昨日の事だ
鳩のオッサンが単独の仕事で居なくなり
倉庫には俺とアンガスだけになった
俗に言う人見知りのボクですよ
別に無理をして話しかけなければそれでいいのだけれど
気を使うと言う悪い癖も所持しているので
何か当たり障りのない会話をしてみたり
アンガスが来るまで、事務員としてくるのか
倉庫のほうのスタッフとしてくるのか分からなかったから
こっちの人間で良かったです
みたいな話をしていた
…
実際、身長も俺と変わりがないぐらい高くて
太っていると言うのではないけれど
ガッシリしているように見える
力仕事は流石に出来ないだろうから
フォローする場面はあるのだけれど
一人増えたことで少しだけ楽になって行けばいいなぁと思っている
そして、アンガスと言えども
…いや、この言い方は失礼だ
アンガスのくせに
…もっとダメな言い方になった
アンガスだけど
…待て待て待て
もう少し言葉を慎重に選びたい
…
…
…
何を言いたいのかと言うと
野郎だらけの住み家なのです倉庫は。
たまに事務のババアが来るけれど
アンガスのようにずっと倉庫で過ごすことはなかった
このアンガスが、倉庫が汚いと思ったのでしょう
ホウキとチリトリを持って掃除を始めた
散らかっている棚を整理し始めた
ちょっと感動。
片付ける人が来た!!!(お前も頑張れよ
…
話は脱線しちゃったね
女性が来るってこういう事なのかと思ったり思って見なかったりだ
アンガスと二人きりになって
ずっと倉庫に閉じこもってるのもアレだし
ちょっとヒマな時間だし
『よし!んじゃアンガスさん!!ドライブしよう!!』
『ドライブ?』
『俺のワイシャツ買いに行くの付き合って』
『今、行くんですか?』
『暇だから今!』
要するに仕事中に私用で勝手に抜けていいのかと言う意味で言っているのだ
『今でしょ!!』
もうずっと前に旬を過ぎた言葉でアンガスを連れだして
某有名ブランド店『しまむら』へ…。
俺のワイシャツ、半そでが欲しいんだよね
もう何年も着てボロっちい
アンガスも探してくれて
『にゃびさん、ありました。こういうのとか、ストライプの模様が入ってるのとか…サイズはこれくらい?』
店員かよ!!
倉庫の掃除はするし、ワイシャツのサイズも選べるし
アンガス、店員かよ!!
…
アンガスは言った
『私もブラウスを探しに来たけど、私のサイズって無いんですよね…』
そんなに??
俺と同じぐらいの身長だとそうなの??
俺は女装したら何を着ればいいの?(しなくていいから
『私、男物の…ワイシャツを着たら変ですかね』
『どうなんだろう。俺が自分の買うからそれを会社に戻ったら試着してみたらいいよ』
俺はワイシャツを一枚買った(俺のサイズがそれしか無かった
会社に帰って来てから
アンガスに袖を通してもらう
う~ん、やっぱり女の人はワイシャツじゃない気がするんだけどなぁ
って俺は思う。
…
『私、ワイシャツ買おうかな』
え?そうなの?
男の部屋で着るものが無くて
彼氏のワイシャツを着て…的な事でいいの?
アンガスがこれからどうなって行くのかは分からない
でも、こんな感じで
『しまむら行こうぜ!!』みたいに普通に連れ出すし
白飯持ってきて、おかずだけ一緒に買いに行こうとも誘うだろう
昨日はアンガスがいるのに倉庫で昼寝をして
イビキをかいていた
『俺のイビキすごかったでしょ』と聞くと
『あはは…いえ、大丈夫です』
ですよね。
俺も自分のイビキで目が覚めたんだもん。
『アンガスさんも寝たかったらその辺に板を敷いて寝ていいからね、遠慮しないでね』
『あはは~大丈夫です』
…とんでもない会社に来ちゃったと思っているはずだ
でも、慣れれば面白いかもよ。給料は安いけど。
鳩のオッサンは昼休みに
『アンガスさんは、暑がりなの?寒がりなの?』
『会社に着替えする部屋が無くて大変だね。どこで着替えるの?』
『アンガスさんの趣味って何なの?』
質問攻めにしていた
…
アンガスさん、嫌だったら嫌だと言わないと。
暑がりか寒がりなんて聞くのセクハラだと言わないと。
お前の顔がセクハラだと。
湯上りのキンタマにしか見えないとハッキリ言わないと。
今日もアンガスと組んで仕事だ
…
待機が当たって寝不足だけれど
出勤だぞ
頑張れ俺。
そして今日もよろしくね、アンガス。