ここ数日,やらせ報道に関するニュースが続いています。朝日新聞の一連の虚偽記事事件,フジテレビ「目覚ましテレビ」の1コーナーでのやらせ,NHKニュースにおける梨ばらまき事件などがあげられます。各事件の内容については,既に多くのブログで書かれているため,ここでは割愛します。
ここでは,別の視点からこの問題について考えたいと思います。
1 やらせと演出の違いは何か
2 やらせ報道と世論調査について
1 やらせと演出の違いは何か
この点は,よく様々な番組で議論となりました。大きな目安としては,「報道番組で事実と異なる報道をした場合はやらせ,バラエティ番組の場合は番組の仕込みも含めてすべて演出」となるといえます。
もう少し丁寧に定義付けするならば,「やらせ」とは社会的な世論を作り上げる目的で,そもそも存在しない事実をあたかも存在するかのように報じること,またはある事実について誇張して報じることをいい,「演出」とは,社会的な世論形成に関係のない事項について存在しない事実を作り上げること,またはある事実についてそれをより分かりやすくする目的で大きく表現をすることといえるのではないでしょうか。
例えば,過去の例として,「アフタヌーンショー」で中学生リンチ事件を報じたが,実はこれは完全にテレビ局が仕込んだ「やらせ」であるとして番組打ち切りとなりましたが,これは事実自体をねつ造したこと,この番組はバラエティ要素が強いものの,内容は社会への警鐘という報道的要素が強かったことから,報道番組に属していたことから「やらせ」に該当したといえます。
一方,「電波少年」のヒッチハイク企画で実際は飛行機を使っていたという件については,この番組はもちろん,この企画自体に報道的要素はなく,完全なバラエティ番組であったということから,「やらせ」ではなく「演出」ということでけりが付きました。
では,「報道っぽいバラエティ番組」はどうでしょうか。典型例は「探検隊もの」です。きれいなサソリが集団で襲ってきたり,巨石が突然転がりながら地面にぶつかるとまるで発泡スチロールのようにバウンドしたり,隊員が川に落ちる数秒前からその隊員をアップで撮影しているなどはらはらどきどきの場面が続くあのシリーズですが,あれを「やらせ」でけしからん,という人は多分いないでしょう。たしかに,番組の建前は,バラエティではなくノンフィクションのごとく作り上げているものの,あのシリーズは,見る人も「今日はどんな仕込みがあるか」という前提で見ているために,社会的な世論を作り上げるという存在ではないことから,「演出」ということになります(ちなみに,私はあのシリーズ,大好きです。今時,あんなに笑える番組はありませんから。)。
ところで,今回の一連の件は,本当に「やらせ」なのでしょうか。
まず,朝日新聞の件は,基本的にニュースとは社会的世論を形成するための事実であるため,問答無用で「やらせ」となります。
目覚ましテレビの件については,あの番組が報道かという点に若干問題があるものの,一応情報番組という観点からすれば報道といえるでしょう。また,問題の企画についても,社会的世論を作り上げるような内容とは言いがたいものの,企画全体を通してみると,内容によっては社会への問題提起や視聴者の賛否を問うようなものもあったため,やはり世論形成に必要だったといえるでしょう。したがって,「やらせ」です。
NHKの梨畑報道はどうでしょうか。やはり,台風の被害の実態を伝えるという点からすれば,世論形成に欠かせない事実といえ,また梨をばらまくことにより被害の大きさを誇張したといえるため,これも「やらせ」になります。
ただし,注意したいのは,報道での演出はありだといえることです。各社が問題としているテーマに関する報道については,事実を歪曲しない範囲でより分かりやすく視聴者,読者に伝えるという使命があります。そして,そのわかりやすさを追求するために,「演出」という技法は必要でしょう。
まとめますが,少なくともここ最近のやらせ疑惑報道については,やはり事実の歪曲という要素が強いのかなあ,と思います。そして,やらせをやり続けると,やがては「報道への信頼」がなくなります。報道への信頼のない社会は,何も信用できないヤミ社会となってしまいかねません(この点は,私の過去の記事を参照してください)。
長くなりましたので,2については別の記事にします(こちらをクリックしますと2の記事にジャンプします。)。
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ここでは,別の視点からこの問題について考えたいと思います。
1 やらせと演出の違いは何か
2 やらせ報道と世論調査について
1 やらせと演出の違いは何か
この点は,よく様々な番組で議論となりました。大きな目安としては,「報道番組で事実と異なる報道をした場合はやらせ,バラエティ番組の場合は番組の仕込みも含めてすべて演出」となるといえます。
もう少し丁寧に定義付けするならば,「やらせ」とは社会的な世論を作り上げる目的で,そもそも存在しない事実をあたかも存在するかのように報じること,またはある事実について誇張して報じることをいい,「演出」とは,社会的な世論形成に関係のない事項について存在しない事実を作り上げること,またはある事実についてそれをより分かりやすくする目的で大きく表現をすることといえるのではないでしょうか。
例えば,過去の例として,「アフタヌーンショー」で中学生リンチ事件を報じたが,実はこれは完全にテレビ局が仕込んだ「やらせ」であるとして番組打ち切りとなりましたが,これは事実自体をねつ造したこと,この番組はバラエティ要素が強いものの,内容は社会への警鐘という報道的要素が強かったことから,報道番組に属していたことから「やらせ」に該当したといえます。
一方,「電波少年」のヒッチハイク企画で実際は飛行機を使っていたという件については,この番組はもちろん,この企画自体に報道的要素はなく,完全なバラエティ番組であったということから,「やらせ」ではなく「演出」ということでけりが付きました。
では,「報道っぽいバラエティ番組」はどうでしょうか。典型例は「探検隊もの」です。きれいなサソリが集団で襲ってきたり,巨石が突然転がりながら地面にぶつかるとまるで発泡スチロールのようにバウンドしたり,隊員が川に落ちる数秒前からその隊員をアップで撮影しているなどはらはらどきどきの場面が続くあのシリーズですが,あれを「やらせ」でけしからん,という人は多分いないでしょう。たしかに,番組の建前は,バラエティではなくノンフィクションのごとく作り上げているものの,あのシリーズは,見る人も「今日はどんな仕込みがあるか」という前提で見ているために,社会的な世論を作り上げるという存在ではないことから,「演出」ということになります(ちなみに,私はあのシリーズ,大好きです。今時,あんなに笑える番組はありませんから。)。
ところで,今回の一連の件は,本当に「やらせ」なのでしょうか。
まず,朝日新聞の件は,基本的にニュースとは社会的世論を形成するための事実であるため,問答無用で「やらせ」となります。
目覚ましテレビの件については,あの番組が報道かという点に若干問題があるものの,一応情報番組という観点からすれば報道といえるでしょう。また,問題の企画についても,社会的世論を作り上げるような内容とは言いがたいものの,企画全体を通してみると,内容によっては社会への問題提起や視聴者の賛否を問うようなものもあったため,やはり世論形成に必要だったといえるでしょう。したがって,「やらせ」です。
NHKの梨畑報道はどうでしょうか。やはり,台風の被害の実態を伝えるという点からすれば,世論形成に欠かせない事実といえ,また梨をばらまくことにより被害の大きさを誇張したといえるため,これも「やらせ」になります。
ただし,注意したいのは,報道での演出はありだといえることです。各社が問題としているテーマに関する報道については,事実を歪曲しない範囲でより分かりやすく視聴者,読者に伝えるという使命があります。そして,そのわかりやすさを追求するために,「演出」という技法は必要でしょう。
まとめますが,少なくともここ最近のやらせ疑惑報道については,やはり事実の歪曲という要素が強いのかなあ,と思います。そして,やらせをやり続けると,やがては「報道への信頼」がなくなります。報道への信頼のない社会は,何も信用できないヤミ社会となってしまいかねません(この点は,私の過去の記事を参照してください)。
長くなりましたので,2については別の記事にします(こちらをクリックしますと2の記事にジャンプします。)。
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