新聞各社が世論調査結果を発表しました。
各社とも民主党が300議席を越す勢いであるとの結果を報告していますが,一方で,投票態度未定の有権者もかなりおおく,各陣営とも「まだまだ風向きは変わりうる」として後半の選挙戦に臨むようです。
民主300議席超す勢い…衆院選情勢調査(読売新聞) - goo ニュース
保守王国すら・・っていう情勢ですね。
全国の状況についてはほかの方々のコメントに譲るとして,地元群馬の状況について短評したいと思います。
なお,ソースは読売新聞ですので,基本情報は読売群馬版をベースにしつつ,著作権の問題から表現をアレンジして作成します。
なお,候補者については,届出順に便宜上名字と政党名のみ記載します。
1区 【自民,民主が互角】
候補者
山田(無所属)
滝崎(幸福)
酒井(共産)
宮崎(民主)
尾身(自民・現)
【情勢】
ここは佐田氏と尾身氏がコスタリカ方式で出馬しているため,今回,佐田氏は尾身陣営を全面的にバックアップしています。
さて,地域的には,大票田前橋市では,宮崎氏と尾身氏が互角であるが,尾身氏の地元沼田市を中心とする利根郡では,やはり尾身氏支持が多数を占めています。
また,高齢者層や商工業者も尾身氏支持が多数を占めています。
一方,無党派層はほとんどが宮崎氏支持となっています。
酒井氏は,民主ブームにかき消されてしまい苦戦,滝崎氏は積極的に演説を行うなど無党派層への浸透を行っているものの,出遅れ感もあり苦戦,山田氏は東京から来たなど知名度が弱い点で苦戦しています。
【短評】変動激しい
先月あたりの世論調査では,1区は尾身氏優勢だっただけに,民主宮崎氏の勢いが止まらないっていう感じでしょうか。
ただ,この選挙区,自民,民主に限っていうと,国会議員はもとより,県議,市議とも,無党派層に対する配慮がなさ過ぎるというのが正直な感想です。前橋に来て,1年以上建ちますが,自民,民主の議員演説や政策ビラ,政策説明会などを見聞きしたことは一度もありません。こんな,「議員がどんな政治活動をしているのか分からない街」は初めてです(この点は,そろそろ各議員とも自覚してほしいものです。)。
したがって,自民はもちろんのこと,民主とて,無党派層の支持を本当にどこまで得られているか眉唾です。
また,小寺前知事が民主支持を表明しました。大票田前橋の場合,「知事派対市長派」の大戦争が続いているため,このいざこざがどちらの候補者に優位に働くのか,見物です。もっとも,このいざこざも「有権者無視」なのですが・・。
2区【民主優位,追う自民】
候補者
矢島(無所属)
蜂須(幸福)
笹川(自民・現)
石関(民主・現)
【情勢】
各年齢層及び各職業(自営業も含む)で,石関氏支持が笹川氏支持を上回っています。
地域別では,町村部では自民,民主が互角だが,伊勢崎市では石関氏支持が大きくリードしています。
蜂須氏は,無党派票取り込みを進めているものの,知名度の点などから苦戦,矢島氏は,父が市議ということもあり,また唯一女性候補と言うことから若年層から支持が比較的なされているものの,公示直前の出馬表明ということで苦戦しています。
【短評】予想どおり
ここも笹川氏と石関氏の一騎打ちです。ただ,前回の郵政選挙では,あれだけの追い風であったにも関わらず,笹川氏は辛勝という状態でした。今回,共産党が独自候補を擁立しなかったため,仮に前回の風のままだとしても,笹川氏は苦戦という状態でした。
そういう点からすると,笹川氏は「一発逆転ホームラン」でもない限り,そうとう厳し選挙戦になると思われます。
あとは,桐生市や伊勢崎市の場合,景気対策は街の死活問題ですから,「日本の景気」だけではなく「地域の景気回復」を各候補者とも明確にしないと,有権者は振り向かないでしょう。
ただ,ダークホースが矢島氏です。彼女の父は笹川派の市議なのですが,彼女が笹川票を奪うと石関氏圧勝となりますが,笹川氏バックアップとして石関氏の浮動票を取り込む戦術を採るのであれば,情勢は大幅に変わってくるかもしれません。
3区【民主リード,追う自民】
候補者
石見(幸福)
柿沼(民主)
谷津(自民・現)
【情勢】
太田市や館林市においては柿沼氏支持が4割強と谷津氏支持者を上回っています。職業別では,農業関係者は谷津氏支持が多数を占めているものの,それ以外の職業ではいずれも柿沼氏支持が多数を占めています。また,女性票については,柿沼氏と谷津氏がほぼ互角であるが,男性票は柿沼氏が谷津氏の倍近い支持を得ています。
石見氏は,各地で遊説を行っていますが,苦戦を強いられています。
【短評】やや想定外。女性有権者が明暗を分ける
ここも共産党が候補者を擁立しないことから,事実上自民,民主の一騎打ちとなっています。自民党の要職にいた谷津氏は,これまでは抜群の知名度と農政政策通ということもあって,農村地域が多い3区では安定した選挙戦を繰り広げていました。
しかし,ここにも民主風が吹いています。正直,少し前までは「それでも3区は自民党」と言われていただけに,今回の民主党の猛追は半端なものではないと思われます。
もっとも,3区の場合,太田市長選挙の遺恨試合的な部分もありますので,太田市の票がどう動くかで状況はさらに大きく変わるでしょう。
あとは,女性票の取り込みです。3区の場合,高齢化が進んでいることから,子育て支援だけでは女性票は動きません。過去にも将来にも女性をないがしろにしないっていう態度を明確に示した候補者が圧倒的優位に立つでしょう。
4区【自民,民主競り合い】
候補者
三宅(民主)
福田(自民・現)
森田(幸福)
【情勢】
福田氏は,自民公明支持者の大半の支持を得ているほか,農業,サラリーマンなどからも多数支持を得ています。また,女性有権者の支持も三宅氏の倍以上となっています。
一方,三宅氏は,30代の半分近くの支持を得ているほか,無党派層も福田氏と同じくらいの支持を得ています。
森田氏は,知名度などから劣勢の状態です。
【短評】想定外。サプライズな結果もあり得るか?
4区では,福田一族の安定基盤でしたし,民主党は直前まで公認問題でいざこざがあったこと,刺客の三宅氏もCX出身とはいえ,ものすごい知名度ではないことから,直前まで「4区は安泰」などといわれていました。しかし,蓋を開けてみたら,一気に三宅氏の猛追が半端ねえ,って感じになっています。下手すると,福田氏の選挙区落選もあり得るぐらいの状況です。
仮に落選した日には,「歴代総理が落選」ということで,どこのドイツの元首相のように,自民党が政権を取ったとしても,すねに傷という状態になるでしょう。
ただし,選挙分析では,決して民主党優勢というわけではありません。特に,ほかの地域ではサラリーマンの民主支持が多いのに,4区では,サラリーマンも自民支持となっています。無党派掘り起こしはもちろんのこと,サラリーマンや女性の支持層をある程度取り込まないと,三宅氏の当選は見込めないでしょう。逆に言うと,福田氏は,こうした部分を死守する戦術,これが必須です。
5区【自民安定】
候補者
土屋(社民)
生方(幸福)
小渕(自民・現)
【情勢】
小渕氏の独り相撲です。自民公明支持者の9割以上の支持を得ているほか,独自候補の擁立を見送った民主党の支持者すら,3割強取り込んでいます。また,各年代,各職業層からも小渕氏支持が多数を占めています。
土屋氏は社民党支持者からの支持率は高いものの,それ以外からの取り込みは今ひとつの状態です。
生方氏も,知名度の弱さなどから苦戦を強いらています。
【短評】予想どおり
ここは,おそらく当選確実が全国1,2番目にでると思います。短評もなにもありません。なにしろ,一字は無投票当選になるとまで言われた地域ですから。
なお,蛇足ですが,群馬の自民党候補者の場合,小渕氏以外はすべて70代です。こうした年齢層も逆風のあおりを受ける要因となっているのかもしれません。世代交代が進まなければ,次を狙う人もそっぽを向いて「早くけ落とそう」と思うでしょうから。
以上が群馬県の情勢です。もちろん,あくまでも現時点での世論調査に過ぎず,また,私の短評もそれを受けたものに過ぎません。あとは,163万人の有権者がどのような審判を下すのか,私も含め,後1週間真剣に考えましょう。
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各社とも民主党が300議席を越す勢いであるとの結果を報告していますが,一方で,投票態度未定の有権者もかなりおおく,各陣営とも「まだまだ風向きは変わりうる」として後半の選挙戦に臨むようです。
民主300議席超す勢い…衆院選情勢調査(読売新聞) - goo ニュース
保守王国すら・・っていう情勢ですね。
全国の状況についてはほかの方々のコメントに譲るとして,地元群馬の状況について短評したいと思います。
なお,ソースは読売新聞ですので,基本情報は読売群馬版をベースにしつつ,著作権の問題から表現をアレンジして作成します。
なお,候補者については,届出順に便宜上名字と政党名のみ記載します。
1区 【自民,民主が互角】
候補者
山田(無所属)
滝崎(幸福)
酒井(共産)
宮崎(民主)
尾身(自民・現)
【情勢】
ここは佐田氏と尾身氏がコスタリカ方式で出馬しているため,今回,佐田氏は尾身陣営を全面的にバックアップしています。
さて,地域的には,大票田前橋市では,宮崎氏と尾身氏が互角であるが,尾身氏の地元沼田市を中心とする利根郡では,やはり尾身氏支持が多数を占めています。
また,高齢者層や商工業者も尾身氏支持が多数を占めています。
一方,無党派層はほとんどが宮崎氏支持となっています。
酒井氏は,民主ブームにかき消されてしまい苦戦,滝崎氏は積極的に演説を行うなど無党派層への浸透を行っているものの,出遅れ感もあり苦戦,山田氏は東京から来たなど知名度が弱い点で苦戦しています。
【短評】変動激しい
先月あたりの世論調査では,1区は尾身氏優勢だっただけに,民主宮崎氏の勢いが止まらないっていう感じでしょうか。
ただ,この選挙区,自民,民主に限っていうと,国会議員はもとより,県議,市議とも,無党派層に対する配慮がなさ過ぎるというのが正直な感想です。前橋に来て,1年以上建ちますが,自民,民主の議員演説や政策ビラ,政策説明会などを見聞きしたことは一度もありません。こんな,「議員がどんな政治活動をしているのか分からない街」は初めてです(この点は,そろそろ各議員とも自覚してほしいものです。)。
したがって,自民はもちろんのこと,民主とて,無党派層の支持を本当にどこまで得られているか眉唾です。
また,小寺前知事が民主支持を表明しました。大票田前橋の場合,「知事派対市長派」の大戦争が続いているため,このいざこざがどちらの候補者に優位に働くのか,見物です。もっとも,このいざこざも「有権者無視」なのですが・・。
2区【民主優位,追う自民】
候補者
矢島(無所属)
蜂須(幸福)
笹川(自民・現)
石関(民主・現)
【情勢】
各年齢層及び各職業(自営業も含む)で,石関氏支持が笹川氏支持を上回っています。
地域別では,町村部では自民,民主が互角だが,伊勢崎市では石関氏支持が大きくリードしています。
蜂須氏は,無党派票取り込みを進めているものの,知名度の点などから苦戦,矢島氏は,父が市議ということもあり,また唯一女性候補と言うことから若年層から支持が比較的なされているものの,公示直前の出馬表明ということで苦戦しています。
【短評】予想どおり
ここも笹川氏と石関氏の一騎打ちです。ただ,前回の郵政選挙では,あれだけの追い風であったにも関わらず,笹川氏は辛勝という状態でした。今回,共産党が独自候補を擁立しなかったため,仮に前回の風のままだとしても,笹川氏は苦戦という状態でした。
そういう点からすると,笹川氏は「一発逆転ホームラン」でもない限り,そうとう厳し選挙戦になると思われます。
あとは,桐生市や伊勢崎市の場合,景気対策は街の死活問題ですから,「日本の景気」だけではなく「地域の景気回復」を各候補者とも明確にしないと,有権者は振り向かないでしょう。
ただ,ダークホースが矢島氏です。彼女の父は笹川派の市議なのですが,彼女が笹川票を奪うと石関氏圧勝となりますが,笹川氏バックアップとして石関氏の浮動票を取り込む戦術を採るのであれば,情勢は大幅に変わってくるかもしれません。
3区【民主リード,追う自民】
候補者
石見(幸福)
柿沼(民主)
谷津(自民・現)
【情勢】
太田市や館林市においては柿沼氏支持が4割強と谷津氏支持者を上回っています。職業別では,農業関係者は谷津氏支持が多数を占めているものの,それ以外の職業ではいずれも柿沼氏支持が多数を占めています。また,女性票については,柿沼氏と谷津氏がほぼ互角であるが,男性票は柿沼氏が谷津氏の倍近い支持を得ています。
石見氏は,各地で遊説を行っていますが,苦戦を強いられています。
【短評】やや想定外。女性有権者が明暗を分ける
ここも共産党が候補者を擁立しないことから,事実上自民,民主の一騎打ちとなっています。自民党の要職にいた谷津氏は,これまでは抜群の知名度と農政政策通ということもあって,農村地域が多い3区では安定した選挙戦を繰り広げていました。
しかし,ここにも民主風が吹いています。正直,少し前までは「それでも3区は自民党」と言われていただけに,今回の民主党の猛追は半端なものではないと思われます。
もっとも,3区の場合,太田市長選挙の遺恨試合的な部分もありますので,太田市の票がどう動くかで状況はさらに大きく変わるでしょう。
あとは,女性票の取り込みです。3区の場合,高齢化が進んでいることから,子育て支援だけでは女性票は動きません。過去にも将来にも女性をないがしろにしないっていう態度を明確に示した候補者が圧倒的優位に立つでしょう。
4区【自民,民主競り合い】
候補者
三宅(民主)
福田(自民・現)
森田(幸福)
【情勢】
福田氏は,自民公明支持者の大半の支持を得ているほか,農業,サラリーマンなどからも多数支持を得ています。また,女性有権者の支持も三宅氏の倍以上となっています。
一方,三宅氏は,30代の半分近くの支持を得ているほか,無党派層も福田氏と同じくらいの支持を得ています。
森田氏は,知名度などから劣勢の状態です。
【短評】想定外。サプライズな結果もあり得るか?
4区では,福田一族の安定基盤でしたし,民主党は直前まで公認問題でいざこざがあったこと,刺客の三宅氏もCX出身とはいえ,ものすごい知名度ではないことから,直前まで「4区は安泰」などといわれていました。しかし,蓋を開けてみたら,一気に三宅氏の猛追が半端ねえ,って感じになっています。下手すると,福田氏の選挙区落選もあり得るぐらいの状況です。
仮に落選した日には,「歴代総理が落選」ということで,どこのドイツの元首相のように,自民党が政権を取ったとしても,すねに傷という状態になるでしょう。
ただし,選挙分析では,決して民主党優勢というわけではありません。特に,ほかの地域ではサラリーマンの民主支持が多いのに,4区では,サラリーマンも自民支持となっています。無党派掘り起こしはもちろんのこと,サラリーマンや女性の支持層をある程度取り込まないと,三宅氏の当選は見込めないでしょう。逆に言うと,福田氏は,こうした部分を死守する戦術,これが必須です。
5区【自民安定】
候補者
土屋(社民)
生方(幸福)
小渕(自民・現)
【情勢】
小渕氏の独り相撲です。自民公明支持者の9割以上の支持を得ているほか,独自候補の擁立を見送った民主党の支持者すら,3割強取り込んでいます。また,各年代,各職業層からも小渕氏支持が多数を占めています。
土屋氏は社民党支持者からの支持率は高いものの,それ以外からの取り込みは今ひとつの状態です。
生方氏も,知名度の弱さなどから苦戦を強いらています。
【短評】予想どおり
ここは,おそらく当選確実が全国1,2番目にでると思います。短評もなにもありません。なにしろ,一字は無投票当選になるとまで言われた地域ですから。
なお,蛇足ですが,群馬の自民党候補者の場合,小渕氏以外はすべて70代です。こうした年齢層も逆風のあおりを受ける要因となっているのかもしれません。世代交代が進まなければ,次を狙う人もそっぽを向いて「早くけ落とそう」と思うでしょうから。
以上が群馬県の情勢です。もちろん,あくまでも現時点での世論調査に過ぎず,また,私の短評もそれを受けたものに過ぎません。あとは,163万人の有権者がどのような審判を下すのか,私も含め,後1週間真剣に考えましょう。
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http://blog.goo.ne.jp/hiroharikun/e/bb2045df7ea45b02f65367d48c5d28ea
奈良も保守王国の1つでしたが・・・。
故郷のある区だけが、接線で残ったかなっていうところです。
知名度の高いあの人(前回の刺客だったか)も、比例で残りましたが。
保守の悪いところは改革すべきでしょうが、いい所は残してほしい、と民主党に願うところです。
群馬の保守王国も崩壊状態となりました。
ただ,大切なのは,保守崩壊とか政権交代ということではなく,「新たな政治家が何をやるか」という点にあると思っています。
民主党が圧勝しましたが,4年前の自民党と同じことをやっていては元の木阿弥だと思いますし,自民党も言葉だけの反省ではなく,「国民が何を求めているのか」という点を本気で検証して,そのための政策を考えれば,まだまだ返り咲きのチャンスもあると思います。
とりあえず,来年の参議院選挙が,自民,民主の検証点といえるでしょうね。