鳥居の両親は、彼女が2歳のときに離婚してしまう。
そして、小学校5年のとき、
精神を病んでいた母は、自死してしまう。
学校から帰った鳥居は、なすべくもなく、座り込んでしまう。
知らせを聞いて駆けつけた警官は、強い冷房をかける。
……
冷房をいちばん強くかけ母の死体はすでに死体へ移る
それは、母であっても母ではない死体である。
……
灰色の死体の母の枕にはまだ鮮やかな血の跡がある
首を切って、出血多量で死んだのだ。
あたりには、血がにじむ。
鮮やかな血。
……
透明なシートは母の顔覆い涙の粒をぼとぼと弾く
まだ11歳である。
病んでいた母とはいえ、たったひとりの頼りだった。
透明なシートをかけられた母の前で、
鳥居は泣く。
涙が頬をつたう……
自殺してはいけない。
あなたの周りにも、あなたを必要とする人がいる……
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