この「小型AT限定二輪免許の話」は11回目になっています.
本当は検定終了までに10回くらいで書き終わるつもりでいたのですが,いわゆる「つばなれ」ということになっています.
「つばなれ」とは,検索していただければわかりますが「二桁になった」という意味です.日本語で数を数えるのに「ひとつ,ふたつ,みっつ...」と進めていって「ここのつ」までは「つ」の字が入りますが,10を意味する「とお」にはありません.そこで「つ」から離れたという関東の落語家の方々の伝統的な符牒です.
このブログでも,10回書いてまだ二輪車に乗った時間が35分です.二輪車の制限速度の時速60キロで走っても京都から大阪にはたどり着けません.その距離ではマラトンからのエバンゲリオン「わが軍勝てり」を伝えられません.
さて,どうなりますやら.
実車教習二回目です.「小型AT」は進め方が速いので,もう第一段階のみきわめです.
休みの日の午前中の教習.予約の都合で前回から1週間たっています.天気がいいので駅から20分歩きます.いつもどおり,若い方々に追い越されていきます.
60年近い人生の間で,私はまだ35分しかモーターサイクルというものに乗っていません.それなのに「とりあえず,ひとりで乗ってみていいよ」というお墨付きの試験です.
指導員ひとりと,私とATもう一人の教習生の3人組です.前回と同様にスクータ(ホンダ リード125)のスタンドをはずしてすこし引き回します.そのあとも,前回同様に二輪車区域を何回か周ります.そのあとも同様に外周,S字,クランクなどを走っていきます.
楽しいですね.二輪車教習は本当に楽しい時間です.この時点では大きな勘違いなのですが,自分が二輪車乗りになっているという実感があります.勘違いを実感させてくれるのがクランクです.もうここでは話したくありませんが,後世のために書きます.
今回は教本をしっかり読みました.コース取り,左手のブレーキ,先のほうを確認する(二輪車というのは顔を向けていくほうに,自然と曲がっていくのだそうです:教習生のレベルでは)を覚えています.いまここでその文章をソラで書けるほど覚えています.
実際にはできません.
コーンをぶつける,なぎたおす,出口で転びそうになる.入口出口を含めて4回直角に曲がるだけなのに.今日は1回だけですが,まあエゴあるいはレゾン・デートルというものを木っ端みじんに砕く教習です.なぜS字は問題なくできたんだろう?
後半は,二輪専用コースで「発進」「停止」「回転」などです.
「発進」:ゆっくりと発進.これができない 5-6回やっても,いつも急発進になります.
「停止」:両手のブレーキを「じわじわ」とにぎって,左足を出して止まります(とまることになってます).これもできない.急に止まって足を出している左側に車体ごと傾きます.もちろん指定された停止位置ではありません.
「回転」:松の木があってその周りを右回り,左周りでまわります.自転車にのっているのでできないのではありません.指導員のコースに従って進むことができないのです.松の木は,二輪教習の「急制動」の発進位置に近い場所です.たくさんの教習生が自分の順番を待っているエリアです.そこでスクータで曲がるのがへたくそな奴が何度もやってきたら,これから40キロですっ飛ばす教習生にいい影響があるわけがありません.一層のプレッシャーです.
このあとの平均台(一本橋),スラローム(小型なのに),波状路(小型だっていってるでしょうが)は次回に.