2024年 営業案内
ランチ 11:30~13:30 L.O 14:00 close
予約不可・グループ不可(乳幼児含め5名様まで)
ディナー 18:00~19:00 LO 20:00 close
ご予約優先・グループ不可(原則4名様まで。乳幼児含めて5名様までです。)
定休日 毎週 水・木 第三火曜日
通常営業期間 2024年4月20日~2024年11月中旬
馬場島は北アルプス北部の名峰、剱岳の登山口である。冬山シーズンになると豪雪の剱岳を目指して多くのアルピニストが訪れる。
夏はオートキャンパーでにぎわう馬場島も雪が舞い始めると途中、伊折から先で道は冬季通行止めとなる。剱岳を目指す登山者は重荷を背負って馬場島までの長い道路を延々と歩かなければならない。
馬場島の少し手前、ゾロメキ発電所の近くにトンネルがある。(正確にはスノーシェード)延々と歩いてきた登山者が風雪を避けて最後の一本をいれるのに最適の場所だ。
3月初旬のことである。
我々大学山岳部一行は早春の剱岳を目指していた。小雪こそ舞っているものの、早月川添いの林道は風もなく、我々は重荷に汗を流していた。
トンネルにつくと、リーダーのTさんの「一本いれようか」の一言で休憩となった。くだらないことをしゃべりながら、行動食のチョコレートを食べたり、たばこを吸ったりしていた。と、突然「ウォー」とも「おー」ともつかない、うなり声のようなものがトンネルの中に響いた。
「何でしょう」と不思議に思って誰にともなく聞くと
「動物かなんかの声だろ」と先輩。
あまりにもはっきりと聞こえるので恐怖を感じるほどではなかったのだ。
僕は休んでいる所と反対の出口まで音の源を探しに出かけたが、どこから聞こえてくるのか分からない。場所を移動してもいつも同じ大きさで声は響いていた。
「幽霊ですかね」
「こんな昼間に出るもんか」
しばらくして声が止むと、不思議な気分を抱えつつ、馬場島を目指して出発した。
馬場島の派出所には県警のK隊長がいて、我々を迎えてくれた。富山県警の山岳警備隊がちょうど春山訓練で入山しているとのことだった。
山に入ると結構な雪でラッセルも深く、その晩は早月尾根でテントを張り翌日になって早月小屋に入った。
テントに入り、ラジオを聞いていると「今日、剱岳の早月尾根で訓練中の・・・」とやりだした。どうも警備隊のKさんが獅子頭付近で雪崩に巻き込まれ、池の谷に落ちたらしい。山岳部の中にもKさんと顔見知りの先輩がおり、どうすれば良いか、と悩む。
結果的には当時の我々の実力では冬の剱で何もお手伝いすることは出来なかった。
Kさんの遺体は7月になって池の谷の中程で発見された。
あの日、我々がトンネルで聞いた声は何だったのだろう。その後土地の人に訊いても「そんな声の動物はいない」という。僕は山の神様が何か伝えたくて叫んでいたのではないか、と思う。
その後、早月小屋で「Kさんの落ちた日は結婚記念日、発見された日は誕生日だったんだ」と聞いた。何ともやりきれないことだった。
迫力のあるピッツァになりました!
ピザのボリュームは、直径何cmというふうに、大きさであらわすことがほとんどです。
でも、実は、食べ応えは、大きさよりも生地重量によるところが大きいのです。
10年前のオープン当初、ピッツァはクリスピータイプで、サイドメニューの位置付だったこともあって、一枚約90gでした。
さて今回、
200g/枚 になりました。
お値段そのままです。
コースの中でだと食べきれなくなるかな、と心配していましたが、
今のところ、皆さましっかりと召し上がって下さっています。
評判も上々です。
生地は増えましたが、やや軽めの焼き上がりになるよう調整しています。
地粉に配合していた、いつも使っている強力粉が、近々手に入らなくなるようです。
今度の粉は、ちょっとおとなしめの性格。仲間を増やしてあげて、焼く時間(いじめる時間?)
を短く。
なんとか見通しが立ちました。
そんなわけで、ピザ生地の重量が増えました。
変化はチャンスでもあるので、より、おいしい、を目指して今日も生地を捏ねています。
霧が峰の最高峰、車山から湧き出る穢れなき伏流水
「水がおいしいっ」お客様から良くいただく言葉です。
霧が峰の地は分水嶺です。
ここで蓄えられた雨水は北へ行き千曲川、信濃川となり日本海にそそぐ。
南へ行き諏訪湖、天竜川と流れ太平洋へとそそぐ。
高原に蓄えられた水が最初に伏流水となって出てくるのがこのあたり。
新田次郎の小説にも書かれた、天狗伝説のある車山の水は天狗水(てんごんすい)と呼ばれています。
おひやに口をつけられないお客様も結構おられます。飲物のオーダーをいただくのはとってもうれしいのですが、ぜひ、お水も飲んでみて欲しいと思います。
「水がおいしいっ」という言葉を聞くたびに、十年後、二十年後にこの地を訪れる人たちからも、また私達の子供からも同じ言葉が聞ける場所にしておきたいと思います。
かぶりつきたい「あの肉」
火傷に気をつけて、骨を持って「ガブリっ」とかぶりついて欲しいあの肉。
香ばしくパリッと焼いた皮をかみちぎるとジューシーな肉汁が
ジュワーっ。
イタリアンではないけれど、こういうメニューがあると、食卓がとても楽しくなります。
今年から、1本でもご注文いただけるようになりました。
清涼感のある辛口ピッツァ
ピッカンテは辛口。イタリアンでは、舌がピリピリするようなイメージです。
ゴルゴンゾーラ・ピカンテのチーズを召し上がったことのある方には想像がつきやすいと思います。唐辛子が入っているわけでもないのに、舌がピリピリするチーズです。
さて、オステリア白樺の辛口ピッツァ。ピッカンテとは言いますが、舌がピリピリするような激辛料理ではありません。
口に入れて「ん?辛くないぞ」と思うくらい。
のみこんだ後に、のどのあたりが、すっとするような清涼感。
そして、いつの間にか、体が熱くなってくる。
そんな、すっきりと清涼感のある辛口ピッツァです。
ピッカンテは普通のピッツァと見た目がまったく同じ。
忙しくなってくると、窯の中で回したり場所を移動しているうちに、
「あれ?どっちがピッカンテだっけ?」分からなくなることがよくありました。
ピッツァは味見ができないのがつらいところ。実は間違えてお出ししてしまったこともあります。すいません。
最近は、そういうとき、目印に唐辛子を一本のせて焼いてます。あくまで目印です。
ピッカンテと言えば思い出すことがあります。
イタリア人とのハーフの小さなお孫さんと、日本人のおばあちゃん。
男の子が辛いところにあたってしまったのか
「ぴっかんて、だよ~」と泣き出してしまいました。
「ほらほら、これはピッカンテじゃないよ」おばあちゃんが違うお料理を食べさせます。
「すっこでぃめっら、のむ~」
厨房まで聞こえてきた、分かりやすいイタリア語と、日本語が混ざった男の子とおばあちゃんの会話がなんともほんわかとかわいらしくて。
ある夏の最盛期、ふっと空白のような時間にあった、ほほえましい一こまです。
とろーり卵とチーズのフリッタータ
イタリアでオムレツと言えばフリッタータ。
日本ではフリッタータというより、「スペインオムレツ」といったほうが通りがよいかも。丸い卵焼きのことです。
卵とチーズが絡み合って、切って持ち上げると、とろーり、と伸びます。
幸せな気分になるお料理です。
うれしすぎて、持ち上げたなり、笑いだしたお子様も。
食通をうならせる料理、を作るのもいいですが、やっぱり私は、思わず笑顔が出てしまう、
そんな料理を作り続けたい、と思います。
オープン以来、メニューから外れたことのない、オステリア白樺の定番です。