UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 363P

2024-01-16 21:39:51 | 日記
「くっ!?」
 
 思わず俺は頭を抑えた。頭に直接届くから、あまりにも強烈な声……というか思考? なのかこれを浴びたら、頭が叩かれるように痛むのだ。そしてこれには防御手段はない。
 最初からそれを想定して防護幕でも張っておいて、一定以上の音……というか思考を減衰するとか? そんな仕組み作っておいた方が良いかもしれないと野々野足軽は考える。
 そもそもがこれをやってるのは普段はアースと自分自身しかないから、必要性を感じてなかった野々野足軽だ。けどなにが起きるのかわかんないと今回のことでわかった。そこそこ力も使いこなしてきて、世界にはもしかしたら自分以外には『力』を持ってるものはいないのかもしれない――とか思い始めてたけど、人類では同じ様な存在はいなくても、それ以外の存在……つまりは『悪魔』もそうだし、今回でてきた『風の子』だってそうだ。それに最初に水に意思を宿す……なんてこともできた。
 この世界には確実によくわからない存在。それこそ人間に存在を感知されてない存在はいる。ならば、それらの為に対策してるのは無駄にならない。ならやってもいいと野々野足軽は思える。
 
 なにせいくら野々野足軽が力を高めたとしても、弱点は存在してる。肉体がある限り、その弱点はこの肉体ということになるだろう。なにせ……だ。肉体が損傷すれば死ぬのだ。当たり前だけど。
 そして肉体でどこが一番の弱点かというと、それはやっぱり『脳』と『心臓』だろう。けどこの攻撃……というか意思をぶつけるなんてのは脳にしか効果はない。なにせ心臓にはそれを受け取るための機能はないからだ。
 
「とりあえずノイズキャンセル的な感じで……」
 
 最近のノイズキャンセルは優秀だ。それは確か同じ位相の音をぶつけることで音を相殺するとかいう考えだったはず。けどそれは音だから……波だから出来ることだ。
 じゃあ思考には何をぶつけたらいいのか?
 
(同じ思考? いやノイズキャンセルは逆位相をぶつけてるんだから……思考なら逆の思考をぶつける……とかか?)
 
 逆の思考というと、今のような「きゃあああ!」という叫びならどんなのだろうか? と野々野足軽は考えた。
 
「よっしゃああああ!!」
 
 ――だろうか? だって悲鳴は悲しみや驚きである。恐怖でもある。だから喜びというか、勢いというか……そんな感情を表す「よっしゃああああ」かな? と野々野足軽は考えた。けど……だ。けど……
 
「いや、音に比べてだいぶ複雑だなこれ」
 
 音は位相という一つの指針があった。だから逆位相をぶつけるなんて事が出来るんだろう。でも感情は? 感情は確かに大まかには喜怒哀楽に分かれるかもしれない。けどそれだけじゃない。完全にどれかに分かれるようなものでもない。
 
 つまりは完全な逆――というのは存在しない。そうなるとどうするか……
 
「多重に脳を保護するフィルターでも張っておくとか? それかこっちの感度を下げたり?」
 
 そんな案を野々野足軽は考える。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1002

2024-01-16 21:32:45 | 日記
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 
 剣の力とシンクロしていく感覚。剣にやどってた力が、それを握ってる肉体……つまりは手からなじんでいくような感覚があった。戦場は地獄絵図だ。なんでこんな所に……と今更思ってももう遅い。なにせ今回ここに来たのは自分の意思だ。俺はなんとか生き残った。勇者に助けられた俺たちは勝手に教会の奴らを狩ってたのとか、俺自身の罪とか、そんなのを咎められる――と思った。
 けど勇者はそんなことはしなかった。そんな事を追求するほどに勇者はどうやら暇ではなかったらしい。じゃあなんであの場所に? ってことになるが、俺が知ることはなかった。けど最後に俺はそこそこ根性を見せれたみたいだ。それによって、女の好感度もちょっとは上がった。なのでそれからはそこそこいい雰囲気で他の入り込んでる教会の間者を見つけては始末……ではなく、その様子を観察してた。
 そもそもが戦うことは女は想定しなかったからだ。それからは女と共に過ごして、今日に至る。はっきり言って許されるてかどうか? なんてのはわかってない。だけど、この戦いの前に言われた。
 
「今から始まる戦いは私達の未来がかかってる。いや、私達だけじゃない。全ての人たちの未来だ。けど、お前はもう軍属じゃない。何もしなくても誰も責めはしないさ」
「えっとそれって……どういう? いや、戦っても良いのか?」
「そこは心配するな」
 
 ――とか言われて、結局俺は一緒に戦うことを選んだ。どうやら何らかの力で俺の罪は許されてたらしい。なぜに逃げなかったのか……それは自分でもよくわかんない。この頃には女とも……いや彼女ともそこそこの仲だったからかもしれない。けど恋人とかそんなんじゃない。
 ただの同居人……いや、彼女にとっては厄介な――とかがつく感じの同居人だっただろう。そして俺だって……別にそんな事を臨んだわけもなかったし……別にこれは彼女が勇者に首ったけ……だったからってわけじゃない。断じてない。そもそも俺はこんな男勝りな女よりももっと女らしいエロい女の方が好きなんだ。
 けど俺は思ってた。こいつに認められたい。そして前よりも良好になった関係。それに案外、一緒の生活は心地よかった。きっと俺は守りたかったんだと思う。この生活を……たとえ、その心が俺の方にないとしても、ただ何の気兼ねもなく付き合える関係。
 そんな異性は初めてだったから。このままだと、この世界は砂に満たされて消える。教会を潰すことでそれがどうにかなるのか? はよくわかんない。この世界はそもそもが時限式のそんな短命な世界だと……ずっと言われてた。
 
 俺たちにはただそれを延命することしか出来ない。そんな世界に絶望だってしてた。戦うことに意味なんてない……どうせ全てはなくなるのだから。砂の下に埋まる運命なのだから……と。
 
 けど今ならわかる。戦うことを選ぶ人たちの気持ち。大切な人がここにいるから剣をとる。理由なんて……それだけでよかったんだ。