UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十二話part2

2024-11-07 19:24:55 | 日記
「罪って一体……おばあちゃんが罪を犯すようには思えないけど……」
 
 おばあちゃんはとても理性的な人……というのを野々野足軽はわかってる。おじいちゃんは感情が先に来るような、そんな昔ながらの男って感じの人だけど、それと真逆なのがおばあちゃんだ。
 だからこそ、よく二人は一緒にいるな……と思ったりもする。流石におじいちゃんはおばあちゃんには手を出したりはしてないと思う。尻に敷かれてるが、それでもなかなかにおじいちゃんはカッとなるのが早い。
 もしも近所にいたら、雷親父とか言われる部類の爺さんだろうって足軽は思う。だからこそ、一回二回くらいは……ね。おばあちゃんに手をあげたりしててもおかしくは……とか思っちゃう。
 だからどっちかというと、おばあちゃんよりもおじいちゃんが罪を犯しそうというか? 
 
「ふふ、私だって普通の人間ですよ。いえ、もう普通ではないのかもしれないですね。こんな力に目覚めてしまったのですから」
 
 そういうおばあちゃんを見てると、なぜか胸が痛くなる足軽。だって足軽はこの力を超能力を後悔したことなんてないからだ。寧ろ感謝さえしてる。この力に目覚めて、日々は格段に楽しくなった。
 確かに今は大変なこともたくさんある。でも……決してこの力が目覚めなかったらよかった――とは一度たりとも思ったことはない。だからおばあちゃんがその力をちょっと後悔してるのは、足軽は自分の事のように辛く思う。だってこの力は素晴らしいと足軽はおもってるからだ。
 それに……だ。それにおばあちゃんの力は今の足軽ではどうやっても再現できない程の力だ。他の力……それこそ早く移動するとか、炎をだすとか水を出すとか、そういう雷を落とすなんてのは、今の足軽でも工夫すればできる。
 直接火を出せなくても、どうして火が起こるのとかその原理は科学で解明されてるわけである。水だってそうだ。早く走ることなんてのはそれこそ無理矢理できる。
 けど……若返るということは原理さえわからないから、いくら野々野足軽でもできない。それだけ特別なんだ。
 
「おばあちゃん……むっ」
「ぐるるるる」
「ぎゃぎゃぎゃ」
 
 足軽がちょっとおばあちゃんに近づこうとすればサルたちがうなってくる。勝てないとはわかってるだろう。けどどうやら彼らは勝てないとわかりつつ、それでも立ち向かう覚悟が在るほどにおばあちゃんの事をすいてるらしい。
 
「ダメよみんな。その子は私の孫なの。大切な家族」
 
 そういってくれるおばあちゃん。でも今度は足軽の方を観つつ、「けど」――とも言ってくる。
 
「けど……ね足軽。この子たちも家族なの」
「え? まさかそいつらって俺の従妹とか?」
 
 衝撃の事実。それが本当なら流石に遠慮したいと思った。だってサルだよ? おばあちゃんはまさかそんな特殊な性癖が?

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 106

2024-11-07 00:03:01 | 日記
「きっとどこかに目玉たちが送られてる場所があるはずよ」
「そこをみつけて、更に内部に行く……ということですか?」
 
 私のその質問にアイ様はコクリとうなづいた。確かにそれしかないでしょう。どうやらジイゼ様とは連絡が取れないようですしここで合流することができないのなら、どうにかして自分たちで内部に行くしかないです。
 そしてその可能性は皮肉なことにこの目玉しかない。だってこの道で出会うのは目玉たちだけ。他にはない。ならば手掛かりは目玉しかないのだ。
 
 なので私たちはうんざりしてた筈の目玉を求めて動き出した。これまでは受動的だったけど、これからは躍動的に目玉を狩る。でもそこで一つだけ私達は仕掛けを作る。
 奴らは三体で一つの部隊か、六体で二部隊が合体してるのか……そんな感じでいつも編成されてる。それはこれまでの戦闘でわかってたことです。だから一体を残してわざと逃がせば、勝手に自分たちが出て来たところに帰るんじゃないか? それか他にもいるのなら、そいつらに合流しようとするだろう――と考えた。
 
 そしてそれを繰り返していけば、最終的には目玉たちがたくさんいるであろう内部にいけるんじゃないのかな? という訳で、さっそく実行します。私たちにとっては多くても六体くらいの目玉はもう敵じゃないです。
 私が戦闘に馴れないときは色々とフォローをしてもらって大変でしたけど、今やそんなことも必要ありません。目玉程度なら、私もポニ子ちゃんアーマーさえあれば危なげなく処理できる。体の使い方もかなり様になってきたはずです。
 ポニ子ちゃんアーマーの特性もかなり上手く使えるようになってきました。なので私と勇者様であっという間に目玉たちを大半壊して、最後に残った目玉が逃げ出すように仕向けます。
 本当なら背を向けた瞬間にはアイ様によって撃ち抜かれる。けど今回はそんなことはしません。わざと離脱させて、私達はそのあとを距離を開けて追いかけます。緩やかなカーブですから、見えるか見えなくなるか……そんなギリギリの距離を開けてます。
 
 そんな事をやってると、どうやら逃げた目玉は別の部隊に合流したみたいです。するとその部隊に加わって再び私たちに立ち向かいます。まあ一回で彼らの起点に行ける……なんて思ってません。けどそれを後数回繰り返せばきっとたどり着けるはずです。
 だから……さっさと倒してあげましょう。