「オレ、役に立てますかね」
白衣の男は驚いた顔で僕を見た。言った僕自身もびっくりした。デリバリーの仕事にも慣れてきたところだし、ときどき詩も書けている。こんな未来のなさそうな店に、どうして興味をもつんだろう。アリエナイ。
「給料だってそんなに出せないよ。アンタはまだ若いし、高校生の女の子でいい仕事だ」。
男は言ったけど、今の高校生はもっと割のいい仕事がいくらでもあることを知っている。「オレは一応だけど経済学科を出ているし、商売のことも少しはわかる。配達だってできる」僕はなぜか熱弁をふるった。
男はサトウと名乗って「和菓子屋にはピッタリの名前だろ」と笑った。
僕は和菓子にはぜんぜん関係ない自分の名前を言った。「タカハシコージです。よろしくお願いします」
サトウさんは「オレも考えてみるけど、タカハシ君もよく考え直してみてよ」と言った。「若い人の未来をつぶしたくないから」つぶされるような未来なんて僕にはない。
白衣の男は驚いた顔で僕を見た。言った僕自身もびっくりした。デリバリーの仕事にも慣れてきたところだし、ときどき詩も書けている。こんな未来のなさそうな店に、どうして興味をもつんだろう。アリエナイ。
「給料だってそんなに出せないよ。アンタはまだ若いし、高校生の女の子でいい仕事だ」。
男は言ったけど、今の高校生はもっと割のいい仕事がいくらでもあることを知っている。「オレは一応だけど経済学科を出ているし、商売のことも少しはわかる。配達だってできる」僕はなぜか熱弁をふるった。
男はサトウと名乗って「和菓子屋にはピッタリの名前だろ」と笑った。
僕は和菓子にはぜんぜん関係ない自分の名前を言った。「タカハシコージです。よろしくお願いします」
サトウさんは「オレも考えてみるけど、タカハシ君もよく考え直してみてよ」と言った。「若い人の未来をつぶしたくないから」つぶされるような未来なんて僕にはない。