民主党代表選が告示され,野田総理等4名が出馬しました。
一方,自民党総裁選では,現総裁の谷垣氏が出馬を断念するなど,候補者調整が混迷を極めています。
谷垣氏、自民総裁選出馬を断念…再選メド立たず(読売新聞) - goo ニュース
維新の会も微妙だったなあ・・
まあ代表選や総裁選はこれまでも国民不在ですから,今回のような「コップの中の争い」自体は,決して珍しい話ではありません。そういう意味では,「いつもの展開」といえます。
ただ,今回の民主党及び自民党の代表選,総裁選は,ちょっとこれまでと違う思惑が流れています。
民主党代表選の思惑
1 次の代表は,ほぼ確実に「選挙管理代表」となり,かつ結果は目に見えている以上,「責任をとる」羽目になるのがほぼ確実。
つまり,「火中の栗を拾う」代表であり,かつ「自殺行為」となることから,喜んで代表選に出る人はいない。
2 原口氏等が出馬した背景は,「民主党立て直しの最後の砦」になるという表向きの理由(代表になれば,消費税増税法案について再考するという選挙公約を掲げることも可能)と,「離党を含めた逃走のアリバイ作り」という意味合いもありうる。
3 民主党としては,「代表選は喧嘩ではなく,党が一つになってまとまっている」ことを国民にアピールしたい(だから,個別にマスコミ出演を禁止している。)
自民党総裁選の思惑
1 石原氏と谷垣氏が出馬したら,確実に「執行部批判」や「問責決議矛盾説明」等が争点になり,共倒れすることになる。この場合,長老が大嫌いな石破氏が総裁になる可能性が高くなることから,これは断固阻止したいという思惑がある。
2 そこで,谷垣氏を「民主党特攻隊」として,消費税増税法案成立と引き換えに総裁の座を奪うという戦術を画策。これにより,「三党合意」や「野田谷垣密約」は効力を失い,野田総理の後ろ盾も一気に失わせるというメリットがでてくる。
3 一方,この総裁選で勝てば,次の選挙で,かなりの確率で首相になれることから,「仲良しクラブ」というより,「総理のいす取りゲーム」というかなりシビアなレースとなる。いわば,「喧嘩選挙」になることから,みんなで仲良く戦うのではなく,「個別対決」とせざるを得ない。
石原氏は,谷垣氏不出馬で優位に立ったように見えるが,実は,谷垣氏支持層が石原氏に対する恨み節を抱き,石破氏や安倍氏に流れてしまう可能性も高い。
4 ただし,次の選挙で勝つためには,「維新の会対策」が必要であるため,くっつくか,敵対するかという選択が迫られることに。今の思惑は,「おいしいとこどり」をしたいということで,喧嘩しないでくっつきたい(安倍氏はその筆頭)。もちろん,「自民党の顔」として受けのいい総裁にしなければならない(石原氏については,浮動票を取りやすいとう利点はある。)。
5 逆に言うと,この代表選の結果いかんでは,大量離党者(維新の会に流れる」可能性もあるため,長老を中心に,若手議員をむげに扱えないという悩みもある。
こんなところでしょうか。実際は,もっといろんな思惑が漂っていますが,いずれにせよ,「国民よりも党内安定」をメインに考えている代表選,総裁選なので,あまり本気になって各候補者の言動を押さえる必要もないでしょう。
一方,同じ時期に,大阪維新の会も,国政政党立ち上げに向けて,国会議員を交えての公開討論を行いました。ところが,リアクションは今一つで,内部からの避難も出ています。
確かに,今の風向きは,「国民は維新の会に期待している」という方向に吹いていますから,極端な話,維新の会の看板だけで当選する議員が続出する状態にあります。
しかし,アキレスけんも結構あります。
維新の会の懸念事項
1 看板が橋下氏ひとり(小沢新党に極めて類似)。なので,橋下氏に何かがあったら,党は崩れるのはほぼ確実。
2 代表が橋下氏だとすると,国政に出馬しない限り,総理になることは憲法上不可能。
3 橋下氏が出馬した場合,肝心な大阪市政の立て直しが事実上困難になる(橋下氏だからかなり強引にぐいぐいひっぱれた。)。
4 もし橋下氏が出馬すると,大阪市民有権者からは,「大阪を捨てた」など思われてしまい,思ったほどの票が取れない可能性もある。
5 そもそも,政策が固まっていないので,「政策選挙」という方向に持って行かれた場合,候補者は総崩れするリスクがある(なので,劇場型選挙を画策している。)。
6 「橋下チルドレン」が多数当選する可能性が高いが,「**チルドレン」という存在に,有権者が辟易とし始めており,逆にこれを警戒する動きも出始めている。
7 維新の会に移籍した国会議員は,「選挙目当て」「売名行為」と見られやすい(たとえ,志を持って移籍したとしても)。
8 「地方議員は国政に出馬できない」ルールがあるため,現職議員の不満が爆発し,内紛が発生するリスクも。
9 工作員による「破壊活動」に対する警戒(ネット上やマスコミを使ったネガティブキャンペーンを展開される可能性が高い)
つまり,今の維新の会は「仏作って魂入れず」という状態にあるため,肝心な政策をきっちり固めない限り,浮足立つだけの政党になるというリスクも極めて高く,かつ橋下氏もそこに危機意識をもっていることから,あえて「劇場型選挙」に持っていこうといろんなプランを画策していると言えるでしょう。
民主党も自民党も,この代表選,総裁選を通じて,どの程度国民に対してアピールでき,かつ心をつかめるかがキモとなりますが,現状では,かなり期待薄といえるでしょう。
一方,維新の会については,公開討論会が逆にあだとなり,国民の熱狂的支援に少々水を差してしまったというところもあります。維新の会としては,逆に腰を据えて政策を固め,そして本気で過半数を目指すのであれば,代表となる橋下氏は国政出馬をはっきりと大阪市民に対して示すべきです。
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一方,自民党総裁選では,現総裁の谷垣氏が出馬を断念するなど,候補者調整が混迷を極めています。
谷垣氏、自民総裁選出馬を断念…再選メド立たず(読売新聞) - goo ニュース
維新の会も微妙だったなあ・・
まあ代表選や総裁選はこれまでも国民不在ですから,今回のような「コップの中の争い」自体は,決して珍しい話ではありません。そういう意味では,「いつもの展開」といえます。
ただ,今回の民主党及び自民党の代表選,総裁選は,ちょっとこれまでと違う思惑が流れています。
民主党代表選の思惑
1 次の代表は,ほぼ確実に「選挙管理代表」となり,かつ結果は目に見えている以上,「責任をとる」羽目になるのがほぼ確実。
つまり,「火中の栗を拾う」代表であり,かつ「自殺行為」となることから,喜んで代表選に出る人はいない。
2 原口氏等が出馬した背景は,「民主党立て直しの最後の砦」になるという表向きの理由(代表になれば,消費税増税法案について再考するという選挙公約を掲げることも可能)と,「離党を含めた逃走のアリバイ作り」という意味合いもありうる。
3 民主党としては,「代表選は喧嘩ではなく,党が一つになってまとまっている」ことを国民にアピールしたい(だから,個別にマスコミ出演を禁止している。)
自民党総裁選の思惑
1 石原氏と谷垣氏が出馬したら,確実に「執行部批判」や「問責決議矛盾説明」等が争点になり,共倒れすることになる。この場合,長老が大嫌いな石破氏が総裁になる可能性が高くなることから,これは断固阻止したいという思惑がある。
2 そこで,谷垣氏を「民主党特攻隊」として,消費税増税法案成立と引き換えに総裁の座を奪うという戦術を画策。これにより,「三党合意」や「野田谷垣密約」は効力を失い,野田総理の後ろ盾も一気に失わせるというメリットがでてくる。
3 一方,この総裁選で勝てば,次の選挙で,かなりの確率で首相になれることから,「仲良しクラブ」というより,「総理のいす取りゲーム」というかなりシビアなレースとなる。いわば,「喧嘩選挙」になることから,みんなで仲良く戦うのではなく,「個別対決」とせざるを得ない。
石原氏は,谷垣氏不出馬で優位に立ったように見えるが,実は,谷垣氏支持層が石原氏に対する恨み節を抱き,石破氏や安倍氏に流れてしまう可能性も高い。
4 ただし,次の選挙で勝つためには,「維新の会対策」が必要であるため,くっつくか,敵対するかという選択が迫られることに。今の思惑は,「おいしいとこどり」をしたいということで,喧嘩しないでくっつきたい(安倍氏はその筆頭)。もちろん,「自民党の顔」として受けのいい総裁にしなければならない(石原氏については,浮動票を取りやすいとう利点はある。)。
5 逆に言うと,この代表選の結果いかんでは,大量離党者(維新の会に流れる」可能性もあるため,長老を中心に,若手議員をむげに扱えないという悩みもある。
こんなところでしょうか。実際は,もっといろんな思惑が漂っていますが,いずれにせよ,「国民よりも党内安定」をメインに考えている代表選,総裁選なので,あまり本気になって各候補者の言動を押さえる必要もないでしょう。
一方,同じ時期に,大阪維新の会も,国政政党立ち上げに向けて,国会議員を交えての公開討論を行いました。ところが,リアクションは今一つで,内部からの避難も出ています。
確かに,今の風向きは,「国民は維新の会に期待している」という方向に吹いていますから,極端な話,維新の会の看板だけで当選する議員が続出する状態にあります。
しかし,アキレスけんも結構あります。
維新の会の懸念事項
1 看板が橋下氏ひとり(小沢新党に極めて類似)。なので,橋下氏に何かがあったら,党は崩れるのはほぼ確実。
2 代表が橋下氏だとすると,国政に出馬しない限り,総理になることは憲法上不可能。
3 橋下氏が出馬した場合,肝心な大阪市政の立て直しが事実上困難になる(橋下氏だからかなり強引にぐいぐいひっぱれた。)。
4 もし橋下氏が出馬すると,大阪市民有権者からは,「大阪を捨てた」など思われてしまい,思ったほどの票が取れない可能性もある。
5 そもそも,政策が固まっていないので,「政策選挙」という方向に持って行かれた場合,候補者は総崩れするリスクがある(なので,劇場型選挙を画策している。)。
6 「橋下チルドレン」が多数当選する可能性が高いが,「**チルドレン」という存在に,有権者が辟易とし始めており,逆にこれを警戒する動きも出始めている。
7 維新の会に移籍した国会議員は,「選挙目当て」「売名行為」と見られやすい(たとえ,志を持って移籍したとしても)。
8 「地方議員は国政に出馬できない」ルールがあるため,現職議員の不満が爆発し,内紛が発生するリスクも。
9 工作員による「破壊活動」に対する警戒(ネット上やマスコミを使ったネガティブキャンペーンを展開される可能性が高い)
つまり,今の維新の会は「仏作って魂入れず」という状態にあるため,肝心な政策をきっちり固めない限り,浮足立つだけの政党になるというリスクも極めて高く,かつ橋下氏もそこに危機意識をもっていることから,あえて「劇場型選挙」に持っていこうといろんなプランを画策していると言えるでしょう。
民主党も自民党も,この代表選,総裁選を通じて,どの程度国民に対してアピールでき,かつ心をつかめるかがキモとなりますが,現状では,かなり期待薄といえるでしょう。
一方,維新の会については,公開討論会が逆にあだとなり,国民の熱狂的支援に少々水を差してしまったというところもあります。維新の会としては,逆に腰を据えて政策を固め,そして本気で過半数を目指すのであれば,代表となる橋下氏は国政出馬をはっきりと大阪市民に対して示すべきです。
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消費税増税反対派の出した問責決議案には
最初は欠席し、あとから公然と賛成する自民党。
党内をまとめきれず、分裂者を出したうえ
消費税増税だけを先行させ、あとは先送りの民主党。
それに乗っかって、全てを民主党に押し付け
政権を横取りしようとする公明党も同罪です。
また、それを分かっておきながら
既存政党批判をしつつ
現実はそううまくはいかないからと
公明党と選挙協力を進めた維新の会も信用できません。
つぎの選挙はいろんな意味で
我々に重い選択を課した選挙と言えます。
地元(愛媛)のテレビや新聞の記者もなぜか質問しない、気色悪い状態です。
正直,今の民主,自民,公明については,基本的なポリシーというものが全く見えてきません。すべてが場当たり的すぎる運営に思えてなりません。
かつての自民党は良い意味でも悪い意味でも,ある種のポリシーを持っていました。でも,今は単に「風向きをみるだけ」になってしまっています。
維新の会も,結局のところ,今の段階では,「選挙に有利」という思惑だけで集まってきているように思えてなりません。政策が固まっていないのに人が集まるというのは,本来はナンセンスだからです。
いずれにせよ,次回の選挙では,少なくとも「棄権」だけは避けなければならないでしょう。しっかり見極めて投票することで,ポリシーなき政党,政治家を有権者の手で排除することが大切なのです。
維新の会も内部分裂が始まりそうな雰囲気が出ていますね。もしかすると,「維新の会維新の会」なんていう分裂組織ができるかもしれませんwww。
TPPについては,実は多くのマスコミはそもそもを理解していません。だから,まともに聞けないのでしょうね。