家庭で焼きそばを作るとき、どうやって作る?
具と麺を炒めて、(粉末)ソースを入れて、ジュージュー香りが出るように炒める...
これが当たり前だと思っていた。
旅好きのお友達と話しているとき、滋賀で「スヤキ」なる焼きそばがたいそう美味しかったと聞いた。
なんでも、麺と最小限の具をほとんど味付けなく炒めたものが提供され、
各々が好きなだけソースやら胡椒をかけて食べるのだそうな。
ポイントとして「ソースの味がダイレクトに来るから、少量のソースでもしっかり味がする」という。
なるほど!と思った。
たしかに、野菜炒めでもチャーハンでも、味付けは最後の最後の方が美味いと私は思っていた。
野菜や米に味が染みた方が美味いだろうという人もいようが、私は最後に味をなじませるぐらいの方が好き。
鉄板でソースを焦がすことが美徳とされる焼きそばでも同じ考えが適用できるとは盲点だった。
数日後、早速作ってみた。
麺とソースはその辺のスーパーで売っている蒸し麺と粉ソースのありきたりなもの。
(とはいえ、この「はつかり」の焼きそばがなかなか手に入らない。安いのに美味い)
スガキは具が最小限らしいけど、家族向けの昼ご飯なので我が家はキャベツともやしたっぷりで。
作り方は途中まで我が家のデフォルトで。
①具を前もって7割がた炒めて取り出す
②麺を単体で焦げるぐらいまでよく炒る
③炒まった麺に①を合わせて再加熱
ここで!!!
④火を止めて粉末スープ投入、よく混ぜる
粉末スープの溶け具合が心配だったが、まったくの杞憂で余熱でも十分溶けた。
再加熱はしない、焦がさない。
出来上がり。
いつもの焼きそばに比べて、格段にしっとりしている。
それは「水っぽい」わけではなく、ソースの味がしっかりと感じられて
むしろいつもより味が濃く感じられたほど。
確かに香りが少し弱いかな?とは思うけれど、ガリっと胡椒をひとかきしてやれば
香り高い焼そばにランクアップだ。
なるほど~、こういうことか。
考えてみれば、日本人が好きな料理は、味付け最後のものが多いね。
寿司、蕎麦、天ぷら・・・おっと、ラーメンもこれに当てはまるよね。
スープに麺を合わせるのは最後の最後、麺を入れてから煮込んだりはしないでしょう?
淡白な味のものに、最後にガツンと味をつける。それが美味い料理の基本(のひとつ)なのかな。
ソースは焦がした方が美味い、そんな固定観念を壊してくれる新しい発見でした。