UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 366P

2024-01-21 17:15:40 | 日記
「いっ!? つっ……」
 
 野々野足軽は頭を抑える。そして自身の力を確かめた。なにせ今、この痛みは力を使おうとしたらでた。つまりは何か力に関連した痛みかもしれない。
 だから力を体内だけで色々と弄ってみて確かめてる。
 
「なんか鈍い?」
 
 そんな感じがした。もしかしたら誤差なのかもしれない。けど、そう感じた。なにか力落ちてる……というよりも、精度が下がってるというか……これはある意味で始めての感覚かもしれないと野々野足軽は思う。
 確かに毎日限界まで力を使うことを心がけてる野々野足軽は似たような感じを経験してはいる。それはギリギリのギリギリ。その時になると、力を操るのが鈍る。それはきっと筋肉を酷使し続けて行くと、攣ったりするとおもうんだけど、その前兆として筋肉がプルプルして鈍くなるだろう。それと同じ感じだと野々野足軽は思ってる。
 まあだからって力が攣るとかないが……確実に精度は落ちる。それと似てはいる……と野々野足軽は思った。けどそれよりももっとこう……抵抗があるというか?
 
 
「けど、使えないわけじゃない」
 
 野々野足軽は気を取り直して再び手を突っ込んで、そして力を……力を……
 
「待てよ。既にこの穴の向こうには俺の力はあるはずだ。それなら……手を突っ込まなくても感じれるんでは?」
 
 ふと気づいた野々野足軽だ。とりあえずやってみようと試みることにした。実際何もない……とわかってても、手を突っ込んでその先がなくなってるのはなかなかに変な感じなのだ。なので力を間接的に操ろうとおもった。実際、それはよくやってることだ。いつだって力と直接的に繋がってるわけじゃない。なにせ大切な人たち……それこそ平賀式部とかのところには常に力を常駐させてるし、監視が必要な奴らのところだってそうだ。
 
 いつだって見てるわけじゃないが、いつでも把握できるようにはしてる。そして必要な時にその常駐してる力と繋がって見たり聞いたりできるのだ。
 なら既に穴の向こうには野々野足軽の力があるのだから出来るはずだ。ただ……問題だと思ったのは、空間の違い。その隔たりがどんなものなのか……ということだろう。もしかしたら空間が隔たったら力を感じることは出来ないかもしれない……というのがあった。なにせ……だ。この穴は力を全く通さないからだ。
 もしかしたら野々野足軽は力を切り離してる……と思ってるかもしれないが、ごく微弱な力で実は繋がってる状態だった……とかなら穴の向こうの力を感じるなんて出来ないかもしれないからだ。
 実際無意識下でやってることってのは人にはある。けど、今回はどうやら大丈夫だったみたいだ。確かに最初は分かりづらかった。けど、もっと集中をすれば穴の向こうの力を感じ取る事ができた。まあその集中をするって事をやるたびに頭は痛くなるんだけど……でも頑張って手を突っ込まずに野々野足軽は再び存在を向こう側へとよこすことが出来た。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1005

2024-01-21 17:10:38 | 日記
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 
 俺は走った。蟻型の砂獣を足蹴にして一気に距離を詰める。けど――
 
「ぐふっ!?」
 
 ――横からのタックル。それによって、頭が揺れる。そして更にあふれる様にいる砂獣にぶつかった。砂ならまだこの衝撃を逃がすことができたかもしれない。けど砂獣は硬かった。身体からバキバキとしてはいけない音が聞こえる。
 
 そんな中、彼女を突き刺した角を持つ砂獣が身体をふるって、角から彼女を振り落とした。まるで糸が切れた振り子の様に彼女の脚はフラフラと踊り……そして角から時は成れて空中に放り出される。
 
 下にはそんな彼女を狙うかのように更に別の砂獣がいた。両腕を鎌のようにした砂獣だ。細い体躯だが、三角形みたいな顔が上をみてる。彼女をねらってる。今の無防備な状態であんなのを喰らえば……きっと見るも無惨な姿になるだろう。既に遅いのかもしれないが……それでも!
 
 俺はぶつかった蟻型の砂獣に剣を突き立てて身体を起き上がらせる。その時、この戦場で戦ってる他の奴らが、後方から一斉に蟻達をおしもどしてくれる。それをありがたく思いながら、俺は彼女を狙ってる砂獣に向かう。
 
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおお! ――あっ!?」
 
 俺はまっすぐにむかった。それはきっと一刻でも……一秒でも早く彼女のそばに行きたかったからだ。けどそんな俺はきっと良い獲物だったのだろう。
 それでも反応してた剣でガードしてたつもりだった。剣で弾いて、それから奴の身体を伝って比較的細い首を切って彼女の元へ……そんな狙いがあった。けど……それは絵空事だった。そんな計画を強くなった砂獣はただその力で蹂躙する。
 
 鮮血が舞う。誰のだ? ――とおもった。けどすぐに理解する。俺の身体から力が抜けていくのがわかる。そう、俺がやられたんだ。あまりにも尖すぎて痛みさえもなかった。俺の目には落ちていく彼女が映る。
 その手が伸びてるのに気づく。それがこっちに向いてれば、少しは満足できたのだろうか? けど違う。彼女の手は空の方に向いてた。
 その先には彼女の憧れる存在……勇者がいる。
 
(ああ、やっぱり……)
 
 俺はそう思うしかできなかった。けどきっと笑えてたと思う。だって俺たちはそんな関係じゃない。そして彼女の思いだって俺はわかってた。
 だから……これはわかってたことだ。彼女が最後に思い浮かべるのが誰か……それは絶対に俺じゃないって。