三笠フーズが事故米を食用として販売した結果,多方面に影響が出始めました。
一方で,農水省の調査が甘かったのではないかなどとの批判も集まってます。
農水省の調査、節穴 事故米点検96回、一度も見抜けず(朝日新聞) - goo ニュース
強制調査権がないからねえ
まず農水省の調査関係ですが,現行法ではどうしても限界があります。
まず,事前通告して検査に行く手法ですが,現行法(食品衛生法28条)では強制調査権がない以上,仮に抜き打ち調査を行おうとして現地に行っても「いや」と言われればそれまでなのです。それ故,現在の運用は,嫌といわせないために事前通告をしているのです。もちろん,一応検査拒否罪は設けていますので,間接的な強制力はありますが,頑なに拒否された場合,結局調査しようがありません。
「じゃあ,強制調査権を付与しよう」という議論もでてきますが,これが簡単そうで難しい問題があります。それは,「令状が必要になる可能性が高い」ということです。
現在,行政調査で強制調査権が与えられている典型例は「税務調査」があげられます。これは,現在令状は不要だが強制力が認められています。その理由は,「あくまでも税務調査,すなわち税金の徴収のために必要な範囲内で調べる」というものであり,「刑事処罰のための証拠集め」目的ではないからです。当然,刑事処罰目的の場合は,令状が必要となります。
一方,食品衛生法でも,同様に刑事処罰目的調査はできない旨がはっきりと明記されています。あくまでも,適正管理の指導のためにしか調査はできないのです。むしろ,帳簿などを強制的に調べるというのは,単に適正管理を調べるためという目的を大幅に超え,「違法行為の確認」,すなわち「刑事処罰を視野に置いた調査」とならざるを得ません。
それゆえ,強制調査権を法律で付与するには,もう少し慎重な議論が必要になるでしょう(これを甘いと言わないでください。なんでもかんでも行政庁に強制調査権が付与された日には,あなたの後ろに突然役所の人が土足で入ってきても文句言えない,っていうことになりますよ。調査理由なんていくらでも付けられますから。)。
もちろん,実際に調査した結果,結構見落としがあったようですので,この点は農水省は真摯に反省するべきでしょう。
ただ,この問題,果たして事故米だけのことでしょうか。
実は,米の流通については,従前から「産地偽装米」が相当流通しているというのが,業界の公然の秘密となっています。当然,米の流通には農協が関与する場合が多いので,産地偽装米の大半は「組織的偽装」の場合が多いです。
例えば,「魚沼産コシヒカリ」は,魚沼地域で作られたコシヒカリの数倍が市場に出回っています。ってことは,確実に偽装米があると言うことです。
農水省は当然この辺りの調査権も有していますが,産地偽装米については,あまり積極的に調査していません。これを本気で調査すると,日本の農業がずたずたにされるおそれがあるからです。すなわち,「農業のブラックボックス」なのです。
今回の事故米の流通と,産地偽装米の流通は一見リンクしませんが,その根底にあるもの,すなわち「黙っていれば分からないし,国も黙認している」という事情は完全に共通しています。
農水省としては,事故米の調査はもちろんのことですが,良い機会なので,産地偽装米についても徹底調査を行うべきでしょう。そうしないと,本当に「食の安全」が崩壊しますし,何よりも「まじめな業者が損をする」ということになります。
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http://blog.goo.ne.jp/hiroharikun/e/23050562e514f8e382159ed04f2ce580
http://blog.goo.ne.jp/dorakichi66/e/686eb977bca1dbc62ae601b6e75cf9ae
http://blog.goo.ne.jp/sunafukin-0101/e/319b3777856147cb8efa42ba30a259c2
http://blog.livedoor.jp/qryuu/archives/51470668.html
一方で,農水省の調査が甘かったのではないかなどとの批判も集まってます。
農水省の調査、節穴 事故米点検96回、一度も見抜けず(朝日新聞) - goo ニュース
強制調査権がないからねえ
まず農水省の調査関係ですが,現行法ではどうしても限界があります。
まず,事前通告して検査に行く手法ですが,現行法(食品衛生法28条)では強制調査権がない以上,仮に抜き打ち調査を行おうとして現地に行っても「いや」と言われればそれまでなのです。それ故,現在の運用は,嫌といわせないために事前通告をしているのです。もちろん,一応検査拒否罪は設けていますので,間接的な強制力はありますが,頑なに拒否された場合,結局調査しようがありません。
「じゃあ,強制調査権を付与しよう」という議論もでてきますが,これが簡単そうで難しい問題があります。それは,「令状が必要になる可能性が高い」ということです。
現在,行政調査で強制調査権が与えられている典型例は「税務調査」があげられます。これは,現在令状は不要だが強制力が認められています。その理由は,「あくまでも税務調査,すなわち税金の徴収のために必要な範囲内で調べる」というものであり,「刑事処罰のための証拠集め」目的ではないからです。当然,刑事処罰目的の場合は,令状が必要となります。
一方,食品衛生法でも,同様に刑事処罰目的調査はできない旨がはっきりと明記されています。あくまでも,適正管理の指導のためにしか調査はできないのです。むしろ,帳簿などを強制的に調べるというのは,単に適正管理を調べるためという目的を大幅に超え,「違法行為の確認」,すなわち「刑事処罰を視野に置いた調査」とならざるを得ません。
それゆえ,強制調査権を法律で付与するには,もう少し慎重な議論が必要になるでしょう(これを甘いと言わないでください。なんでもかんでも行政庁に強制調査権が付与された日には,あなたの後ろに突然役所の人が土足で入ってきても文句言えない,っていうことになりますよ。調査理由なんていくらでも付けられますから。)。
もちろん,実際に調査した結果,結構見落としがあったようですので,この点は農水省は真摯に反省するべきでしょう。
ただ,この問題,果たして事故米だけのことでしょうか。
実は,米の流通については,従前から「産地偽装米」が相当流通しているというのが,業界の公然の秘密となっています。当然,米の流通には農協が関与する場合が多いので,産地偽装米の大半は「組織的偽装」の場合が多いです。
例えば,「魚沼産コシヒカリ」は,魚沼地域で作られたコシヒカリの数倍が市場に出回っています。ってことは,確実に偽装米があると言うことです。
農水省は当然この辺りの調査権も有していますが,産地偽装米については,あまり積極的に調査していません。これを本気で調査すると,日本の農業がずたずたにされるおそれがあるからです。すなわち,「農業のブラックボックス」なのです。
今回の事故米の流通と,産地偽装米の流通は一見リンクしませんが,その根底にあるもの,すなわち「黙っていれば分からないし,国も黙認している」という事情は完全に共通しています。
農水省としては,事故米の調査はもちろんのことですが,良い機会なので,産地偽装米についても徹底調査を行うべきでしょう。そうしないと,本当に「食の安全」が崩壊しますし,何よりも「まじめな業者が損をする」ということになります。
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http://blog.goo.ne.jp/hiroharikun/e/23050562e514f8e382159ed04f2ce580
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いつも同じことを言いますが,「きちんと表示をする」ただこれだけでよいのです。
あとは消費者の選択に委ねればよいだけのこと。
「偽ブランド」の看板をぶら下げて儲けようとしても,今の時代,そればばれると一気に会社は倒産し,社長個人も社会的信用をなくし,その後後ろ指さされるだけの人生になります。
素直な商売,これに限るでしょう。
農家の方も同じことです。自分が一生懸命育てたものですから,そのことを正直に書けば,消費者は分かります。
ポテトチップスでさえ「遺伝子組み換えでない」と表示しているのに、同じ穀物、それも主食がこれでは・・・。
農家の方にしても、後ろ指をさされないためには前述のような記述をしても良いのではないでしょうか?それともその一行だけで躊躇する消費者ばかりと思っているのでしょうか?
この辺りの法律,作りたくても作れない,っていうか作らないっていうのが政治家の本音だと思います。
「米を疑ってはいけない」という不文律があるからです。ここにメスを入れると,大票田である農業票がもらえなくなります。
当然,野党側も農家票がほしいので,なかなか抜本的な改正はできないでしょう。
ただ,まじめな農家を保護するという視点からすると,「事故米が流れないようにするチェック」と副次的に発生する「偽ブランド米チェック」は欠かせないと思います。
それより,「汚染食品の一掃」,これを第一に考えてほしいものですね。
食の安善について、問題意識があれば当然立法の方向へ進言できたはず。
やっぱり、政治家の圧力があったのか、官僚機構が腐っているのか、権限がないということは言い訳にしか過ぎません。
それに、汚染米を水際でストップできなかったことは、こと米だけでなく、その他の食糧も限りなく疑わしいということになりますが・・・