こないだ職場に中途で入ったオトコの人と何気なく昼食を取ることになった。とりとめのない話をしていると、「あなた、いくつ?」という展開になったので、ホント―のことを言うと、「へえ、若いね。俺なんて67だよ」という。「え! 40代と思ってましたよ」と多少作りながら驚いてやると、若見えが目的だったんだろうが、「最近は少林寺拳法とかも始めて、カラダの状態はいいんだよ」という。
派遣で来たらしいが、当初から難しそうなパソコン仕事をしていたので、なおさら若く見えていたのかもしれない。でも、派遣会社もよく60代後半まで契約して、また、それを受け入れる仕事場もあるもんだと世の広さを知った。その歳になれば、仕事があっても、介護かタクシー運転手、駅の掃除が精一杯だろうと思っていただけにね。でも、話してみると、やはり古稀近さを感じた。
「ずっと会社勤めをしていたんだけど、60くらいのころ、当時いたところの上司から1時間前に言われたことを全く忘れていたんだ。うっかりとかではなく、言われたという事実さえ、記憶になかった。上司は若年性痴呆(65以下は若年性らしい)を疑い、検査を受けさせられた。精神クリニックでの検査は『100から7引いて、そこから8引いて・・・』みたいなことをさんざやらされた。結果はぜんぜんできなくてね。ヤバいと思って、痴呆症に効くというサプリメントを飲み始めたんだよ。そしたら、急にアタマがさえるようになってね。女房に同じような検査を練習でしてもらったら、スラスラできるようになったんだ。次の再検査では、バッチリ合格して、上司の信頼も回復したよ」
単なる自慢話をしたかったんだろうが、それはサントリーの何とかいうたぶんCMとかでしつこくやってるのか、オレも名前を知っているものだった。別にサントリーのステマじゃないよ。オレも若いころはサプリメントにハマり、何種類か併せ飲みしていた時期があったが、世捨て人になるにつれ、おカネのムダと思い始めて止めた。しかし、早朝のテレビ見ていると、健康サプリのテレショップ番組があふれている。早く「暴れん坊将軍」の再放送が始まらないかと、見ているようで見ていなかったが、どんな分野にせよ、効く人には効くんだな。