おかあさんのうた

どこをどう歩いてきたんだろう。
おかあさん、子供たちよ。
あのぬくもりはもう帰っては来ないのだろうか。

夢から覚めたら、まだ夢だった

2021-05-21 11:28:23 | 日記
また、きょうも夢から覚めた。
窓の外はまだ暗い。
いつものように、代わり映えのしない朝食を独り食う。

夢心地に電話を取る。
次第に目が覚める。
「誰?」
受話器の向こうは記憶にない声だった。
「さよなら」

10年近く夢を見ていた。
長い、長い、夢を見ていた。
夢に喜び、夢に泣き、夢に後悔した。

しばらくして携帯電話の着信を見る。
現実か。
現実だった。
着信の記録ははっきりと見えた。
窓の外の梅雨の終わりのはっきりとしない空模様から
何十日振りかの雨が落ちてきた。

あの時の、あの理由をはっきりと会って言いたかった。
愚図々々し過ぎたか。
誤解をしたまま、されたままに夢から覚めたくない。

呆然と空を見る。
雨は渇いた公園のグランドのホコリをしずめただけだった。

大晦日

2012-12-31 19:57:42 | 日記

きょうは大晦日。車の通りも人影も少なくなった。



 あと4時間で今年も終わる。

あの部屋で、紅白歌合戦を観ながら団欒しているかな。

「お父さんいないね」ってしんみりしていないか。

明朝は初日の出見に行こうと思っているんだ。

車ないからね、遠出できないんだ。

 おかあさん、ビール飲んでる?

ビールくらい飲まないとだめだよ。

アコもモコもお酒飲めないんだろう。

少しくらい練習したほうがいいよ。

 数の子あるかい。

正月は由布子の味付けの数の子で年越しの酒がたのしみだった。

「はい、出来たよ!」

紅白歌合戦が終ると年越しそばを由布子が手際よく出してくる。

椀からのぼる湯気に、椀には紅白のかまぼこと三つ葉などの野菜が入っていた。

椎茸も入ってたな。

そばをすすって、数の子をひとかけら食べると、とても美味しかった。

部屋中、春のように明るく暖かだった。

 父さんは今夜もひとり酒。

歌合戦観ていたんだけど、お前たちに逢いたくて

どうしているか、少し、気になってーーーーーー。

パソコンに向かったんだ。

みんな、元気で待ってろよ。


 明日からまたひとつ老けていくのか。