知床の遊覧船沈没事故。
情報を収集してみると、いろんな興味深いことが分かってくる。
今年の三大ニュースは、ウクライナ侵攻、コロナウイルス(昨年に続き)、そしてこの遊覧船沈没事故ではないかな?
沈没事故はウクライナ侵攻とコロナウイルスとも微妙な関係がある。
日本がロシアに救助ため理解を求めたことは、各国間の力学に微小な作用を与えそうだ。今後の展開を見ないと分からないが。
コロナはもう結構大きな影響を事故に及ぼしている。
過去2年間、飲食業界はいろいろな補助、支援を得てなんとか生きながらえている。
しかし観光業界は公的支援も得ることはできず、この2年間の苦境は私の想像を超える。そして2年を経て初めて制限無しの観光ができるようになり、ゴールデンウィークを前に業界はここぞとばかり力を入れているだろう。
とにかくこの2年間の不入り、経営不振を払拭すべくかなり乱暴なことも起きる可能性はあった。その象徴的な事件がこの事故だと捉えることもできる。少々リスクがあってもとにかく売上をあげたい。そう思うのも不思議ではない。
社長さんはこの業界では素人のような方だったようなので、安全に対するリスク感覚も今ひとつだった可能性はある。
さて、そんな中、にわかに注目されているのは、この社長にアドバイスをしたとあるコンサルタントだ。
結構著名な方らしい。小山昇さんという方。Wikipedia にも記事があるので十分認知されているのだろう。
その方がこの社長を指導した記事がダイヤモンドに載っていたらしい。それがこの事故の直後に削除されたというのだ。
調べてみたら、その記事はダイヤモンドのお詫びの言葉と一緒い復活していた。
この削除を巡る取材記事はもう沢山あがっている。たとえばこれ。
ネットでは「消すと増える」という金言がある。まさにその例と言えよう。
この記事削除はダイヤモンドが自主的に行ったのか、小山氏が以来したのか。そのあたりの事情はまだはっきりしない。
いずれにても小山氏の指南と今回の事故の間にはそれなりの因果関係はあるかもしれないが、法的責任を問えるようなものではないのは明らかだ。日本語で相当因果関係、英語では proximate cause というが。
しかし社会的にあれやこれや言われるのは間違いないし、それはコンサルタントとして甘受しなければならないだろう。
ちなみに小山氏のツイッターは4月22日以降沈黙している。事故が起きたのは4月23日だ。
この事故というか事件により、コンサルタントという商売・ビジエスが俎上に上げられるのは十分予想できる。
早速ホリエモンがちょっとコメントしている。やや控えめではあるが。
知床観光船事故と怪しいコンサルの見分け方についてお話しします
世の中のコンサルタントを見る目が変わってくる可能性は勿論あるが、コンサルタント自身が自分の商売を見直すきっかけにもなるかもしれない。なぜなら、コンサルタントってちょっとリスクがあるよね、という自覚が生まれてくるかもしれないから。
そもそもコンサルタントというのは胡散臭さがつきまとう商売だ。
私が昔米系起業でサラリーマンをやっていた頃、倫理規定には率直にコンサルタントへの報酬には気をつけろ、てな条項が載っていた記憶がある。なんの仕事をしてくれるのかよく分からないのに、法外な報酬を払っていると、それが違法な目的(例えば賄賂)に使われるかもしれないから気をつけろ、という趣旨だ。
いずれにしても世間的にはちょっとしたコンサルタント刈りが始まるかもしれない。そしてコンサルタント業務を返上する抜け忍ならぬ抜けコンサルタントも出てくるだろう。
考えてみると、私自身、少し前まではコンサルタントをしていた。これは違法でも何でもなく問題はなかったが、自分の能力の衰えを感じて「抜けた」のだ。今、手元の記録を調べたら2019年の秋頃に「抜けて」いた。
ちょうどコロナが始まる直前だ。
いやー、いいタイミングで辞めたな。コンサルタントの仕事では顧客訪問も結構あったので、もしコロナ禍の最中にやっていたら感染のリスクはぐっと増していただろうな。
コンサルタントから抜けた後、2020年以降は東京出張は5回もないのでは?2020年には東京事務所も売却したしね。
ということで、今は完全リモートでもできる仕事に絞って田舎の地方都市で庭仕事をしながら、合間に仕事を入れて静かな余生を過ごしてます。