ポール・マッカートニー2年ぶりのニューアルバム、追憶の彼方に~メモリー・オールモスト・フルをついにゲット!。
昨日は出張からようやく戻ったものの退社後すぐに同僚と天ぷらを食いに行ったため、手にできなかったが、TOWER RECORD開店直後にゲットしました。
早速聴いてますが、素晴らしい出来です。予想を超えている。20年近くファンやってるが、これほどの手応えはリアルタイムで聴いた初のアルバムFlowers In The Dirt以来かもしれない。
一聴して構造がわからない曲が多く感じたのも、これからどんどん気に入っていく予兆だと思う。メロディがとにかく豊か。ヴォーカルスタイルも曲によって大きく違いバラエティに富み、格好いいシャウトも随所に出てくる。これこそ待ち望んでいたポールだ。
パッと聞いた感じでは、USでの第1弾シングルのエヴァー・プレゼント・パスト、ポールらしいメロディの綺麗なハードロックであるママ・オンリー・ノウズ、バック・トゥ・ジ・エッグに入っているアフター・ザ・ボールを連想させるグラティチュード(こっちの方がよい)、前作に入っているトゥ・マッチ・レインを発展させたようなヴィンテージ・クローズが素直に良い。ダンス・トゥナイトのわかりやすさも素敵だ。きっと一番最近作られた曲なんだろうな。
前作のように、メロディの展開がなんでこっちへ行っちゃうの?というのが少ない。
今作にはとてもストレートであり、しかしポール以外にはない意外な展開、意外でありながら納得してしまうポップさがある。
前作は傑作と言われたが、個人的にはポールらしさが半分くらい欠けた、リハビリ中のようなアルバムに響いた。久々にポールらしいプロミス・トゥ・ユー・ガールも10年くらい前ならB面に留まっていたんじゃないだろうか(そういう曲が好きなんですけどね)。
もっとさかのぼって、97年のフレイミング・パイも渋い傑作と言われたが、手癖で作ったような地味な曲も多く、なにより、制作期が多岐に渡ってる割には小粒な曲が多く、ポールらしい元気の良さに欠けるようでガッカリした覚えがあり、好きな曲も結構あるものの、アルバムとしてはこういうのは作って欲しくないという印象は変わってません。
また、両アルバムに共通するのが、シャウトがほとんどないことです。
ポールの声の衰えはアルバムごとに感じてはいたが、99年のラン・デヴィル・ランはカバー曲中心ではあるものの、シャウトボーカルが全面的に復活したのが嬉しい1枚だった。
01年のドライヴィング・レインは愛妻リンダの死後初のオリジナルアルバムのため、かなりダークな雰囲気だが、心がボロボロの状態で裸一貫の見切り発車をするポールがとても格好良かった。期待通りシャウトも入っていた。曲も荒削りだが、キラリと光るものが多く含まれていた。ファンの中でも評価が分かれ、批判が目に付くが、その後の大復活の原点であり、人間ポール・マッカートニーを感じるとても好きな1枚です。
このドライヴィング・レインはリハビリ的なものと思っていたので、インスタントな仕上げだろうが、次作は、ビートルズの再演がほとんどのワールド・ツアーを経てビートルズ的な神懸かりな曲に近いものを聴かせてくれるアルバムを、好調な喉で歌い、ツアーメンバーと共に制作するものと思っていたので、その布陣で作られた今回のアルバムは少し遅れて届いたものの期待通りのものでした。
間に発表された前作・ケイオス・アンド・クリエイション・イン・バックヤードもこの位置になって初めて異端の作品であることが浮き彫りになり、新たな魅力が芽生えてきました(マッカートニー2のような存在なのではないかと)。
曲中にいろんなアイディアの詰まったものを聴かせてくれる、アルバム中にいろんな声を聴けるのが、ポール・マッカートニーだ、と信じてここまで聞き続けてますが、今回のアルバムはまさにそれです。71年発表のRAMと同じベクトルを向いた、パワーのある作品だと思います。全盛期と言われる70年代のウイングスとしての一連の作品と並べても引けを取らないと思います。
アルバムが出るたびに、良いけど、こういうのよりもっと聴きたいのがあるんだよな~と思い続けて、15年くらい。待った甲斐があった。とても。
かなり感動しました。聴く度に良くなってます。上に挙げた曲以外も素晴らしいです。
ちなみに、買いに行ったついでにスタバを覗いてみましたが、サンバみたいのが流れていました。。。
レジにポールのCDが並んでいたのは嬉しい光景でした。