『ソードコアは二機のユグドラシルシステムによって構築される出力をより絞った状態のことだ』
「絞った?」
その彼の言葉に私は首をかしげた。だっていままで一つだったものが2つになったんだよ? それってつまりは倍である。二倍だ。私は勝手にツインドライヴでブイブイいわせるぞ! とか勝手に思ってた訳けだけど……なんか今の「彼」の説明的になんか想像してたのと逆じゃね? と思った。だって出力を絞るっていってる。2つになるのに絞る? なんで? だ。
『ああ、そもそもがユグドラシルシステムには十分な出力がある。君は君の機体に不満あるのかな?』
「それは……ないですけど」
確かに不満はない。これまででこれ以上の出力があれば……なんて思ったことないしね。いや、空獣との戦闘のときは思ったかも? でもあれはまだまだ初期だったし、全く通用しなかったから、それ以前の問題だった気もする。そういう考える次元になかったというか?
今、もう一度対峙したらあの時よりもきっともっと色々なものがみえてくるだろう。でも……
(あんなのとは二度と会いたくないけど……)
それが本心だ。でもそうはいかないという予感は有る。だってG-01のこの性能……このスペック。そしてユグドラシルシステムのこと……はっきり言ってこの性能はただ世界を回るだけなら不要というか? 余剰といっていい性能がある。戦闘系のアップグレードの道もやたらおおい。
どんどんとG-01を強化していけといわんばかり……けどこれまでの世界では世界の中ではそうそうG-01に匹敵する敵……なんてのはいないのだ。ならばこの性能は何のためにあるのか。
つまりはG-01は対空獣用決戦兵器なのではないか? ってね。だからこそ過剰な性能をしてる。ユグドラシルシステムだってとてもやばい代物なのはわかるからね。その技術は今までの世界と隔絶してるもん。
『今の君のGはきっと対応できてないだろう。ソードコアは飛躍的に出力を高めることも、2つのユグドラシルシステムにより様々な事ができるだろう。だが2つのコアが安定して動作するには厳しい環境が必要だ。
安定……とはそれだけ大変なんだ。そしてその安定を崩すのは簡単だ。わかるか?』
「なんとなく?」
彼はとても真剣な顔をしてる。どうやら下手にソードコアとなったG-01を運用するのはまだその時期じゃない……ということだろうか?
『今はまだ安定を維持することに心血を注ぐべきだ。そしてわずかずつ出力を上げて行くようにしていくべきだろう』「
「そういうものなんですね」
『まあこの場所もろとも崩壊したいのなら、止めはしないさ』
なんかサラッと怖いことを冗談めかして行ってくる彼。私は首をブンブンと横に振ってそんなことはしないと告げる。2つのユグドラシルシステムなんて最強じゃん! とか思ってたけど……あれ? これって爆弾かかえちゃった?
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