いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

点景~上田三四二の世界~

2019-02-02 20:16:24 | 短歌


上田三四二は、
短歌だけでなく、
小説、エッセイ、歌論も
精力的に作り、書いた。

自らが死病(癌)に侵され、
命が短いと知るがゆえに、
創作へと向かわざるを得なかったのである。
それゆえ、
死との対話をつづけ、
すきとおった感性を、
作品の中に結晶させた。

………

をりをりに未来をなげきいふ妻はわれの日記を読みゐるらしき

マンボなどききゐる妻を憐れめどいくばくかわれの苛立つものを

いつまでも厨にうごく音のしてこのごろ妻の歌わずなりぬ

眠らぬ子を負ひてうたへる妻のこゑ闇こくなりし庭よりきこゆ

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