私も多少はアイさんから魔法の知識を授かりました。けど本当にこの短時間での間、その説明を聞いてるだけだった私。アイさんはとてもペチャクチャ――はなんだか言い方がわるいですね。
そう、ものすごい勢いでまるで口が回転してるんじゃないかと思うほどでした。でも当然、彼女と私の前提知識は全く違ってます。きっと私はアイさんが持ってる知識の一割もあれば良いほうでしょう。だからはっきり言って私には彼女の言葉ちんぷんかんぷんだった。
だから私自身はなにかした……ということはないです。でも考えてみたら私が教えてもらった魔法だって別に超常のなにか……が作ったわけじゃなく、教会が長年かけて作ったと、そういう風に聞いてました。
ならば改良だってできておかしくないです。それも私達の世界よりもずっと進んでるアイさんならなおさらでしょう。
「すごい……」
私はポツリとそんな風につぶやく。だって今私はいままでよりも多くの魔法を使った。けどその前……それこそ太くしたあの光線よりも疲労度が全く違います。あのときは実際もう倒れそうだったと言っていいです。
なんとか私は……いや私だけじゃなくきっとアイさんもそれらから勇者様もでしょうが、自身のエネルギーが切れたとしても、きっと緊急で補充するためのなにか……をもってるはずです。
私が身につけてるアクセサリーであるように、それぞれになにかあるでしょう。それがあるからこそ、私は倒れる事はありませんでした。けどあれで私自身の魔力はすっからかんになってました。
なので本当ならあそこでおしまいです。自然に魔力は回復しますけど……
(いえ、世界が変わりるとそれはないんでしたっけ)
たしかそんなことを言われたような。だからこそ、自身のエネルギーである魔力は元の世界にいたときよりも大事にしなさい――という注意事項がありました。魂から漏れ出るエネルギーで徐々には回復できるようですけど、それは元の世界での自然回復の十分の一くらいとかなんとかだったはず。
だから私はあの時、ピンチだった。追撃があったら危なかったし、自然回復……なんてのは望めなかった。それから私はアクセサリーで回復して、実際回復した今は、元よりも調子がいいくらいです。
それに一度私を全快にしたくらいではアクセサリーにあるエネルギーは尽きはしないみたいです。まだ何回か分はあります。実際こんな小さなアクセサリーに自身以上の力が宿ってる……というのはなかなかに不思議な感覚です。でも事実ですからね。
そして今、確信しました。
「すごいですアイさん! 沢山の魔法の使ったのに疲れ具合が全然違います!」
「かなり無駄が多かったから……それをちょっと直しただけよ」
そんな風に謙遜するアイさん。でも私にはどこをどうしたらこんなにも変わるのかわかりません。やっぱりアイさんもすごいです。
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