沙羅双樹の花が見ごろの時期を迎えています。
兵庫県明石市 沙羅の咲くお寺として有名な観音寺
⇒神戸新聞
日本では沙羅双樹の花は、もののあはれやはかなさを象徴するものとして関連付けられています。
平家の栄華と没落を記した平家物語の冒頭に沙羅双樹の花が出てきます。
『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし』
沙羅双樹は仏教と縁の深い木で、無憂樹、菩提樹と並んで仏教の三大聖木と言われています。
お釈迦様は対の沙羅双樹の間で亡くなり、その時沙羅双樹の花が枯れて白くなったという伝説があります。
平家物語冒頭の「沙羅双樹の花の色」が盛者必衰を表しているというのは、そのことからきています。
お釈迦様の入滅(死亡)を表す涅槃図では、4対8本の沙羅双樹に囲まれている様子が描かれています。
⇒王泉寺
沙羅双樹は学名Shorea robusta、一般にSal tree
インドを中心に北から東へネパール、バングラディッシュ、ミャンマーに広く分布している常緑高木樹です。
花は淡い黄色の小さな花です。
⇒boldsky
日本で沙羅双樹と呼ばれているのは夏ツバキです。
なぜ夏ツバキなのかは、諸説あります。
ある僧侶が夏ツバキを沙羅双樹と思い込んで広めた、朝に咲き夕べに落ちる様子が仏教に通じるものがあるとかですが、はっきりはしません。
こうしたことは日本に限ったことではありません。
アジアのスリランカやタイ、カンボジアなどではアメリカ原産のホウガンの木(cannonball tree)が沙羅双樹として認知されています。
お釈迦様と縁の深い木ですから、身近にあってほしいと願い信じていくのでしょうね。
ホウガンの木の花
どこかぼっちりした感じが椿に似ているような・・・
⇒gardentropics
儚さ、無常、あはれなど日本人に受け継がれる美意識は特別なものです。
落ちゆく沙羅双樹(夏ツバキ)の花を愛でながら、お茶を飲み料理をいただく。
日本ですね・・・・・
⇒京都観光Navi
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