UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 367P

2024-01-22 18:26:47 | 日記
『どこいったの? 幻聴だった? でも……そんな……私……』
 
 再び穴の向こうの風の少女のところに来てみれば、なんか風の少女が負のオーラを出し始めてることに野々野足軽は気付く。さっきまではそんな事はなかった。確かに悲しんでたけど、けどそれでもそれだけ……と言えたと思う。まあ周囲は攻撃してたけど。
 でも今はそうじゃない。もっとなんか悪くなってる。てかさっきまではまだ綺麗だった。いや、風の少女はきっと真剣に困ってたと思うし悲しんでたと思う。けど、彼女が放つ力によって崩れてる空間はある意味できれいだなって思える光景だった。
 だってこの暗い空間に彼女の鎌鼬の様な風で刻まれると、その刻まれた部分が崩壊して色がついてた。暗い空間に灯る向こう側の光ともいえるそれ。それをきれいだと思うのは仕方ないと思う。
 だって普通の場所ではきっと見られない光景だ。いや、もしかしたら野々野足軽なら出来るかもしれない。けど空間を傷つけるって意図的にやるにはなかなかに怖いものがある――と野々野足軽は思ってた。
 なにせどんな影響が起こるかわかんないからだ。ちっさな穴なら大丈夫かもしれない。けどもしも野々野足軽の開けた穴がいっきに広がったりしたらどうなるんだろうか? その空間にいろんな物が入ってそれこそ空気……それだけじゃなく、その影響下にある土地とかすべてが吸い込まれたら? そんなブラックホール的にならない……とも限らない。だから下手に実験も出来ないだろう。
 でもここならそもそもが空間が違うんだからいくら傷つけても良い……とはならないかもだけど、自分がやってるわけじゃないし――と野々野足軽は思ってた。
 だからただ堪能する……ということができてた。けどそんな悠長なことを言ってる場合じゃない。
 
(俺が現れたことできっと彼女には希望が見えたはず。けどすぐに消えたから、その希望が絶望とかに変わった?)
 
 野々野足軽はそんな分析をしてみた。きっと希望を見た分、絶望が半端なかったんだろう。そのせいで、彼女の心……があるのかはわかんないが、それは限界を迎えてしまった。
 そのせいで、力から負のエネルギーが溢れ出てる。
 
『なんで……どうして……私が……私だけが……こんな……』
「まて! ほら、俺はここにいるから! 助けに来たんだ!! 今度こそちゃんと助ける!」
 
 そう野々野足軽は声をかける。声というか、思考をぶつけるようにする。普通ならその加減がとてもむずかしいことだ。下手に人間に思考をぶつける……なんてしたら下手したら脳を破壊することになる。そうでなくても思考をただぶつけるだけでも人は昏倒したりする。
 だから気を使う必要があることなんだけど……今はかなりの強さで野々野足軽は思考を黒く染まっていってる風の少女にぶつけた。なぜなら気づいてほしかったからだ。
 
 絶望から救い出すために、希望が来たんだと……そうつたえたかった。そのためにも少々荒っぽくてもしょうがないと思った。なにせ風の少女は暴走してる。それを抑えるためにも、一回止まってもらった方がいい。けど……
 
『ああ、また私をあざ笑うのね……』
 
 風の少女はその不安定な力の集まりを固定させていく。さっきまでは揺らめく一つの集団というか、そんなのだったわけだけど、今は暗く大きな力に固まっていってる。それはまるで絶望が姿を表そうとしてる……そんな感じに野々野足軽は感じてた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1006

2024-01-22 18:19:19 | 日記
 意識が下っていく。結局俺は……何も守れな……
 
(なんだ?)
 
 何か温かい感じがする。そして体の奥……芯の所から湧いてくる……これは力? 活力……とでも言えばいいのか? そんなのを感じる。俺は確かに斬られた。あの鎌を2つ持つ砂獣に。それこそ真っ二つ……くらいに。なんとか身体がくっついてたけど、肩口から脇腹くらいまではパカッとなってた。
 なのに……いつの間にか俺はいきてる。それに……血も止まってる。それに気づいた俺は、斬られた剣を掴んでた。
 
「大切なのは、力を感じることなんだろ」
 
 これは壊れてしまってるかもしれない。けど、残ってる力をまだ感じる事ができる。俺は走った。もう一度。けど実際倒れてた時間があるせいで間に合いそうもない。上に登ってる暇なんてない。なら狙うは脚? いや、奴の下半身? と言っていいのかわかんないが、奴の腹……尻尾? その部分がなんか膨らんでて、この剣を差したらさぞかし勢いよく爆発しそうだとおもった。俺はジャンプした。そして折れた剣の切っ先を向けて、その砂獣の膨らんでる下腹部に飛び込んだ。
 
 ここで普通なら刺さるかどうか気にするところだろう。けど俺にはそんな考えはなかった。なにせ『刺す!!』という気持ちしかなかったからだ。何が何でも刺す。俺のすべての力を剣に込めてでも刺す!! その思い。
 
「んがああああああああああああああああ!!」
 
 切っ先が皮膚というか、肌に止められてる。下から行ってるから、甲殻の硬い部分……というわけじゃない。けどそれでも、防ぐか! でも俺は諦めない。下腹部にとりついて、何度も何度も打ち付ける。そんな俺がうざかったのか、身体をフリフリとしだす砂獣。そしてその御蔭で、俺にちょっとでも気を持っていかれたせいで、彼女は自然落下して砂に落ちた。その後に追撃されたらお終いだが……そんな事はさせない!
 
 剣の刀身を握る俺の手から鮮血が飛ぶ。でもそれがなんだ! 絶対に俺はこれを刺す!! そしてついに、皮膚を超えて剣が差し込まれた。けどそれでもまだ浅い。
 
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 
 俺は刺さってる剣に向かって頭を振り下ろす。額を使って剣を押し込んだ。するとその剣が入った所から亀裂が入っていき、その砂獣をの下腹部が盛大に爆発して臓物を撒き散らす。
 
 けど倒した。俺はフラフラとなりながら、砂に落ちてる彼女の元へと歩く。