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ある日、超能力が目覚めた件 423P

2024-04-09 22:42:07 | 日記
『緊急事態です! 緊急事態です!』
『俺様僕様閻魔様あああああ!! やばいやばい!!』
 
 天使っ子と悪魔っ子、二人から急にそんな連絡が野々野足軽に届いた。桶狭間忠国と悪魔の戦いから、それなりに時間も経ってて、既に夜に入りそうな……そんな時間帯だ。野々野足軽は桶狭間忠国もそして朝倉先輩の無事も確認して、桶狭間忠国があの後仲間たちを集めて一斉捜索しそうなのを押しとどめてようやく一息つこうとしてたところだった。
 
 二人の言葉が頭に届いたから、とりあえずベッドで天井を見ながら二人に答える。
 
『とりあえず悪魔っ子のそれはなんだよ?』
 
 どこでそんな変な言葉を覚えたんだ? そんな意味不明な言葉を言う余裕があるのなら、どうにでもなるんじゃないか? と野々野足軽は思ってる。けど次の一言でそんな事を言ってる場合ではなくなった。
 
『兄ちゃんが死んだ!!』
『お前に兄はいない』
 
 野々野足軽はすぐさまそう返した。すると今度は天使っ子からこういわれた。
 
『違います! 仮面のお兄さんです! その人が悪魔の人の尻尾で……』
 
 そこまで言われて野々野足軽はすぐに視界を仮面の男のアパートへと飛ばした。そして見たその光景……それは信じられないものだった。
 
「なんで……」」
 
 そんな風につぶやくことしかできない。だって上から見てる状態の野々野足軽には部屋の様子がよくわかる。部屋には五人の人がいる。女が四人で男が一人。けど動いてる人は一人もいない。いや震えてる奴ならいる。悪魔だ。彼女はなんか野々野足軽が見た時よりもばっちりと決まってる。髪とかメイクとか……けどそれよりも……その白い体についた血が目立つ。彼女はほぼ裸だ。実際かなりスタイルがいいから、パンツ以外を脱いでるそんな女性の裸なんてみたら野々野足軽はぞれこそ狼狽してしまうだろう。普通なら。
 けど今は野々野足軽という男子高校生でさえ、そこに意識が向かない。それだけのショッキングな光景があるからだ。いや、実際様々な治療の際になかなかに凄惨な光景……というのも……あったかな? 事故の直後とかはあった。あとは難病の患者の治療……それらは直接的に野々野足軽は関わってないが、草陰草案を通してそれらはちゃんと見てた。
 だからそれなりに耐性はあると思ってたわけだ。でも……こんな……まさに今殺しました――と言う風な光景は始めてだった。大体の人がこの場所では裸で、悪魔以外の女性はどこかをうつろな目で見てる感じで、この光景に反応さえしない。けど……
 
「あっ……あああ……なんで……わたっ……私が……いや、いやあああああああああああああああああああああああああ!!」
 
 いきなりだった。その光景を作ったであろう張本人。その悪魔が……いや、あの反応は悪魔に宿られた女性なのかもしれない。このショッキングな光景をその目に映して、思わず沈んでた彼女自身が覚醒したのかもしれない。でもこの光景を彼女は受け止めることが出来ない。だからだろう一気に部屋の物が彼女を中心に吹き飛んだ。それは悪魔の力……それの暴走のようだった。


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