今回は,怪文書の使い方について説明します。
ここで,怪文書とは「作成者が誰か明確ではないもので,立候補者の特定人について不利になる情報を記載した法定外文書」のことをいいます。すなわち,選挙期間前または期間中に,虚無人名義により,特定候補者を誹謗中傷する文書です。いわゆる,「**候補者は**業者と癒着している」とか「**候補者は不倫をしている」などというものです。
当然,これは名誉毀損罪はもとより,公職選挙法違反にもなる行為です。しかし,何よりも「誰が書いたか分からない」というところがポイントとなります。
そこで,これをどのように使うのかについて,ここで説明したいと思います。
1 対立候補者をつぶすなら,「まず怪文書でジャブ」
そもそも,無投票工作に応じない候補者ということは,それなりに筋があるか,バックが強力であるといえます。
特に,「市民団体」が背後にいるような場合,今までのような裏工作は困難です。
そういう場合は,「怪文書」を選挙期間の1か月位前にまきます。
目的は,有権者へのインパクトではなく,「支援者つぶし」です。
したがって,怪文書の内容も,候補者が支持団体の考えとは違う,ということをいえば足ります。
例えば,「環境保全市民団体」がバックにいるような候補者の場合,怪文書の内容としては,「候補者がかつて勤務していた会社では排水垂れ流ししていた」とか「土木業者と親交があり,森林をつぶして工業団地を造ることを考えている」などとするのです。
これにより,支援者内に動揺が走ります。まずはそれで十分なのです。
2 内容は「あることないこと」で十分
では,怪文書の内容についてはどの程度まで調べ上げればよいでしょうか。
それは,「本当の話が少し」と「尾ひれ」で十分です。
完全なでっち上げでは,相手陣営は全く微動だにしません。ところが,少しでも真実が含まれていれば,その部分で動揺するのです。例えば,前述の例でいえば,「ある会社に勤めていた」とか「土木業者と親交がある」という事実だけで十分なのです。
とにかく,怪文書の目的は,何も相手の実態をさらすものではありません。だからこそ,「話半分」くらいの内容で十分なのです。
3 選挙直前には人格批判を
支援団体が多少なりとも動揺したら,今度は有権者への多少の動揺を与えます。
そのためには,今度は「人格批判」をするのです。例えば,「不倫している」「家庭内暴力」「借金がある」「離婚歴がある」などです。
有権者の中には,まだまだイメージで投票する人がいますから,そのような浮動票を封じるという大きな効果が期待できます。
なお,ここでは有権者用の文書なので,「嘘八百」で大丈夫です。むしろ,候補者の素顔とは真逆の顔があるという「本当らしい嘘」ほど効果は絶大です。
4 文書作成は第二後援会
では,これらの怪文書は誰が作るでしょうか。
結論から言うと,「第二後援会」です。しかし,怪文書はほぼ確実に刑事告訴されます。ただし,現実にはほとんど捜査は行われませんが,万一捜査が入っても大丈夫な体制を作っておく必要があります。
そこで,実際の文書作成は,後援会にない機材ですべてまかなう必要があります。実際,今の科学捜査で,パソコンやプリンタの特定まで可能であり,また紙もある程度特定できるため,一切足が付かないようにしなければなりません。
そのため,古いパソコンとプリンタ」を使います。そして,作り終わったら,すぐに廃棄処分にします。当然,中古業者から買ったものを使います(もちろん,偽名で購入します。)。
5 文書配布はホームレスバイト
しかし,配布時に捕まったら元も子もありません。
そこで,万一捕まっても大丈夫な人間を使います。具体的には「ホームレス」です。
彼らに「日給1万円でこれを配ってほしい」と依頼するのです。もちろん,それを依頼する人も間に人を介しておきます。
そうすることで,「誰が作って,誰が配ったのか,全く分からない」という怪文書が完成するのです。
6 カウンター怪文書対策
しかしながら,当然想定されるのは,「相手陣営からの怪文書」です。
もちろん,表の処理方法は,記者会見で「事実無根です。警察に告発しました。」などと言っておきます。これは,相手陣営も同じことでしょう。
しかし,裏の処理方法は,「怪文書つぶし」を画策するのです。
すなわち,ここで「自作自演怪文書」を作成して配布するのです。
なぜこんな馬鹿なことを,と思うでしょうが,ここがミソ。怪文書には,前述のとおり,それぞれ目的があります。相手陣営だって,この裏マニュアルに基づいているため,目的に応じた怪文書を作っています。
だからこそ,そのペースを崩すのです。従って,内容も,「対立候補者側のスキャンダル」ネタを自分のものとして使ってしまうのです。それにより,対立候補者側は非常に微妙な立場になり,本当の怪文書の続編が出しにくくなります。
また,怪文書が出た場合,多くの有権者は「ああ,これは**候補が作ったんだなあ」という察しは付きます。そこで,立て続けに怪文書がまかれれば,有権者としては「**候補もしつこいねえ」という心情になります。つまり「判官贔屓」の日本人気質をうまく使うのです。
以上になります。つまり,「怪文書には怪文書」という戦略ですが,すべては「自分の陣地内で動かす」という手法を取るのです。
次回は,「正しい候補者乱立」について説明します。
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ここで,怪文書とは「作成者が誰か明確ではないもので,立候補者の特定人について不利になる情報を記載した法定外文書」のことをいいます。すなわち,選挙期間前または期間中に,虚無人名義により,特定候補者を誹謗中傷する文書です。いわゆる,「**候補者は**業者と癒着している」とか「**候補者は不倫をしている」などというものです。
当然,これは名誉毀損罪はもとより,公職選挙法違反にもなる行為です。しかし,何よりも「誰が書いたか分からない」というところがポイントとなります。
そこで,これをどのように使うのかについて,ここで説明したいと思います。
1 対立候補者をつぶすなら,「まず怪文書でジャブ」
そもそも,無投票工作に応じない候補者ということは,それなりに筋があるか,バックが強力であるといえます。
特に,「市民団体」が背後にいるような場合,今までのような裏工作は困難です。
そういう場合は,「怪文書」を選挙期間の1か月位前にまきます。
目的は,有権者へのインパクトではなく,「支援者つぶし」です。
したがって,怪文書の内容も,候補者が支持団体の考えとは違う,ということをいえば足ります。
例えば,「環境保全市民団体」がバックにいるような候補者の場合,怪文書の内容としては,「候補者がかつて勤務していた会社では排水垂れ流ししていた」とか「土木業者と親交があり,森林をつぶして工業団地を造ることを考えている」などとするのです。
これにより,支援者内に動揺が走ります。まずはそれで十分なのです。
2 内容は「あることないこと」で十分
では,怪文書の内容についてはどの程度まで調べ上げればよいでしょうか。
それは,「本当の話が少し」と「尾ひれ」で十分です。
完全なでっち上げでは,相手陣営は全く微動だにしません。ところが,少しでも真実が含まれていれば,その部分で動揺するのです。例えば,前述の例でいえば,「ある会社に勤めていた」とか「土木業者と親交がある」という事実だけで十分なのです。
とにかく,怪文書の目的は,何も相手の実態をさらすものではありません。だからこそ,「話半分」くらいの内容で十分なのです。
3 選挙直前には人格批判を
支援団体が多少なりとも動揺したら,今度は有権者への多少の動揺を与えます。
そのためには,今度は「人格批判」をするのです。例えば,「不倫している」「家庭内暴力」「借金がある」「離婚歴がある」などです。
有権者の中には,まだまだイメージで投票する人がいますから,そのような浮動票を封じるという大きな効果が期待できます。
なお,ここでは有権者用の文書なので,「嘘八百」で大丈夫です。むしろ,候補者の素顔とは真逆の顔があるという「本当らしい嘘」ほど効果は絶大です。
4 文書作成は第二後援会
では,これらの怪文書は誰が作るでしょうか。
結論から言うと,「第二後援会」です。しかし,怪文書はほぼ確実に刑事告訴されます。ただし,現実にはほとんど捜査は行われませんが,万一捜査が入っても大丈夫な体制を作っておく必要があります。
そこで,実際の文書作成は,後援会にない機材ですべてまかなう必要があります。実際,今の科学捜査で,パソコンやプリンタの特定まで可能であり,また紙もある程度特定できるため,一切足が付かないようにしなければなりません。
そのため,古いパソコンとプリンタ」を使います。そして,作り終わったら,すぐに廃棄処分にします。当然,中古業者から買ったものを使います(もちろん,偽名で購入します。)。
5 文書配布はホームレスバイト
しかし,配布時に捕まったら元も子もありません。
そこで,万一捕まっても大丈夫な人間を使います。具体的には「ホームレス」です。
彼らに「日給1万円でこれを配ってほしい」と依頼するのです。もちろん,それを依頼する人も間に人を介しておきます。
そうすることで,「誰が作って,誰が配ったのか,全く分からない」という怪文書が完成するのです。
6 カウンター怪文書対策
しかしながら,当然想定されるのは,「相手陣営からの怪文書」です。
もちろん,表の処理方法は,記者会見で「事実無根です。警察に告発しました。」などと言っておきます。これは,相手陣営も同じことでしょう。
しかし,裏の処理方法は,「怪文書つぶし」を画策するのです。
すなわち,ここで「自作自演怪文書」を作成して配布するのです。
なぜこんな馬鹿なことを,と思うでしょうが,ここがミソ。怪文書には,前述のとおり,それぞれ目的があります。相手陣営だって,この裏マニュアルに基づいているため,目的に応じた怪文書を作っています。
だからこそ,そのペースを崩すのです。従って,内容も,「対立候補者側のスキャンダル」ネタを自分のものとして使ってしまうのです。それにより,対立候補者側は非常に微妙な立場になり,本当の怪文書の続編が出しにくくなります。
また,怪文書が出た場合,多くの有権者は「ああ,これは**候補が作ったんだなあ」という察しは付きます。そこで,立て続けに怪文書がまかれれば,有権者としては「**候補もしつこいねえ」という心情になります。つまり「判官贔屓」の日本人気質をうまく使うのです。
以上になります。つまり,「怪文書には怪文書」という戦略ですが,すべては「自分の陣地内で動かす」という手法を取るのです。
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ターゲットの所に怪文書を送る際、 アリバイ作りに自分の家にも怪文書を送ること!
お前が犯人か?と疑われたとき、「俺の家にも来た」ということでアリバイ作れる。
秋山正元