雲は何を惜しむのか。
満月の姿をベールで覆うように薄く広がる。
月は雲のすきまを縫っては顔を出し、また隠れてしまう。
雲が流れているのか、月が動いているのか
常に移ろいながら、時折見せる光はよりまばゆく見える。
それでも一瞬満月を見せてくれた。
ずっとそのままでいるより、雲のベールの中を動いている月の姿はいつまでも見ることができる。
雲に隠れた満月は不気味にも見える。
日本ではその静かな風情を楽しむのが主流だが、西洋では満月は人に狂気のエネルギーを与え、奇怪な行動に駆り立てるという伝承がある。
狼男である。
同じ夜空に浮かぶ満月でも人により地域によりそれだけ見方が変わるのだ。
同じもので誰もが同じようには見ない。
今日は雲がかかってかえって楽しめた。
時間と共に、常に移ろっているのだと実感した次第です。
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