2018年3月15日(木)
鹿野は台東の約20キロ北に位置する長閑な村。日本統治時代は「龍田日本村」と呼ばれ、日本人の移民村が形成されていて、今でも当時の建築物が多く残されている。熱気球大会が行われる広い草原もあり、草原を眺めながら緑の並木道を走るサイクリングスポットとしてもよく紹介されている。
鹿野へは台鐵台東駅から電車で15分ほど。知本から日本製レトロ客車に乗って台東駅に着き、約30分後に発車する鹿野行きの電車の切符を買った。鹿野へ行く前に旅行の大きな荷物を何とかしたい。駅に預ける手もありだが、帰りはバスでホテル近くの停留所で降りたいのでできればホテルに先に預けたい。駅前でタクシーの運転手さんに相談したら、ちょっと困っていたが「クイック!クイック!」と言われ、奥さんと息子は駅に残して僕一人でタクシーでホテルへ向かった。
運転手さんはかなりの爺さんだけど、クラクションを鳴らしまくって時速100キロの猛スピードで他の車を追い抜き、10分でホテルに着いた。運転手さんも一緒にホテルに来てくれてフロントの人に話をしてくれ、チェックイン手続きなしで荷物を預かってもらえた。またまた猛スピードで駅へ向かう。手に汗握る思いだったが、無事に電車発車の10分前に駅に戻って来られた。あーよかった。。しかしこういうことは心臓によくない。
運転手さんはメーターが示す通りの額(470元)を言ってきたが、500元渡したらとても喜んでくれた。ナポリで船の時間に間に合うように運ちゃんを急がせたら、少し多めに払ったのに「全然少ない!」と云われ、かなりの高額を払わされたことを思い出し↓、ここが台湾で良かったと思った。
ディープなナポリの街歩き ~その2~
鹿野へ行く莒光号はキレイな電車。乗車時間は15分にも満たないが、買った切符は座席指定付きで座席も乗り心地も快適だった。
鹿野駅はこじんまりとしているけれどカラフルで楽しい。鹿野の「鹿」をあしらったデザインをたくさん見かけた。
駅前にちょうどタクシーが1台停まっていたので乗り込んだ。台北ナビに紹介されていたレンタサイクル屋の名前「阿度的店」を告げるとすぐにわかった。約5分で着いた阿度的店は閑静な場所にある大きなレンタサイクル屋。チャリがいっぱい並んでいた。
日本語が上手なお姐さんがサイクリングコースについて詳しく説明してくれて地図ももらえた。軽くて乗り心地良さそうなチャリを選んで、旧龍田村のサイクリングに出発だ!
早速旧日本村の建築物が目に入って来た。「鹿野尋常高等小学校」の校長先生の宿舎として使われていた建物が緑濃い敷地の中にひっそりと佇んでいた。
緑の草原の道を快適に走っていたら神社にやってきた。統治時代は鹿野神社と呼ばれ、日本人移民が足しげく参詣していたところ。その神社跡に2014年に鳥居と社を復元したそうだ。広い草原にぽつんと建つ神社の光景はなんだか不思議。
戦後、国民党による独裁の時期に日本の神社は悉く破壊されたが、その後台湾人の手で神社を復元してくれるなんてありがたいことだ。
鹿野のサイクリングコースは広々とした緑がどこまでも続き、道は平坦で走りやすくて気持ちいい。色鮮やかな鳥がさえずり、バナナの木やハイビスカスや、遠くの山々が目を楽しませてくれる。どこからか花や樹木の香りが漂ってくる。そんなコースのなかでも一番のスポットが、ネットでもよく紹介されているこの「綠色隧道(緑のトンネル)」と呼ばれる並木道だ。
並木通りの樹木はクスノキやモクマオウという種類。真っすぐ伸びる並木道は1キロ続く。いい気分になって余分に走ってしまった。今は新緑が初々しいが、季節が進むと葉が繁ってトンネル状になり涼しい木陰を作ってくれるのだろう。
この草原で熱気球大会が行われるそう。観てみたいなー
家が並ぶ道へ出たところに、また古い日本家屋があった。入口に残る門柱に「鹿野區役場」と看板が出ている。ここは旧鹿野村役場。
玄関は閉まっていたので裏に回ると、居心地の良さそうな縁側があったのでちょっと一休みしていたら・・・
近くで作業していたお兄さんが「リューベンレン(日本人)?」と話しかけてきた。農業を学んでいてここではスイカを栽培しているんだって。「この建物は1922年に日本が建てたんですよ。」と教えてくれた。一緒に写真に入ってもらった。とても感じのいい人。台湾ではいつもこうして地元の人との交流があるのが楽しい。
表に戻ったらさっき閉まっていた玄関が開いていて中に女の人がいた。「入ってもいいですか。」と訊ねたら「可以可以(どうぞどうぞ)!」と入れてくれた。ラッキー!
中は畳敷きの和室。日本の家具調度類が散見された。きちんと展示されていないところがかえって和む。この建物は取り壊されることになっていたのを地元の人達の反対で保存されることになり、地域で管理しているとのこと。おかげで当時の「日本村」の面影が留まることになった。
振袖の打掛やこんなお雛さまも飾ってあった。
その近くにもう一軒日本家屋。案内板が立っていて、旧龍田村の村長さんの家だったと説明があった。
コースを一周してレンタサイクルショップの阿度的店の前に戻ってきた。まだ時間あるしもう一周しちゃおう!と再出発。コースは7キロちょっと。道は平坦だしゆっくり周っても1時間かからない。
今度はコースを少し外れて細い田舎道なんかも走ってみた。バナナ畑がたくさんあって収穫作業の人達がいたり、珍しい花が咲いてたり、不思議な石組みの小屋があったり、途中で雨に遭って雨宿りしたり。。2周すると発見も増えて楽しい。
阿度的店に戻りチャリを返した頃、本降りの雨となった。セーフだった。
お店でアイスキャンディーを食べて休憩。日本語の上手なお姐さんは東京の日本語学校で勉強していたそうだ。どうりでこんなに上手いわけだ。
雨が止まないので、バス停は近いけれどお店のお兄さんが車で送ってくれた。お姐さんは手を振って見送ってくれた。みんな優しい。
バスは台東のホテル近くのターミナルまで1時間近く。電車なら15分で行けるが、山道や植物園、長い並木道や牧場など、車窓からの景色を眺めていたら退屈しない(奥さんと息子は寝ている・・・)。
台湾の田舎に残る日本の面影、美しい風景、優しい人たちに出会った楽しいサイクリングだった。
【メニュー】台湾旅行2018(知本温泉・鹿野・台東・埔里・台北)
ジャイアント自転車で巡る台東市内
日本製レトロ客車に乗ってショートトリップ(知本→台東)
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広い!楽しい!サプライズ!台北市立動物園
昔が今に生きる街 台北の街歩き
優しい台湾 ~三峡で出会ったおじいさん(台湾人の優しさを考える)~
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鹿野は台東の約20キロ北に位置する長閑な村。日本統治時代は「龍田日本村」と呼ばれ、日本人の移民村が形成されていて、今でも当時の建築物が多く残されている。熱気球大会が行われる広い草原もあり、草原を眺めながら緑の並木道を走るサイクリングスポットとしてもよく紹介されている。
鹿野へは台鐵台東駅から電車で15分ほど。知本から日本製レトロ客車に乗って台東駅に着き、約30分後に発車する鹿野行きの電車の切符を買った。鹿野へ行く前に旅行の大きな荷物を何とかしたい。駅に預ける手もありだが、帰りはバスでホテル近くの停留所で降りたいのでできればホテルに先に預けたい。駅前でタクシーの運転手さんに相談したら、ちょっと困っていたが「クイック!クイック!」と言われ、奥さんと息子は駅に残して僕一人でタクシーでホテルへ向かった。
運転手さんはかなりの爺さんだけど、クラクションを鳴らしまくって時速100キロの猛スピードで他の車を追い抜き、10分でホテルに着いた。運転手さんも一緒にホテルに来てくれてフロントの人に話をしてくれ、チェックイン手続きなしで荷物を預かってもらえた。またまた猛スピードで駅へ向かう。手に汗握る思いだったが、無事に電車発車の10分前に駅に戻って来られた。あーよかった。。しかしこういうことは心臓によくない。
運転手さんはメーターが示す通りの額(470元)を言ってきたが、500元渡したらとても喜んでくれた。ナポリで船の時間に間に合うように運ちゃんを急がせたら、少し多めに払ったのに「全然少ない!」と云われ、かなりの高額を払わされたことを思い出し↓、ここが台湾で良かったと思った。
ディープなナポリの街歩き ~その2~
鹿野へ行く莒光号はキレイな電車。乗車時間は15分にも満たないが、買った切符は座席指定付きで座席も乗り心地も快適だった。
鹿野駅はこじんまりとしているけれどカラフルで楽しい。鹿野の「鹿」をあしらったデザインをたくさん見かけた。
駅前にちょうどタクシーが1台停まっていたので乗り込んだ。台北ナビに紹介されていたレンタサイクル屋の名前「阿度的店」を告げるとすぐにわかった。約5分で着いた阿度的店は閑静な場所にある大きなレンタサイクル屋。チャリがいっぱい並んでいた。
日本語が上手なお姐さんがサイクリングコースについて詳しく説明してくれて地図ももらえた。軽くて乗り心地良さそうなチャリを選んで、旧龍田村のサイクリングに出発だ!
早速旧日本村の建築物が目に入って来た。「鹿野尋常高等小学校」の校長先生の宿舎として使われていた建物が緑濃い敷地の中にひっそりと佇んでいた。
緑の草原の道を快適に走っていたら神社にやってきた。統治時代は鹿野神社と呼ばれ、日本人移民が足しげく参詣していたところ。その神社跡に2014年に鳥居と社を復元したそうだ。広い草原にぽつんと建つ神社の光景はなんだか不思議。
戦後、国民党による独裁の時期に日本の神社は悉く破壊されたが、その後台湾人の手で神社を復元してくれるなんてありがたいことだ。
鹿野のサイクリングコースは広々とした緑がどこまでも続き、道は平坦で走りやすくて気持ちいい。色鮮やかな鳥がさえずり、バナナの木やハイビスカスや、遠くの山々が目を楽しませてくれる。どこからか花や樹木の香りが漂ってくる。そんなコースのなかでも一番のスポットが、ネットでもよく紹介されているこの「綠色隧道(緑のトンネル)」と呼ばれる並木道だ。
並木通りの樹木はクスノキやモクマオウという種類。真っすぐ伸びる並木道は1キロ続く。いい気分になって余分に走ってしまった。今は新緑が初々しいが、季節が進むと葉が繁ってトンネル状になり涼しい木陰を作ってくれるのだろう。
この草原で熱気球大会が行われるそう。観てみたいなー
家が並ぶ道へ出たところに、また古い日本家屋があった。入口に残る門柱に「鹿野區役場」と看板が出ている。ここは旧鹿野村役場。
玄関は閉まっていたので裏に回ると、居心地の良さそうな縁側があったのでちょっと一休みしていたら・・・
近くで作業していたお兄さんが「リューベンレン(日本人)?」と話しかけてきた。農業を学んでいてここではスイカを栽培しているんだって。「この建物は1922年に日本が建てたんですよ。」と教えてくれた。一緒に写真に入ってもらった。とても感じのいい人。台湾ではいつもこうして地元の人との交流があるのが楽しい。
表に戻ったらさっき閉まっていた玄関が開いていて中に女の人がいた。「入ってもいいですか。」と訊ねたら「可以可以(どうぞどうぞ)!」と入れてくれた。ラッキー!
中は畳敷きの和室。日本の家具調度類が散見された。きちんと展示されていないところがかえって和む。この建物は取り壊されることになっていたのを地元の人達の反対で保存されることになり、地域で管理しているとのこと。おかげで当時の「日本村」の面影が留まることになった。
振袖の打掛やこんなお雛さまも飾ってあった。
その近くにもう一軒日本家屋。案内板が立っていて、旧龍田村の村長さんの家だったと説明があった。
コースを一周してレンタサイクルショップの阿度的店の前に戻ってきた。まだ時間あるしもう一周しちゃおう!と再出発。コースは7キロちょっと。道は平坦だしゆっくり周っても1時間かからない。
今度はコースを少し外れて細い田舎道なんかも走ってみた。バナナ畑がたくさんあって収穫作業の人達がいたり、珍しい花が咲いてたり、不思議な石組みの小屋があったり、途中で雨に遭って雨宿りしたり。。2周すると発見も増えて楽しい。
阿度的店に戻りチャリを返した頃、本降りの雨となった。セーフだった。
お店でアイスキャンディーを食べて休憩。日本語の上手なお姐さんは東京の日本語学校で勉強していたそうだ。どうりでこんなに上手いわけだ。
雨が止まないので、バス停は近いけれどお店のお兄さんが車で送ってくれた。お姐さんは手を振って見送ってくれた。みんな優しい。
バスは台東のホテル近くのターミナルまで1時間近く。電車なら15分で行けるが、山道や植物園、長い並木道や牧場など、車窓からの景色を眺めていたら退屈しない(奥さんと息子は寝ている・・・)。
台湾の田舎に残る日本の面影、美しい風景、優しい人たちに出会った楽しいサイクリングだった。
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