,今年のカギとなることに間違いありません。はたして,どこまで進んでいくでしょうか。消費者としても楽しみです。
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