「ごめんね皆」
そういっておばあちゃんはサルたちをなでなでしてる。拘束は解いて、僕たちは森の開けた部分に集ってる。サルたちといってるが、その姿はサルなんか目じゃないくらいに凶悪だ。図体は成人男性よりも大きいしそのサイズはゴリラ……よりも大きいだろう。短い脚の倍はあろうかというたくましい腕。その握力はでかい木の幹だってその握力で握り潰すことができる。
つまりはそれは人間さえも握ってさえしまえばその握力だけで骨を砕き、内臓をぐっちゃぐちゃにできる……ということだ。
それに皴が刻まれた凶悪な顔……おばあちゃんのおかげで足軽にも既に敵意を向けてはない。けど警戒はしてるっぽい。でも敵意を向けてこなくなったといっても、あれをペット……そこらの犬や猫と同じように接せられるかと言ったら足軽は「無理だろ」――と思ってる。
だってそれだけ凶悪な顔してるだもん。おばあちゃんは足軽が作り出した白い布にその身を包んでる。とても艶めかしい年代になってしまったおばあちゃん。
実際、足軽はおばあちゃんは昔はとても美人だったんだろうな……と思ってたが、それはどうやら間違いではなかったみたいだ。知性と上品さを感じるような……そんな美人なお姉さんという感じに今のおばあちゃんなってた。
(こうやって見ると……おばあちゃんってどこか良いところのお嬢さんぽいな。なんで田舎の……こんなおじいちゃんの家の嫁に来たんだ?)
そんな疑問が足軽には上がってきた。だって本当に違和感がすごいんだ。本当に良家の子女って感じだ。もしかしたらこの田舎の地主の家の人なのかも?
でもそんなのは聞いたことなかったと足軽は思い返す。それに田舎にこうやって帰省するときは勿論だけど、他の親せきとかも来たりする。父方の実家だから、それはやっぱりおじいちゃんの家系の関係者の方が多くなるが、もしも二人の地元が一緒なら、おばあちゃん方の親せきだって集まったりするだろう。
でもそんなことは足軽には記憶はなかった。きっとおばあちゃんの地元は違うんだろう。そうなると……ね。一体おじいちゃんはどこでこんな良家の女性を捕まえて来たのか……
(おじいちゃんも昔はプレイボーイだったのかな?)
今や野生児みたいな生態をしてるが……まあ今はおじいちゃんのことはいいだろう。とりあえずこのサルとおばあちゃんの関係性が重要だと足軽は考える。
「おばあちゃん、そいつらは一体?」
「この子たちはね……私の罪なのよ」
なんかそんな事をおばあちゃん言い出した。なんか思ったよりも重そうだぞ……と足軽は思った。
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