植物のふしぎ

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水栽培中のヒヤシンスが咲き始めました

2025年02月18日 | 園芸

2024年11月3日に始めたヒヤシンス水栽培について、その後の報告です。使用する水の条件を変えて3株を栽培していたわけなのですが、そのうちの一株で2月15日から咲き始めました。

3株は、水道水、メネデール添加、アスピリン処理をしたものです。詳細は以前のレポートの2024年11月13日「ヒヤシンスの水栽培」を参照ください。

その後も、水の交換は一週間に1回、メネデールは交換ごとに100倍希釈液を用い、アスピリン処理した株ではその一週間後から何も添加しない水道水に切り替えて栽培を続けました。3株とも室内のレースカーテン越しの光が届くところで条件を同じに栽培しました。

次の写真は開花3日後の2月18日に撮影したものです。

水道水、メネデール処理の方はまだ蕾の状態で両者でほぼ同じ様子でした。開花まではもう少しかかりそうです。正面から観察してみると・・

左から、水道水、メネデール処理、アスピリン処理です。

水道水とメネデール処理は根の成長や花序の成長度合いなどほぼ違いは見られませんでした。

アスピリン株では、栽培開始直後に発根はしましたが、その後は根の成長が休止していました。一週間後に無添加の水道水に換えてから1〜2週間は根に何の変化も見られなかったのですが、それからのち、成長休止の根は全て枯れてしまいました。上の写真で伸びている根は初期発根とは別の新たに伸びてきた根です。なので根の本数は他の2株に比べてかなり少なくなっています。葉の伸長具合にも差が見られました。アスピリン株では他の2株に比べて遅いように見受けられます。

【考察】

アスピリン株で開花が他より早まったのは、アスピリンが開花を早めたというよりアスピリン処理によって初期発生の根が傷んでしまったことが原因だと推測されます。すなわち、根を伸ばすエネルギーが花の方に回されたため結果的に開花が早まったのだと考えます。水栽培開始直後に出るたくさんの根は開花には必要なかったということ。

アスピリンの意義については2024年11月13日「ヒヤシンスの水栽培」でも記してあります。簡単に述べると・・微生物感染に抵抗する植物ホルモンとして、サリチル酸が知られています。アスピリンはその誘導体で植物に対して類似の作用をすると考えられます。それが低濃度だと感染に対する抵抗性アップに、過剰量だと細胞死を起こして感染拡大を防ぐ戦略。今回の実験で用いた500mg/Lの一週間処理・・無添加水道水に交換後しばらくしてから枯れたのでアスピリンそのものが根にネクローシス的障害を起こしたとは考えにくいのですが、それでもホルモン的作用による能動死なのかどうかも不明。・・いずれにしても用いるアスピリンの濃度には検討の余地がありそうです。

【まとめ】

  1. 水栽培用の充実した球根を用いた今回の栽培では、メネデールの有無に差はありませんでした
  2. アスピリン処理(500mg/L 一週間)すると発根した根の成長は止まり、その後根は全て枯れてしまいました
  3. 栽培開始直後に発根した根が傷んでもその後に伸びた根で開花は可能で、むしろ開花が早まりました
  4. 根への投資が花の方に回されたため、アスピリン株では他よりも開花が早まったと推測できます。

【今後の予定】

  1. 水道水コントロールとメネデール株が開花し、差がないことを確認した後に一方をアスピリン処理して変化をみる(単なる興味。何の意義があるかは考えていません
  2. コントロール株とアスピリン株を鉢で栽培しその後の球根の成長具合を観察

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