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うそ鳥で吉に・・・

2021-01-18 17:52:37 | ◇ トピックス          

初天神祭に「うそかえ祭」という神事が行われます。
天神様(菅原道真)が大宰府で蜂の大軍に襲われたときに、うそ鳥がこれを撃退したという話が由来になっています。

木彫りの鷽鳥を交換しあったり、毎年新しいしものに替えたりします。
「ウソ」の言葉をうそ(嘘)と転じて、嘘を真実に変える「うそかえ」で、今までの厄や災いを嘘にして新年に吉と変えましょうということになりますね。
「かえましょう、かえましょう」と言いながら、木彫りのうそ鳥が入った袋を交換し合います。

古くは口笛を吹くことを「うそぶく」といい。声が口笛に似ていることからウソ鳥と名前が付いたといわれています。
木彫りにするとこんな感じになります。
各神社で色々な木うそがありますね。


⇒大宰府魅力発見塾


⇒湯島天神


⇒亀戸天神社

こうして嘘が木彫りの鷽鳥の交換で吉となればいいのですが、最近はそうでもありません。
ネットでいわゆるフェイクニュース、嘘や虚偽の報道が問題となっています。
広まることで嘘が真実となり、それを信じる人があっという間に増えます。
多くの人が信じればそれは真実として独り歩きをし、誤った情報を基に人々は行動します。

先日こんなニュースが流れました。
" Dwarf giraffes have been spotted in Uganda and Namibia "
ウガンダとナミビアで矮性キリン発見
Dwafは矮性という意味で、動植物が小型のまま成熟することで、骨格に何らかの異常があるために起こることのようです。


⇒lonley planets


このニュースが日本語に翻訳されて記事になった時「背丈が半分のミニキリン」が見つかったとというような報道がされました。
いかにも新しい背の低いキリンの大発見という報道ですが、これは正確に報道されていないとキリン研究者の郡司芽久さんは述べています。

郡司 芽久・国立科学博物館日本学術振興会特別研究員PD


⇒Top Researchers

⇒note 情報が歪んでいく様子を追跡してみた:「ほぼ嘘」のミニキリンが誕生するまで by 郡司芽久
問題として挙げられているのは、この背の低いキリンの年齢が示されていないこと。
記事によれば、人間でいえば中学生ぐらいと推測されるということ
骨に何らかの異常があると考えられること
5年間で2頭の症例について相次いでと表現されたことなどが挙げられています。
また日本語に翻訳される時点で表現が過剰になり、元記事の半分ほどが削除されている点も指摘されています。

この日本の記事は嘘とは言えないが、歪んでいるのも事実。

情報が大量に出回る現在、そこから真実だけを見つけ出すことは容易ではありません。
実際何が真実で何が嘘か、簡単には見分け付きませんから。
嘘と真実もグラデーションですね。
拡散のスピードも速いですし・・・・
他の記事も調べることも大切、これもなかなか簡単にはいきませんが、鵜呑みにしないことだけは注意をした方がいいように思います。


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