エッセイと虚構と+α

日記やエッセイや小説などをたまに更新しています。随時リニューアルしています。拙文ですが暇つぶしになれば幸いです。

ニューヨーク旅行でしてみたいこと(再up)

2013-07-31 02:35:45 | 小説
マディソンスクウェアガーデンでは、リンプビスキットのフレッドダーストが赤いキャップを被って歌っていた。歌詞の意味は全く分からなかったが、左にいたギターのウェスが珍しく何の被り物もしていなかったので感心してステージを見ていた。テイクアルックアラウンドが終わるとフレッドダーストは赤らんだ顔で「falling away from me」と叫んだ。そしてkornの曲のカバーをし出した。フレッドダーストはその甲高い声を少し抑え気味にジョナサンデービスの唸るような低音をなんとか表現しようとしていたが、あまりうまくいっていないようだった。ウェスは相変わらずに楽しそうにギターのリフを刻んだり、ハイコードからソロまでなんとなしに弾いていた。
やはり僕にはフレッドダーストの発する歌詞の意味は理解できなかった。英語のリスニングもスピーチもとんでもなく苦手なのだから当たり前か。そんな風にぼやけた顔で聴いていたらなんと!後ろからジョナサンデービス登場、フレッドダーストは目を見開いてオーッというようなため息を漏らすと、ジョナサンデービスと一緒に戸惑いながら歌った。僕はマディソンスクウェアガーデンを後にした。

タイムズスクエアを歩いてみるとブロードウェイの看板が大きくてびっくりした。
そして何処を歩いても、マクドナルド、ウォルマート、セブンイレブン、スターバックス、タコベルの金太郎飴状態で目が回った。とりあえずスターバックスでキャラメルマキアートを頼みそれを飲みながらタイムズスクエアを歩いた。そういえば、アリーマイラブでは毎回こんな感じにキャリスタフロックハートがしていたことを思い出した。たいていコーヒーをこぼしたり、こぼされたりで恋が始まったのもなんだかやはりロマンチックなことだったんだなと感慨に浸った。地下鉄に入っていくと、こんなところでエージェントスミスとネオは闘っていたのかという感慨にまた陥ったのだが、マトリックスから戻るための電話ボックスはそこにはなかった。
とりあえず乗り込む。ファイナルディスティネーション3ではここから大変なことが起きてしまうんだよなと不安になったが、ヒロインみたくとんでもない白人の美少女は発見することができなかったから、僕は安心した。地下鉄から地上に出てヤンキースのスタジアムを眺めた。イチローの放ったホームランが場外まで飛んできて僕の足元に転がってきた。たぶんそれは松井秀喜が国民栄誉賞をミスターと同時に受賞することが決まったことで野球の神様がより遠くまで飛ばしたのかと思うと、僕は人目もはばからずにその場で泣き崩れた。

東京に帰ってくるとニューヨークはやはり凄かったと改めて思ったのだった。

※空想なので、ほんとはニューヨークには行った事はありません・・・。
ちょっといろいろとあり再upですm(_ _)m!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新大塚を散歩して落語へ(再up)

2013-07-31 02:34:58 | 小説
まだ新調したばかりのアスファルトには丸く縮まろうとしているミミズが、鉄板の上の肉片のように焼け焦げてしまうのではないかと思った。スズメがそれに近寄るとくちばしで咥えてマッチ棒のような脚で飛び跳ねゆうらん公園の中へと入ってゆく。
新大塚駅からほどなくの距離にあったデニーズの横を通り、くすの木の繁る公園の中へと入る。
風はだいぶおさまり、Tシャツ1枚でも過ごせそうな5月の陽気は、公園の中央で湧き上がる噴水の飛沫に交差して色彩をともらせる。

ゆうらん公園のベンチはランチタイムのOLさん達や、くたびれた背広の中年男性や、子供を連れた母親達の集まりなどで、すっかり埋まっている。
噴水の飛沫越しに見えたベビーカーは、
淡い紺色の一般的によく見られるようなもので、佇む母親と中にいる子供は、楽しそうであった。
さっきのスズメは群れの中に戻っていた。ランチタイムのOL達の前でパン屑をつついている群れの中で、ミミズのしっぽをつつき一匹だけ超然としているようにさえ見える。
私はまだ公園の入口付近に立って、パノラマのように広がるスペクタルにさえ感じる光景を眺めている。
中に入って行くと噴水の横を通って、先の並木道に入っていった。
くすの木に囲まれて、歩いているとマイナスイオンを受けて、新大塚のメトロ構内で閉塞した身体がほぐされていく。チェーン展開しているマッサージ店で2千円弱のお金でかえって凝り固まってしまったフィジカルにダイナミズムな興奮をくれた。
もうアスファルトの道路が先に見えている並木道を私は歩きながらぐるりと見回す。くすの木はやはりさっきの一匹のスズメのように超然としている。アスファルトの上に出ると、右へと進路を変えて、大塚の公民館を目指した。立川談修の落語を聞くためである。

近所のマクドナルドで行われた落語を半年前に聞いて興味を覚えていた。
ほどなくして公民館に着くと、私は3階の多目的ホールへと入り受付に千円札1枚を置いて、70席は並べてあるであろうパイプ椅子に腰かける。舞台袖から立川談修が登場した。埋め尽くされた客席からは、割れんばかりの拍手が起こった。座布団を目指している途中で立川談修は踵を返し、舞台袖にまた引っ込んでしまった。はて!?と私は見ていたのだか、なんでも扇子を忘れて出てきてしまったようで、座布団に鎮座するなり、「扇子をとって来ました」と頭を下げて口上を始めた。プロであってもミスはするのだな~とも思ったのだが、いわゆる予定調和というやつなのかもしれないなとも勘ぐった。
約30分であろうか、あえてなのかわからなかった僅かながらのぎこちない動きはかえって、その飄々とした佇まいと口調と共に落語の面白さに拍車をかけて、客席には私以外は中高年ばかりであったのだが、笑いはときに静かにそしてワッと公民館を揺らすほど沸き起こった。
舞台上の赤い座布団に鎮座した立川談修は後ろを刈り上げたざんばら気味の髪型でとっちゃん坊やのような趣きである。
だんだんと身を乗り出すように噺しがのってゆくのがわかる。古典や現代といった説明を口上に丁寧にしてくれたおかげで私も沸き立つ中高年と一緒になって手を叩いたりしながら、笑った。

5月のまだ午後の日差しを浴びて帰路につき、新大塚駅を目指す。途中にQBカットで私は髪を切って貰い、さっきまでざんばらであったかどを丸めた。

※新大塚駅は実在していますが、他はけっこう空想です。フィクションなので(@_@)!あ、でも立川談修さんという落語家は実在の人物でとても魅力溢れる落語家さんです(@_@)! また落語のことは良くはわからないのでたぶん色々と間違っていますm(._.)m でも実際に立川談修さんの落語を聞いたことはあるのです(@_@)!
ちょっといろいろとあり再upですm(_ _)m!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする