昔の事をふと思い出した
…
高校を卒業して東京の居酒屋さんで働き始めた頃
俺は一番の下っ端なので最初の頃は裏方仕事ばかりしていた
店がヒマな時間帯に裏で働いていると店内から
女性の歌声と
先輩達が冷やかすような笑い方をしているのが聞こえた
何だろうと思って店内を見ると
見知らぬ女性が確かに歌を歌っている
身振り手振りで歌っているように見えたが
手話をしながら歌っている事に気付いた
聞いたことがある曲だった
『岬めぐり』という
ちょっと物悲しい感じの曲である
笑顔で一生懸命に歌っているのに
先輩達は冷やかして笑ったりしている
裏に戻って一つ年上の青森出身の先輩に聞くと
知的障害のある人達を雇ってる会社があって
北海道の珍味を訪問しながら売っているのだという
『歌でも歌ったら買ってやる』と言うと
歌を歌うのだそうだ
…
先輩達は結局、珍味を買わずにゲラゲラ笑って女性を帰した
胸が痛かった
一番下っ端の俺が何を言えるでもなく
ただ、ヒドイなぁと思うしかなかった
このブログに書こうと思って
岬めぐりの曲を本当に久しぶりに聴いた
とてもステキな曲なのに
あの光景を思い出してしまって気持ちが沈むなぁ…
全然違う話も思いだした
常連のお客さんで
何の仕事をしているのか昼間から飲みに来る泥酔のジジイがいた
ウチの店に来る前にどこかで飲んで来るらしく
すでに、へべれけなのだ
青森出身の先輩の名前が『神(じん)』と言って
珍しい苗字だったのだけれど(書いて良かったのかな
その泥酔ジジイのお気に入りでいつも呼ばれては
焼き鳥を焼けとか、唐揚げを出せとか声をかけられるのだった
しかし酔っているのでキチンと呼べない
『じゅん!!おい!!じゅん!!』
『俺、じゅんじゃねぇよ~』
『ジョン!!』
『犬じゃねぇんだからよ~』
…
このやり取りが毎回
好きだったなぁ…あのコント(コントなのか
夕方から夜にかけて忙しくなるので
洗いもの専門で来るババアがいた
ハイライトを吸って、江戸っ子のようなパリッとした性格で
でも出身は岩手県だというババア
忙しくなると洗い物専門のババアだけれど
どうにか手伝ってもらわなくちゃいけない
『おばちゃん!親子丼!』
『しらないよ!アンタたちの仕事だろ!!』
これを上手に持ち上げて、手伝わせるのが俺は上手かった
『おばちゃん、お願い!』って、ほっぺにチュー
『何すんだこの子は~!!』って笑いながらご機嫌になって手伝ってくれる
何度、チューしたか
『チューしたってね、ダメなもんはダメだよ』
って時は、後ろから抱きしめてお願いしたり
『にゃびは、おばちゃんの扱いが上手い』と褒められたものだった
…
あの頃で70歳近かったから
もう死んだだろうな…(コラコラ
ちょっと変な先輩で飯塚さんと言うのがいた
もう30年近くも前の事だから実名で行く
…
一番下っ端の俺がいつも、まかない料理を作るのだけれど
『にゃびのまかない飽きた』と言って
時々作ってくれるのだけれど、何故かバナナの天ぷらなのだ
コレが勿論、大不評
『なんで飯塚さんに作らせるんだよバカ!バナナで飯、食えねぇだろが』
俺が怒られるのである
しかし、ご飯のおかずにはならないけれど
バナナの天ぷらって美味しいんだよね
飯塚さんがまかないを作るとみんなは納豆や卵かけごはんで済ませる
俺はおやつにバナナの天ぷらが食べられるから嬉しかった
トロッとして、甘くておいしい
懐かしい味である。
秋田県の湯沢駅の近くのお店で売ってるんだよね。
去年、買って食べたけれど美味しかった。
飯塚さんの味だった。
高校を卒業してすぐに上京
いっぱい新鮮な事があったのに
もう忘れている事だらけ
また何か思いだしたら書いていこう。
…
高校を卒業して東京の居酒屋さんで働き始めた頃
俺は一番の下っ端なので最初の頃は裏方仕事ばかりしていた
店がヒマな時間帯に裏で働いていると店内から
女性の歌声と
先輩達が冷やかすような笑い方をしているのが聞こえた
何だろうと思って店内を見ると
見知らぬ女性が確かに歌を歌っている
身振り手振りで歌っているように見えたが
手話をしながら歌っている事に気付いた
聞いたことがある曲だった
『岬めぐり』という
ちょっと物悲しい感じの曲である
笑顔で一生懸命に歌っているのに
先輩達は冷やかして笑ったりしている
裏に戻って一つ年上の青森出身の先輩に聞くと
知的障害のある人達を雇ってる会社があって
北海道の珍味を訪問しながら売っているのだという
『歌でも歌ったら買ってやる』と言うと
歌を歌うのだそうだ
…
先輩達は結局、珍味を買わずにゲラゲラ笑って女性を帰した
胸が痛かった
一番下っ端の俺が何を言えるでもなく
ただ、ヒドイなぁと思うしかなかった
このブログに書こうと思って
岬めぐりの曲を本当に久しぶりに聴いた
とてもステキな曲なのに
あの光景を思い出してしまって気持ちが沈むなぁ…
全然違う話も思いだした
常連のお客さんで
何の仕事をしているのか昼間から飲みに来る泥酔のジジイがいた
ウチの店に来る前にどこかで飲んで来るらしく
すでに、へべれけなのだ
青森出身の先輩の名前が『神(じん)』と言って
珍しい苗字だったのだけれど(書いて良かったのかな
その泥酔ジジイのお気に入りでいつも呼ばれては
焼き鳥を焼けとか、唐揚げを出せとか声をかけられるのだった
しかし酔っているのでキチンと呼べない
『じゅん!!おい!!じゅん!!』
『俺、じゅんじゃねぇよ~』
『ジョン!!』
『犬じゃねぇんだからよ~』
…
このやり取りが毎回
好きだったなぁ…あのコント(コントなのか
夕方から夜にかけて忙しくなるので
洗いもの専門で来るババアがいた
ハイライトを吸って、江戸っ子のようなパリッとした性格で
でも出身は岩手県だというババア
忙しくなると洗い物専門のババアだけれど
どうにか手伝ってもらわなくちゃいけない
『おばちゃん!親子丼!』
『しらないよ!アンタたちの仕事だろ!!』
これを上手に持ち上げて、手伝わせるのが俺は上手かった
『おばちゃん、お願い!』って、ほっぺにチュー
『何すんだこの子は~!!』って笑いながらご機嫌になって手伝ってくれる
何度、チューしたか
『チューしたってね、ダメなもんはダメだよ』
って時は、後ろから抱きしめてお願いしたり
『にゃびは、おばちゃんの扱いが上手い』と褒められたものだった
…
あの頃で70歳近かったから
もう死んだだろうな…(コラコラ
ちょっと変な先輩で飯塚さんと言うのがいた
もう30年近くも前の事だから実名で行く
…
一番下っ端の俺がいつも、まかない料理を作るのだけれど
『にゃびのまかない飽きた』と言って
時々作ってくれるのだけれど、何故かバナナの天ぷらなのだ
コレが勿論、大不評
『なんで飯塚さんに作らせるんだよバカ!バナナで飯、食えねぇだろが』
俺が怒られるのである
しかし、ご飯のおかずにはならないけれど
バナナの天ぷらって美味しいんだよね
飯塚さんがまかないを作るとみんなは納豆や卵かけごはんで済ませる
俺はおやつにバナナの天ぷらが食べられるから嬉しかった
トロッとして、甘くておいしい
懐かしい味である。
秋田県の湯沢駅の近くのお店で売ってるんだよね。
去年、買って食べたけれど美味しかった。
飯塚さんの味だった。
高校を卒業してすぐに上京
いっぱい新鮮な事があったのに
もう忘れている事だらけ
また何か思いだしたら書いていこう。