Burning Pavilion Part3

日常のもろもろ

Paul & Me part1 ~ All The Best!

2007-05-31 21:22:41 | 私的ポール・マッカートニー史


<ポール・マッカートニー オール・ザ・ベスト 1988年11月購入>


ポール・マッカートニーの発表したアルバムを聴いた順に紹介するコーナーです。
聴いた当時の印象と、今の感想を交える、私的ポール・マッカートニー・ファン史といったものです。

1枚目は1987年発表のベストアルバムAll The Best!。
聴いたのは1988年、13歳の時、父に買ってもらいました。何せ定価3,600円。
新譜のベスト盤は若干割高な傾向があるが、今の基準で考えれば高い。LPからCDへの移行期でしたが、LPが2枚組であることもこの価格に反映されているのでしょう。そういえば当時は消費税なんてものもありませんでした。

この時点でビートルズはHelp、Let It Be、Pastmasters Vol.2、Abbey Road、SGT Peppers、Magical Mystery Tour、いう順で買いそろえていたと思うが、この中ではポールの曲が好きなことに気づき、ポールのソロ曲も聴いてみたいと思ったのでした。
ビートルズのアルバムはジョン、ポール、ジョージ、リンゴのヴォーカル曲がそれぞれ入っていることが魅力の一つであるとその時も思っていたので、全曲ポールのみ、というのはいささか抵抗があったが、とにかくどんなものか興味があった。

ベストアルバムを選んだのは、ほとんどポールのソロ曲を知らなかったため。
その前にFMラジオでビートルズソロ特集という番組があり、そこでAnother DayとMy Loveくらいは聴いていたのかもしれない。
その両方が入っているCDはWINGS GREATESTもあったが、曲数が少ないのと、All The Bestのほうがデザインが良いからだったと思う(その結果、WINGS GREATESTのみ未だに所有しておらず、Juniors FarmはWINGSPANでようやく公式版を聴いた。通常サイズのは未だに持ってないことに気づきました…脱線)。
また、当時の最新アルバムであり、新曲Once Upon A Long Agoも収録されていた。Once~のドーナツ盤も店頭に並んでましたよ。買っておけば良かった。

聴いてみた第1印象は、今となっては考えられないことだが、それほどよいものではなく、Jetは、タイトルが格好いいなと思ったものの、想像していた曲の感じと違い、また、声もビートルズの時のとは変わっていることに驚いた。
Band on the runは曲構成が奇抜なのと、中間部分のオーケストラで強引に曲をつなぐといったところに、なんじゃこりゃ??と面食らった。
Coming Upは近くで聴いていた父に「ビートルズを解散した後のポール・マッカートニーはこんな(変な)曲ばっかりなのか?」と言われたのが未だに忘れられない。
Ebony And Ivoryは間奏のシンセ音とコーラスのアレンジが完全に当時の好みから外れていた。つまり、ビートルズのようなローファイなサウンドが全くなく、非常にダサイものに思えた。

結局Let'em Inに差し掛かる頃には眠ってしまった…。ビートルズのシングル売上記録を更新したMull Of Kintyreも期待しすぎたためか、退屈な曲にしか聞こえなかった

というように、今では好きな曲群も初めはなかなかすんなりと入ってこなかった。
なぜかと言えば、それだけポールの曲が異質なのだろう。特にそれまで歌謡曲くらいしか聴いてなく、ロックに触れ始めた中学生にとっては自然なことかもしれない。
逆に耳あたりの良いメロディや歌声に隠れた、異常な部分が、いつまでも新鮮に聴ける要因なのだと思う。

その後、数回聴いてるうちに、Listen To What The Man Said、No More Lonely Night、Pipes Of Peace、Another Day、Say Say Sayあたりを入口に、じわじわと浸透していった。
つまり、ビートルズを聴いた時のような巨大な衝撃は受けなかった、というのが当時の印象でした。

しかし、次なる波(アルバムではない)によって、一気にマッカートニーワールドに溺れてしまうのでありました。

つづく


<補足>
今年で発売20周年になりますね。あれから発表されたオリジナルアルバムの枚数は前作までで6枚。
次のベストを編むには少ないでしょうか。新たなベスト盤を編んでも、WINGSPANのように70年代ものが中心になりそうですが…。コアなファンとしては、All The Best2として、Spys Like Us以降のものでもいいんですけど。。。

All The Bestのブックレットでは1曲1曲にイメージイラストが付いていて(Cムーンがいつまで経ってもおねしょにしか見えない…)、それが、モノクロのポールの写真にちりばめられているのがジャケットになっていて、とても良いデザインだと思います(ビリー・ジョエルのビリー・ザ・ベストに似てるのは気のせいでしょうか)。
このジャケットとビートルズ時代のポールを見くらべて、随分と老けたものだ、と思ったが、今から比べると相当若い。
また、このポールがリッケンバッカーを抱えている姿や、内ジャケのカジノを弾いている写真、プロモのレスポールを弾く姿、とこの時期のポールはとても格好いい。
今でこそ、このベスト盤の収録曲を中心にツアーをして欲しかった、と思いますが、当時はビートルズの曲が中心のライブをやって欲しいと思っていたのだからファンは勝手だ。

また、これから数年後、輸入盤のジャケットを見て見慣れない絵が入っていて、ジャケットの裏を見ると曲目が違うことに気づいたというのも、結構衝撃的でした。英米日で曲が違うこともあるということを始めて知りました。
米盤ではComing UpのライブバージョンがシングルA面だったため、収録されてますが、このライブバージョンの存在を知ったのが、90年来日記念で放送されたFM特番。
番組オリジナルのメドレーミックスに入っていて、なんだこれは!?と大変驚きました。その後、アメリカではシングルA面で発売されたことを知り、もしや米盤All the bestに入っているのでは?と思ったものの、裏ジャケにそのような記述もなく、当時の情報量では調べることもできず、そのことを確かめるためだけに購入するのもいたたまれず、躊躇してしまいました。





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