おかあさんのうた

どこをどう歩いてきたんだろう。
おかあさん、子供たちよ。
あのぬくもりはもう帰っては来ないのだろうか。

ホワイトチョコレートの夜

2012-04-24 23:55:22 | 随筆
 母さん、今夜はね、

この路地を千鳥足で居酒屋に向ったよ。

 ママと新米のホステスが小さなチョコレートをひと月前にくれたんだ。

ママはいなかった。

新米のホステストふたりだけだった。

「ありがとう」そう云って彼女にママの分あわせてお菓子をプレゼントした。

洒落たお菓子だったんだよ。

 もうひとり、チョコを貰った。

そう、あいつさ。

あいつは知らないね。

今度、ゆっくり話そう。

よく惣菜を持って来てくれるんだ。

これがうまいんだ。

あいつは椎茸入り昆布の佃煮が大好きなんだ。

だからスーパーで椎茸入り昆布佃煮を買った。

惣菜のお礼もあってさ。


 夕べね、いや、今朝かな。

おまえの夢を見た。

このごろは毎夜みるんだ。

おまえは髪を短く切っていた。

おまえはぼくの傍にいた。

少し短く切りすぎじゃないかと思うよ。

おまえの小さな横顔が寂しそうだった。

「由布子!」

そういって、おれはおまえを両腕に抱いた。

由布子、おまえのぬくもりがおれのからだを包んだ。

あれ?由布子おまえは嫌がってないね。

俺、帰ってももいいのかい?

笑ったね、由布子笑ったね、いいんだ!!


 ちきしょう、なぜ目が醒める。

きょうも雨か。

ちきしょう!!


平成24年3月14日  23:00

初夏だよ

2012-04-19 10:17:40 | 随筆
声も聞けない。

誰の所為でもないけれどやるせなくなる。

月日は矢のように過ぎてゆく。


 ふと、通り過ぎた昔通ったゴルフ場。

元気でやっているかな。

おまえとやりたかったゴルフ場だよ。


 夕方、インターネットでおまえの名前を探した。 

おまえの名前はインターネットに出ているんだよ。

おまえが好成績を出したときだけね。

94だったね、すごい!

元気にやっているんだとうれしかった。

おまえに逢えたような気がした。

「あんたはほんとうに下手くそだからーーー」

そういうおまえの顔が浮かんでくるよ。

いやだ、いやだ言ってたおまえの方がうまくなったね。

その歳で94はすごいよ。

あいつらに自慢してみたい。


 元気でよかたった。

声くらい聞きたいけれど我慢するよ。

どうしようもないものね。

最近はお酒もおいしく飲める。