イマジネーション・トレーニングの日記〜わたしの藝と稽古の記録

パターンやイメージを探求するために絵を画いています。

稽古とブラック・ボックス〜「ブラック・ボックス」再び

2023-11-07 11:04:22 | ことばまなび

 

「藝の稽古」とは
 
「ブラック・ボックス」に
 
なにかを放り込んでは、またなにかを取り出す営みで
 
いつも完全には「法則化」はできない部分がある。
 
芸術の仕事とはだいたいそういうものだろう。
 
法則化を逸脱する、新発見の要素を常に持っている。
 
それが「イメージだし」というものだろう。
 
これについては以前に「ブラックボックスから」
 
というブログ記事ですでに書いたと思う。
 
あれをもういっぺん読んでみてもよい。
 
「からだ」や「こころ」
 
をひとつの複雑な「ブラック・ボックス」としてみる考え方はとても重要だと思い、
 
それはたとえば数学の概念では「函数」とよばれ
 
ある程度因果関係のはっきりした、明快な法則性を持つ「ブラック・ボックス」を扱っている。
 
わたしの「藝の稽古」も「まったくのめちゃくちゃ」ではないのだが、
 
「こころ」とか「からだ」という「ブラック・ボックス」は
 
もうちょっと複雑でわかりづらい構造を持っていて
 
これを「面白い」というべきか
 
「わけがわからない」というべきかは微妙で
 
この「ブラック・ボックス」の「法則性」の研究が
 
要するに「イマジネーション・トレーニング」というものの一端と言えるのではないか?
 
そう考えている。
 
わたしはこれは受験生のよくいうように「傾向と対策」だと思い、
 
ある程度の「稽古の努力」はしているが
 
その結果どういう「画面」ができるかは
 
「まったくの即興」で
 
なにができるかわからないことが
 
ものすごく面白く、またやり甲斐のあるところだと思っていて、
 
稽古を新鮮なものにするように努力をしている。
 
 
(  つづく  )

連載60回記念号

2023-10-21 15:44:45 | 日記

 

おはようございます。
 
無沙汰していました。
 
連載「イマジネーション・トレーニング法」の時間です。
 
今回は、タイトルにもあるとおり、
 
「連載通算60回記念号」
 
ということで、
 
最近のご報告と、
 
これからの予定のようなものを、
 
若干お伝えしたいと思います。
 
よろしくお願い致します。
 
 
 
 
報告その1
 
「共助団体さんでの展示」
 
 
9月の末に共助団体さんでのグループ展がおわり
 
そのご報告です。
 
今回は「ひらかれたかたち」
 
というテーマで、
 
すこし大きめの作品を三点ほど展示しました。
 
わりあいといい手応えを感じ好評でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
こんな感じです。
 
 
 
 
報告その2
 
 
「灰煮での制作」
 
 
ここのところ土佐の手漉き和紙の「灰煮」での制作がすすんでいて、
 
謹んでここにご報告いたします。
 
 
今回はちょっとした「ポートフォリオ」になります。
 
 
 
 
共助団体、出展作品「こころの宇宙」
 
「道学」には、
 
「性即理」と「心即理」のふたつの系譜がありますが、
 
今回は「心即理」(陸王学)の系譜より見て、
 
「こころ」をひとつの宇宙として捉えた作品です。
 
 
 
 
作品「天地玄黃」
 
「千字文」という書道の本からタイトルをいただき、
 
あめつちのさだまりのように
 
強く自由な画面をつくろうとした試みです。
 
 
 
 
作品「和紙のあそび」
 
和紙屋のご主人さんに、
 
いい和紙を、教えていただいたお礼に拵えた作品です。
 
和紙であそぶようにして画面をつくっています。
 
ゴンドラパステルが活躍しています。
 
 
 
 
作品「いのちのながれ」
 
いのちはながれている、
 
ながれているものがいのちなのだ。
 
そんなことを考え
 
きれいにさらさらながれているようなものをかたちにしてみました。
 
 
 
 
作品「ステラ」
 
 
偶然のなかに織り込まれた「意味」
 
を、夜空の星にみる考えがありますが、
 
そうした星の姿のひとつを絵に画いたものです。
 
 
 
 
報告その3
 
「ブックデザイン」
 
印刷やデザインの勉強をこつこつしていて、
 
「ブックデザイン」のようなものができるとよいと思っています。
 
今回で、連載が60回になり、
 
それを大きな節目にして、
 
だいたい60回分の「ブログ」原稿、
 
を、ざっと「冊子」のようなものにまとめる計画を持っています。
 
かなり大量の原稿になり、
 
PDFにするだけでもかなり大変ですが、
 
「イマジネーション・トレーニング」の「全貌」
 
のようなものが、
 
わたしのなかでもちょっと曖昧になっているので、
 
もうちょっとはっきりした「全体像」を
 
わたしなりに把握したいと思っています。
 
将来「イマジネーション・トレーニング」を
 
勉強したいという人がいれば、
 
そういう人の「参考書」として提供できる
 
「電子書籍」のようなものができるとよいです。
 
まあ、さしあたりは、自分用の「冊子」が印刷できるとよいです。
 
 
報告その4
 
「セルフ・ヘルプ・ワーク」の展開
 
「生活改善法」と呼んでいた作業が、
 
ここではっきり「セルフ・ヘルプ・ワーク」になり、
 
その中から、
 
「情報カード」を使った
 
「パーソナル・ディクテーション」の技法が発生し、
 
いままで「考える日記帳」と呼んでいた作業が、
 
「アクティブ・ダイアリー」と名称変更しました。
 
これについては、
 
note というメディアですでに発表原稿があり、
 
なるべく重複しない形で、
 
これからご報告できるとよいです。
 
 
報告は以上です。
 
 
また、こつこつ画面(デッサン)をつくり
 
そして、「メモワール」で考えるという「イマジネーション・トレーニング」、
 
また、茶店で勉強するという自分なりのやり方をこれからもやってゆきたいと思います。
 
ずいぶんながい報告になりました。
 
読んでくださってありがとうございます。
 
これからもよろしくお願い致します。
 
 
また、次回お会いしましょう。
 
 
( つづく )
 

画材紹介

2023-08-27 16:57:08 | 日記

 

おはようございます。
 
 
残暑お見舞い申しあげます。
 
ずいぶんご無沙汰していました。
 
連載「イマジネーション・トレーニング法」の時間です。
 
 
 
 
よろしくお願い致します。
 
この夏はすごく暑くて大変でした。
 
また、
 
わたしは、11月に、とある「ギャラリー・カフェ」さんで、
 
第二回目の個展をすることになり、
 
その準備でいろいろ大変です。
 
また、「共助団体」さんにも、
 
作品を、3点ほど出展することになり、
 
その準備もしていて、
 
すごく多忙な日々を送っています。
 
 
 
ブログ原稿はどうしようかなと
 
ずっと考えていました。
 
ここのところ、
 
画材の勉強の進展があり、
 
 
 
今回はちょっとした「画材紹介」の内容にしたいと思います。
 
「色構成」のテーマでは、
 
「ゴンドラパステル」の48色を買って、
 
いま、それがすごく活躍しています。
 
多分、著作権とかには引っかからないと思うので、
 
画像を公開しますが、
 
 
 
 
こんな感じの商品で、
 
 

 

中はこんな感じです。
 
地味な中間色のセンスがよいものが揃っていて、
 
重宝しています。
 
木の箱に入ったいい感じです。
 
 
 
また、「紙」の問題では、
 
「こうぞ」の和紙や、
 
「クロッキー」、
 
「水彩和紙」以外にも、
 
「アンティーク・レイド・ペーパー」という
 
クロッキーの製品をたくさん作っている、
 
「マルマン」さんの商品を試しています。
 
どうやらこれは新製品で、
 
偶然画材屋さんで、であったのですが、
 
「紙の質感」というものを工夫した商品で、
 
特別に「質の高い紙」という印象です。
 
 
パステルや色鉛筆などの作業をされている方には、
 
けっこうおすすめです。
 
詳しいことはよくわかりせんが、
 
A4やB4などの大きさをわたしは試しています。
 
 
 

 

こんな感じです。

 

〇 制作のほうでは、「ひらかれたかたち」
 
 
というテーマが現在進行中で、
 
 

 

 

 

こんな感じになります。
 
 
 
今回は「画材紹介」ということで、
 
 
ちょっとした「番外篇」ですが、
 
 
ささやかな「レポート」をさせていただきました。
 
 
いつも読んでくださり深く感謝しています。
 
 
ありがとうございました。
 
 
また次回お会いしましょう。
 
 
(つづく)

色鉛筆とパステルについて〜「色構成」の基本問題

2023-06-26 15:18:35 | 日記

 
 
おはようございます。
 
連載「イマジネーション・トレーニング法」の時間です。
 
よろしくお願い致します。
 
おおよそ、画面の構成の、具体的な要素としては、
 
「かたち」「色」、そして、「マチエール」
 
があると考えています。
 
 
このなかで、
 
「かたち」のテーマは、「パターン」などで、ずっと勉強してきて、
 
「マチエール」(質感、手応え)の話しもここのところ、ぽつぽつ、でてきていますが、
 
「色」の問題を、はっきり意識して、詳しく取り上げたことはなかったと思います。
 
それはむろん、「よくわからなかった」ということが大きな理由のひとつです。
 
また、もうひとつは、「あんまり考えなくても、なんとかなった」
 
というものがあると思います。
 
しかし、色についての「もやもや感」はつねにあり、
 
これはなんとかしたいなあとは、ずっと思っていて、
 
わたしなりの工夫をしてみて、それを「色構成」と呼ぶように、だんだんなってゆきました。
 
どういう「色関係の構造」がいいかです。
 
派手な、つまり、あまり考えていない「色構成」だと、
 
やはり、なにか、ひとつもの足りないような感じがつきまとい、
 
「これだ」、「これでいい」という感覚がなかったわけです。
 
では、どういう「色構成」「色構造」があるとよいかです。
 
 
「色構成」においての基本的な工夫は、
 
「地味で自然な色使い」だと感じます。
 
 
ここのあたりに気がついたのは、
 
去年の暮れから、今年の新年あたりの稽古です。
 
「クリーム色」、「黄色」、「萌黄色」などの
 
お互いに、あまり邪魔しないような色の組み合わせに関心がゆき、
 
これが「色構成」の研究のとっかかりとなりました。
 
「おしゃれ」な画面つくりを邪魔しない、
 
そういう「色構成」を考えていました。
 
 

 

わたしは「自分の色」というものは「サップ・グリーン」(萌黄色)だと思っていて、
 
わたしの稽古には「なくてはならない色」だと思っていますが、
 
この「サップ・グリーン」は、わりあいと明るい感じで、
 
しかもほかの色を、あまり邪魔しない、また引き立てる、いわば「粋」な色だと思います。
 
むろん、「自己主張が激しくぶつかり合う」ような、そういうやりかたがあっても、
 
それはそれで、うまくゆくケースもあると思うのですが、
 
そして、「ここぞ」という場所で生きる、そういう「はっきりした個性の強い色」もありますが、
 
人間関係でも、よくわかると思うのですが、
 
「存在感」はむろん、あったほうがよくても、「協力するところでは協力する」という要素がないと、
 
「ひとつの社会構造全体」となってゆくのは、かなり難しいわけです。
 
色もおなじで、
 
ある色のとなりに、別の色があるということが、
 
あんまり突飛でめちゃくちゃだと、
 
お互いのよい特徴を壊してしまい、
 
画面全体として、「どうかな?」という感じになってしまうわけです。
 
だから、これは「色そのものの善し悪し」ではなく、
 
「色関係の善し悪し」です。
 
 
こういうことで、
 
少しずつ、わたしの「色についての思索と研究」がはじまり、
 
具体的な稽古の場での、いろいろな試行錯誤や実験にはいりました。
 
それはいまでもつづいていて、葛藤がありますが、
 
やっていて、すぐに気がついたのは、
 
「絵の具の色数」です。
 
色鉛筆は当初、無印良品の「12色セット」を、すごくよく使っていて、
 
パステルは、いまでも、中学校の学校支給の、ぺんてるの12色セットです。
 
理由は簡単で「それだけしか、買う金がなかった」からです。
 
しかし色数といっても、
 
使える色と、効果がない、使いづらい色があるわけで、
 
画面の「色構成」を、拵えながら、
 
「ここで、あと一色、もうちょっと一段、地味な色がほしい」というときに、
 
「無印良品」の色鉛筆は「ちょうどよい」チョイスがあったりして、
 
すごく助かります。
 
そういう点で、「よく考えられた色鉛筆」だと感じています。
 
 
いまでは36色の「フェーバー・キャステル」などの高級色鉛筆を買う、
 
そういう経済的なゆとりができて、また、実際に買いもしたのですが、
 
色そのもののクオリティや質感はそれぞれ、すごくよくても、
 
すごくたくさんありすぎて、いまのところ全貌がよくつかめず、
 
つまり、わからない部分がおおすぎ、
 
これはずいぶん贅沢な話しだとは思いますが、
 
「色構成」の作業としては「でたとこ勝負」の観もあります。
 
また、「フェーバー・キャステル」にはない色が、どうしてもほしいこともあり、
 
そういうときは、無印の12色からいまでも、使っています。
 
そういうわけで、
 
「使える色が、きちんと揃っている、12色程度のセット」での訓練が、
 
「基本的な経験資産」として、すごく重要だなと感じます。
 
 
 
 
そしていま、わたしは「パステル」を使うケースが、稽古の段取りのなかで、具体的にかなり増えてきて、
 
「もうちょっと色数の多い」
 
たとえばレンブラントなどの、高級パステルも、すごくよさそうだなと魅力を感じますが、
 
やはり、「シンプルで使い勝手のよい」
 
中学校以来の「ぺんてるパステルセット」の
 
「手堅い色構成」の捨てがたさも、
 
また、同時に感じていて、
 
正直どうしようか迷っているところです。
 
 
 
後記、
 
いま、「ゴンドラ」さんという
 
日本のメーカーさんの製品に画材屋さんで出会い
 
どういうものか、試してみることにして、
 
到着を待っているところです。
 
 
 
 
今回は「色構成の基本問題」をすこし、とりあげてみました。
 
見てくださって、ありがとうございました。
 
また次回の原稿で、お会いしましょう。
 
ご機嫌よう。
 
 
 
 
(つづく)

試みること、と、成長すること

2023-06-13 09:19:14 | 日記

 
 
みなさん、おはようございます。
 
連載「イマジネーション・トレーニング法」の時間です。
 
よろしくお願いいたします。
 
劈頭にあげた作品は「ひらかれたかたち」という「シリーズ」に属しています。
 
わたしは、稽古を予期したり、あらかじめ計画するのは苦手な方で、
 
まるっきりの「出たとこ勝負」で、
 
とくに「こう作ろう」と思って画いたものではないのですが、
 
ここのところ、ちらほら、作品ができる系列です。
 
そういう「系列」が、制作にできることはよくあり、
 
なにか意味があるのかもしれません。
 
わたしは、ずっと「かた稽古」ということをしているのですが、
 
できる作品には、
 
「エスキース」といって、未熟な段階の稽古もかなりあり、
 
また、「ひらかれたかたち」のように、
 
ある程度、公開してもよいと判断できる作品もあります。
 
つねに「実験」することはすごく大切で、
 
研究して、「自分を試みる」ことが、
 
成長の大きな「秘訣」だなあと感じています。
 
「これはひどい」という画面ができるのはよくあることで、
 
それを嫌がっていたらまったく稽古になりません。
 
さすがにこういう場には出しませんが、
 
「ひどい稽古」にも、「稽古としての意味」があることが多いと感じています。
 
だいたい、「かた稽古」では、一日、2〜3枚、画くような「ペース配分」にしていますが、
 
はじめの一作目から、評価できるものができることは、かなり少なく、
 
だんだん「稽古の興」が、乗ってゆくような感じで、
 
これはスポーツの練習などと似ているのかもしれません。
 
理想をいえば、一日の「かた稽古」のなかで、
 
その一日なりの「成長」があれば、
 
それは、無意味な稽古ではないと感じます。
 
 
 
 
 
 
 
これが積み重なってゆくと、
 
「これはかなり成長したな」
 
といえるだけの大きな傾向がはっきり出るもので、
 
わたしは自分の「クロッキー帳」を、眺めて回想するのが、割合と好きな方ですが、
 
そういう「成長の過程、足あと」のようなものを確認できると、
 
頑張る勇気も沸いてきます。
 
どうやら、わたしは、3月から6月にかけて、
 
おおきな進歩がみられたようで、
 
思いあたることは特にありませんが、
 
なにか、個人的な理由があるのかもしれません。
 
単純にこつこつ稽古していただけです。
 
 
 
 
 
 
 
そういえば思いだしましたが、
 
「紙」のバラエティを揃えることが、
 
かなり大切で、
 
クロッキーも、二冊ほど、使いわけていて、
 
また、水彩和紙や、スケッチブックなども、
 
それぞれ、使いわけています。
 
紙にはいろいろの「質」があり、
 
それぞれの「手応え」が違います。
 
存在感の違いです。
 
思いついたら、さっと紙を出せるように、
 
紙の準備はきちんとやるようにしています。
 
 
一日の稽古で、
 
最初は、水彩和紙、つぎはクリーム色のクロッキー
 
あるいは、白いクロッキー、
 
そして、スケッチブック
 
などと、
 
だんだん、自分のペースを整えるような、「紙遣い」をしていて、
 
これも、「かた稽古」における重要な工夫となっています。
 
 
「かた稽古」では、
 
能楽でいう、「序破急」ということがすごく大切で、
 
これは、ジャズ音楽のインプロビゼーションもよく似ていて、
 
要するに、「即興」をする訓練でもあります。
 
 
さて、今回は「試みること」と「成長すること」という切り口から、
 
稽古、おもに「かた稽古」のことを書いてみました。
 
さほど役にたつ内容ではないのかもしれませんが、
 
楽しんでいただけていたらいいと願います。
 
読んでくださり、ほんとうにありがとうございました。
 
また次回お会いしましょう。
 
(つづく)