UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 354P

2024-01-03 23:40:42 | 日記
 自由自在に飛べるようになった野々野足軽は風の子について進んでいく。今までは飛んでる――といってもノロノロと横移動をしてる……みたいだった。けどそれが今や違う。
 風の子がどれだけスピードを上げても、ついていく事ができる。変な軌道をとっても大丈夫に野々野足軽はなってた。絶対に無駄な軌道だし結局は同じ方向に進んでる。
 だからそれに付き合う必要なんてないだろう。でも風の子は楽しそうだ。飛ぶのが心底楽しい……という感じ。それは野々野足軽にだってわかる。
 だってそれは今の野々野足軽も一緒だからだ。ようやく自由自在に飛ぶことが出来るようになった。なら無駄だけど飛びたい……飛び回りたいと思うのは普通だろう。だからわざわざ挑戦するような風の子の軌道に野々野足軽はついていく。
 そしてそんな野々野足軽に一緒について言ってるのが、小さな小石たちだ。確かに理屈と言うか、仕組みというか、そういうのは野々野足軽は理解した。常に自分で生み出した風を補充していけば、自由自在に空を飛ぶことが出来る――そういうことだ。けどだ風を生み出すってのが、何もないところでは感覚的には難しいのだ。野々野足軽的には。だからこその小石。これがあると、ここで風を作り出せば良い……という起点になる。それに小石は耐えられなくなると、勝手に砕けてくれる。それは良い目安になった。まあもちろん、そこそこ小石にはばらつきがあるし、小石と言っても、その材質には実は色々とあったりはする。
 
 だから同じだけ風を受け止められてるのか? といえばそうじゃない。でもそこらへんは野々野足軽にとっては誤差のようなものだった。重要なのは小石を使うと風を生み出しやすい。その起点にし易いという点だ。
 だから今は常に野々野足軽は小石を複数個周囲に浮かせてる。それが砕けると、その小石の溜まってた風を掴んで都度補給してると言うわけだ。
 
 一手間加わって面倒ではある。でも今は――今はこうやってしか自由自在に飛ぶことはできない野々野足軽だ。それで今は満足してる。なにせ今までは難しかった事が出来るようになったんだ。
 
「これが本当に飛ぶってことか!」
 
 その実感を野々野足軽は感じてる。それに……だ。風を自分で生み出せるようになった効果は他にもある。まずは新たな力を感じ取れる様に野々野足軽はなってる。風により近い力とでもいうのか……そんなのだ。風の流れが視覚的に野々野足軽には見える。それに色々な声が聞こえる。
 
 なにせ風とは大気である。大気は常に振動にさらされてて、そして振動とは音である。別に今までも『力』を使って遠くの声を聞くってことはできてた。
 でもそれがより少量の力で、そして鮮明に出来るようになった……といっていい。さらに言えば、風を使って行う攻撃……かまいたちとかそれこそ竜巻を生み出す……なんてことも出来る様になったかもしれない。
 今はできないがこれからが楽しみだ……と思う野々野足軽。そんなことを思いながら空の散歩を楽しんでると、どうやら目的地についたらしい。
 
『ここだよ!』
 
 そんなことをいう風の子。けどそこに何かがあるわけじゃない。ま普通に見えるものではないんだろう。でも、今の野々野足軽なら見ることも感じることもできる。
 そうなんかおかしい。
 
「風が、どこか別の所に流れてる?」
 
 風は大気として世界を循環してるはずである。。けど……その場所には何も無いはずなのに、風がなんか吸い込まれてるようにみえた。まるで見えない穴が世界に空いてる……そんな感じだ。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 993

2024-01-03 23:31:39 | 日記
 眼の前で燃え盛る女。最初は小さな火がその背中に点ったように見えた。けど次の瞬間……それこそまばたきをした時間くらいだろうか? 次に見たときには女の身体は炎に包まれてた。まさに俺のときと同じだ。
 飛んでたから飛んでくると思わされた。いや、俺は一回食らってるの。なのに……その時まで全く気づかなかったなんて……俺は馬鹿か!!
 
「うおおおおおおおよくも!!」
 
 俺は仇を打つためにも更に前に進む。わずかに薄くなった炎の玉。そこに身体を滑り込ませて前に進んでそしてもちろんだが、覚悟だってしてる。もしも火が着く覚悟。その時は一気に服を脱ぐ。観察してて気づいたが、やっぱりだけど炎は身体に直接じゃなく、まずは服についてるってわかった。 
 だから火がついた瞬間に脱げばなんとか……なんとかなるかもしれない。それよりも先にこの剣を届ける。なにせ教会のやつは一人を倒したことで油断してる筈。
 
「愚かな」
 
 そんな声が聞こえたきがした。そしてこっちに手を向ける。その手にはこれまでの火の玉なんかじゃない火が踊ってる。その瞬間
 
(あっ死ぬ)
 
 ――と俺は思った。確実に向こうの方が早いとわかったんだ。確かに未熟な俺だが、それでもどっちが速く届くか? くらいはわかる。確実におれよりも向こうの魔法の方がはやい。でもだからってすでに剣を振ったモーションをしてる俺にはこの行動をキャンセルするのは難しい。
 
(一矢報いるなら、死んでも振り抜くしか――ない!!)
 
 もう死ぬのならいっそ……と普通は思うかも知れない。でも俺はそれでも……
 
(やっぱり死にたくねえ!! 誰か助け――)
 
 そんな思いが拭えなかった。女がやられた時に逃げていれば……いや、背中を向けた瞬間にしんでただろう。一緒だ。どうしたらいい? もうどうしようもなくなって怖くなる……覚悟も決められないのが、俺という人間なんだろう。一度は決めても、死がそこに見えたら、怖気づいてしまう。
 
 でも次の瞬間、教会の奴が向けてた腕がズレて落ちた。
 
「んが!? なに……なぜっ!? 貴様――」
 
 そうしてそのまま、教会の刺客は顔が半分に分かれて死んだ。もちろんそれをやったのは俺じゃない。炎に焼かれたはずの女だった。