土佐のくじら(幸福うさぎ丸)です。
国防の基本は、戦わずして勝つことです。
そしてその方法論は、敵国よりも高い防衛力を持つことです。
そのためには、相手の長所を無力化し、自国の短所も無力化することです。
私は平和主義者ですから、決戦や玉砕や、他国への屈服は大嫌いです。
最近は保守への機運も高まり、戦前日本の美しさを紹介してくださるブログの記事も増えました。
しかし私は、少し残念に思うのです。
戦前日本を美しく思う心は尊いです。
戦前の日本が、高き志を持った、勇ましく美しい人々であったことを発見することは、
日本の誇りを取り戻すことであり、失われた歴史を知ることでもあります。
しかし残念ながら、それでは戦前日本が負けた反省にはならないのです。
つまりそれだけならば、また負けるということです。
自虐史観は最悪です。
戦前日本侵略国家説で、人が良く、理想主義的な日本人は萎縮し自信を失います。
しかしそれを払拭するために、戦前日本を美化するだけでは、日本を守ることにはなりません。
また負けるだけだからです。
なぜ日本は負けたのですか?
本当にその原因にまで、到達していますか?
その原因を、
「ABCD包囲網など、当時のアメリカを中心とした、白人至上主義的侵略の罠にはまったからだ。」として、
では、その罠にはまらないようにするには、どうすれば良かったのですか?
そこまでたどり着かなければ、バリバリの侵略国家である、現中華人民共和国が仕掛けてくる罠など、見破ることなどできませんよ。
私は今、志を同じくする保守派の方々の心情を、悪くする言葉を発しているかも知れません。
しかし私は言います。
私は、日本を愛しているからです。
私の見立てでは、日本が世界の幸福に責任を持とうとする国家に成長しない限り、
日本は中国から侵略の危機にさらされ続けるでしょう。
それは、歴史には法則があるからです。
日本が内向きになり、精神的に鎖国している時には、世界は侵略国家が成長しているのです。
平安時代に遣唐使を廃止したときには、元(モンゴル)が興隆しました。
日本が戦国時代を続けているときに、ヨーロッパの大航海時代、すなわち植民地時代は始まりました。
江戸時代に、再び日本が鎖国している間に、世界は白人の植民地で塗りつぶされました。
そして戦後日本は、一国平和主義という精神的鎖国状態にあるのです。
それが、中華人民共和国という、筋金入りの侵略国家を育ててしまったのです。
現中国の最大の弱点は、信頼がないことです。
はっきり申し上げます。
中国は日本化し、信頼の大国と変貌しない限り、中国に未来はありません。
しかし一方の日本は、一国平和主義を捨て、世界の幸福に責任を持とうとする国家に成長しない限りは、
筋金入りの侵略国家である中国の、野蛮な勢いを止められず、飲み込まれてしまうでしょう。
日本はさらに国際化し、日本的価値観を世界に普及し、定着させる努力をすることで、
世界から争いそのものをなくせる国であることを、日本国民はもう知らなければならないのです。
日本が世界から目をそむけたら、弱肉強食の価値観で、世界は覆い尽くされるのです。
これが、世界の中の日本の歴史です。
歴史は繰り返します。
日本は自虐史観を捨てるだけでなく、戦前日本の凛々しさに酔うことなく、きちんと歴史を見つめることです。
そして、国防に関しての長所と短所を体系化した形で、国民レベルで認識するべきです。
でなければ歴史というものは、いつまでもいつまでも繰り返されることを、私は警告いたします。