おかあさんのうた

どこをどう歩いてきたんだろう。
おかあさん、子供たちよ。
あのぬくもりはもう帰っては来ないのだろうか。

最後の手紙

2010-03-26 10:06:04 | 随筆
 この寒さはこれで終わりだね。

とても寒いよ。すこし開いたてた窓からひゅーひゅー風が入り込む。

1人の部屋で机に向かっている。

由布子はいま何をしているのかな。

何も云わず、物干し竿に洗濯ものをほしているに違いないね。

そっちも寒いだろう?

 去年の日記を紐解いてしまった。

あの日あの夜に君に書いた最後の手紙を書いた日の日記のページが出てきた。

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 昨夜、手紙を出した。

今夜は涙を堪える事ができた。我慢できた。

ゆふこ、これが最後の選択だ。

今朝からおまえに電話をしたくて何度もパソコンの机から離れてはおもい留まった。

きのうの手紙は明日には着く。前以て云っておかないとおまえは衝撃をうけるだろう。

電話して予告したところで、手紙が着くまでもっと辛いだろう。

おれはどうすればいい。

今までは、一緒に居るときはおまえが教えてくれた。

そういう場合でも、こうしろととかああしろとか云わなかった。

おれが決断できる言葉をくれた。

おまえと最後まで生きていたい。

おまえの最後は俺が見取りたい。


 昼飯で2合飲んだ。

この2ヶ月、安酒で悩みをごまかしている。

              21年7月26日