長崎県知事選挙は，無所属で前副知事の中村法道氏が当選しました。無所属で民主党推薦の橋本氏と約９万票という大差で当選したことをうけて，民主党は「敗因は政治とカネの問題である」との見解を示しました。
また，元参議院議員の大仁田氏は約９万８千票取得するも当選には遠く及びませんでした。
投票率は６０．０８％ということで，前回の５２．２７％を約８％上回る非常に関心の高い選挙となりました。
長崎知事に自公系・中村氏＝民主推薦候補破る(時事通信) - goo ニュース
一体誰が本当に勝ったのだろうか？
民主党推薦の橋本氏の敗北原因については，鳩山総理も言うように「政治とカネの問題から浮動票が離れた」という点が大きいと言えるでしょう。この点は，民主党として謙虚に受け止め，国政も含め一から出直す覚悟で臨むべきでしょう。
しかし，この選挙，自民党が勝ったのかというと実はそうでもありません。したがって，国会では強気の「審議拒否」というかつての民主党の十八番をそのまま真似していますが，ここ，勘違いすると自民党はむしろとどめを刺しかねないダメージを受けますから，ちょっと戦術改めた方が良いと思います。
実は，今回の選挙，冷静に分析するとこう考えられます。
そもそも地方選挙ですから，基本的に有権者は「政党より地元への貢献度」が投票の大きな基準との一つとなります。そう考えると，候補者が前知事と中央官僚からの落下傘とでは，基本的に前知事の方が有利です。また，現職の金子知事は，自民党推薦でしたが，特段知事として大きな問題を起こした訳でもなく，いうなれば「つつがなく引退」（まあ，自民党基盤の弱体化をうれいて引退したと言われてますが）なので，そういう点では，有権者からの批判はそんなに大きくありません。となれば，後継者たる前知事に人気が集まりやすくなります。
したがって，この選挙，実は「鉄板選挙」だったのです。
ところが，得票数を見ると３１万票です。前回，金子知事は４０万票近くの得票で当選しました。しかも，投票率は８％も少なかったのです。
今回，候補者数が多かったという点を割り引いてみたとしても，これだけの鉄板選挙であれば，投票率８％アップした以上，４５万票は獲得可能なはずなのです。仮に大仁田氏の分を割り引いても３６万票は取得可能な状態でした。
しかし，それより遙かに少ない票しか取れませんでした。むしろ，民主党推薦の橋本氏の２２万票はいうなれば「予想外に多い得票」なのです。
したがって，この選挙，実は，「やっぱり自民党組織は長崎県内でも弱体化が著しい」と言えるのです。
もっといえば，大仁田氏の９万票，単純計算で増加した８％の投票率とほぼ同数となります。大仁田氏も除名されたといえ，かつての自民党組織票を若干持ってはいるものの，ざっくり評価すると「前回選挙行かずに今回選挙行った人は大仁田氏に投票した」といえるのです。これはどう評価するのかといえば，「もはや自民党も民主党もあてにならない。」という「脱政党」というか「非政党」という動きを有権者が示し始めた現れともいえるでしょう。
極端な話，今回の知事選挙に仮に「じゃぱねっとたかたの社長」とか「福山雅治さん」など「知名度があって地元ゆかりで爽やかなイメージの人」が立候補したら，当選するかしないか微妙なところまで票が取れたかもしれません。それくらい政党離れが目立ちはじめているといえるでしょう。
長崎県知事選挙，こうして分析すると，「勝者なき選挙」であったといえます。あえていえば，自民民主共倒れながら，あえていえば自民党の判定勝ちという程度の勝負でして，まさに，日露戦争における日本の判定勝ちと同じような状態といえるでしょう。
冒頭にも書きましたが，民主党が真摯に反省しなければならないことはいうまでもありませんが，だから自民党が大きな顔をして良いというような甘い状態ではありません。むしろ，自民党こそ「これではあかん，気合いを入れ直して国民目線の政治に取り組もう」という姿勢を示すべきなのです。自民党復興のカギはここにあります。
そして，民主党自民党共に，今一度「国民生活」を見つめ直してください。「政治とカネ」の問題はもちろん重要ですが，今大切なことは，国民生活の建て直しにあります。こうした議論をまずきちんと行うべきでしょう。自民党の審議拒否は，永田町の論理にすぎず，かつての民主党同様，愚の骨頂です。
以上，長崎県知事選挙の短評でした。
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また，元参議院議員の大仁田氏は約９万８千票取得するも当選には遠く及びませんでした。
投票率は６０．０８％ということで，前回の５２．２７％を約８％上回る非常に関心の高い選挙となりました。
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一体誰が本当に勝ったのだろうか？
民主党推薦の橋本氏の敗北原因については，鳩山総理も言うように「政治とカネの問題から浮動票が離れた」という点が大きいと言えるでしょう。この点は，民主党として謙虚に受け止め，国政も含め一から出直す覚悟で臨むべきでしょう。
しかし，この選挙，自民党が勝ったのかというと実はそうでもありません。したがって，国会では強気の「審議拒否」というかつての民主党の十八番をそのまま真似していますが，ここ，勘違いすると自民党はむしろとどめを刺しかねないダメージを受けますから，ちょっと戦術改めた方が良いと思います。
実は，今回の選挙，冷静に分析するとこう考えられます。
そもそも地方選挙ですから，基本的に有権者は「政党より地元への貢献度」が投票の大きな基準との一つとなります。そう考えると，候補者が前知事と中央官僚からの落下傘とでは，基本的に前知事の方が有利です。また，現職の金子知事は，自民党推薦でしたが，特段知事として大きな問題を起こした訳でもなく，いうなれば「つつがなく引退」（まあ，自民党基盤の弱体化をうれいて引退したと言われてますが）なので，そういう点では，有権者からの批判はそんなに大きくありません。となれば，後継者たる前知事に人気が集まりやすくなります。
したがって，この選挙，実は「鉄板選挙」だったのです。
ところが，得票数を見ると３１万票です。前回，金子知事は４０万票近くの得票で当選しました。しかも，投票率は８％も少なかったのです。
今回，候補者数が多かったという点を割り引いてみたとしても，これだけの鉄板選挙であれば，投票率８％アップした以上，４５万票は獲得可能なはずなのです。仮に大仁田氏の分を割り引いても３６万票は取得可能な状態でした。
しかし，それより遙かに少ない票しか取れませんでした。むしろ，民主党推薦の橋本氏の２２万票はいうなれば「予想外に多い得票」なのです。
したがって，この選挙，実は，「やっぱり自民党組織は長崎県内でも弱体化が著しい」と言えるのです。
もっといえば，大仁田氏の９万票，単純計算で増加した８％の投票率とほぼ同数となります。大仁田氏も除名されたといえ，かつての自民党組織票を若干持ってはいるものの，ざっくり評価すると「前回選挙行かずに今回選挙行った人は大仁田氏に投票した」といえるのです。これはどう評価するのかといえば，「もはや自民党も民主党もあてにならない。」という「脱政党」というか「非政党」という動きを有権者が示し始めた現れともいえるでしょう。
極端な話，今回の知事選挙に仮に「じゃぱねっとたかたの社長」とか「福山雅治さん」など「知名度があって地元ゆかりで爽やかなイメージの人」が立候補したら，当選するかしないか微妙なところまで票が取れたかもしれません。それくらい政党離れが目立ちはじめているといえるでしょう。
長崎県知事選挙，こうして分析すると，「勝者なき選挙」であったといえます。あえていえば，自民民主共倒れながら，あえていえば自民党の判定勝ちという程度の勝負でして，まさに，日露戦争における日本の判定勝ちと同じような状態といえるでしょう。
冒頭にも書きましたが，民主党が真摯に反省しなければならないことはいうまでもありませんが，だから自民党が大きな顔をして良いというような甘い状態ではありません。むしろ，自民党こそ「これではあかん，気合いを入れ直して国民目線の政治に取り組もう」という姿勢を示すべきなのです。自民党復興のカギはここにあります。
そして，民主党自民党共に，今一度「国民生活」を見つめ直してください。「政治とカネ」の問題はもちろん重要ですが，今大切なことは，国民生活の建て直しにあります。こうした議論をまずきちんと行うべきでしょう。自民党の審議拒否は，永田町の論理にすぎず，かつての民主党同様，愚の骨頂です。
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民主の“ショックを受けてるふり”作戦に
乗せられそうなお人好し谷垣自民！？
自民党は、勘違いしないでほしいですね
お偉いさんは、ともかく応援に入っで大人気
だった小泉Ｊｒ．は、その辺冷静に
自らの“ブログ”で分析しているようですね。
ちゃんと、上に報告しなくちゃ・・
民主党は実はフェイク？なんて思ったりもしています。すべては「小沢シナリオ」のとおりに動いているのかも，なんて考えるとちょっと恐いかも。
ただ，どっちにせよ，自民党はここで勘違いせず，地道に攻めて欲しいものです。
小泉さん，さすが父の教えなのか，冷静にことを見ている感じがします。自民党が勝ったという分析をしていませんよね。