ドイツの大きめの町ではU-Bahn(地下鉄)やStraßenbahn(市電)、S-Bahn(Straßenbahnと混同しやすいが、S-Bahnはいわゆる近郊電車のこと)、バスが走っている。 「使い勝手がわからないし、歩いて行けそうだから・・・」と、バスや市電に乗るのを敬遠して歩き続ければ、結果ヘトヘトに疲れるし、時間ももったいない。大きな町では徒歩と市内交通を組み合わせて効率よく見学しよう。 それぞれの路線には番号がついている。 まずはホテルやTouristen Informationでもらえる市街地図(Stadtplan)と市内交通の路線図(Netzplan)で、自分の位置と最寄の駅を確認して、目的地へはどのような経路で行けるか(何番の電車やバスに乗るか)を確認しよう。 地図と路線図があるとないとでは、観光の効率は全然違う。地図は日本の旅行ガイドについているようなものでは不十分。全ての通り名が記入されている地図を用意しよう。 Googleの経路検索を使えば、乗り継ぎを確かめることも出来るが、全体の地図で概観を把握するとイメージが掴みやすい。 市電/バスの路線を調べるには 通常、町の交通路線図に載っているのはU-BahnとS-Bahnのみで、市電やバスの路線は載っていない。その上市電やバスはいろいろな番号の路線があるので、旅行者は最初から使うのを敬遠しがちだが、市電やバスを使えば市内を一段と効率よく移動でき、時間も節約できる。せっかくの便利な交通網を是非利用してみよう。 市電やバスの路線を調べるには、現地の観光案内所などで手に入る市街地図を使う。道路に赤やオレンジの線でバスや市電の路線は表示されている。それぞれの線には一緒に路線番号が記入されているし、停留所も分かりやすい丸印などで記入されている。実際に停留所へ行けば、そこの表示板にはそこを通る市電やバスの路線番号と、行き先の停留所名、時刻が載っているので間違えることはない。一例として、ウィーンとベルリンの市街地図からバスや市電の路線の調べ方を見てみよう。
切符(Fahrschein)の買い方
Fahrschein(乗車券)は乗車前に買う。一日乗車券(Tageskarte)などもある。Fahrscheinは駅構内や停留所の券売機で購入する。市電の車内に自動販売機がある場合もあるが、事前に購入しておいた方がいい。ただし、バスでは運転手さんから直接買うことができる。
Kurzstreckenというキップは短区間用のキップだ。これは例えばBerlinならU-Bahn, S-Bahnでは3駅まで、バスやStraßenbahnでは6駅までという短区間乗車用のチケット。通常のチケットよりかなり安いので、1度だけ短い区間を乗る場合はこれを購入しよう。 タッチ式切符販売機(ベルリン) Wie kann ich den Fahrschein benutzen? キップの使い方
キップを買ってもそれだけではだめ。購入したキップはEntwerter(刻印機)で使用開始時刻を打刻(Entwerten)する。U-BahnやS-Bahnでは乗車前に駅構内で、Straßenbahnやバスでは乗車してすぐに車中のEntwerterで使用開始時刻を打刻しよう。
Schwarzfahrer 不正乗車客
ドイツやオーストリア、スイスでは、公共交通機関を利用する際、改札口もなければバスの料金投入箱もなく、利用者は何のチェックもされずに自由に乗り降りしている。 買ったチケットを打刻したのに、誰にも見せないまま電車を降りると、ちょっと損した気分になるかもしれない。しかし打刻せずに乗車すると無賃乗車犯 (Schwarzfahrer)と同じ扱いになるので注意!Kontrolleurと呼ばれる私服のおじさん達が時々突然現れて挟み撃ちでチケットを一斉にチェックする。現地では、きっと何回かはKontrolleurに出くわすチャンスがある。Schwarzfahrenがバレたときは罰金を払わされるばかりでなく記録簿に名前等を書かされる。近い将来留学ビザを取る時の思わぬ障害にもなりかねないので、Schawarzfahrenしないように注意しよう。
歩道をよく見ると車道寄りの半分が赤っぽく色分けされていることが多い。ここは自転車専用ゾーン(Radweg)だ。歩道のつもりでRadwegをチンタラと歩いていようものなら自転車に激しくベルで威嚇されるだけでなく、ぶつけられることもあるから注意が必要だ。信号を待つ時も自転車ゾーンには立たないように。歩道と区別をつけにくいRadwegもあるからいつも気をつけて歩かないといけない。
オーストリアの歩行者用信号は日本と同様に青→点滅→赤と変わるが、ドイツの信号は青からいきなり赤に変わるので注意。オーストリアの歩行者用信号も変わるのは早い。
車が右側通行というのは知っていると思うが、こちらでは人間も右側通行。歩行者同士がすれ違うときもお互い右側を歩く。日本の感覚で左側によけると相手とぶつかることになるので注意しよう。
Straßenbahnの軌道を横切る時は必ず左右を確認しよう。路面電車がスレスレに迫ってヒヤッとすることがあるかも知れない。路面電車は音もなく近づいてくるうえに2~3両編成のものが多く、オーバーハングが激しい。歩行者との接触事故も時々起きている。
夏はオペラや定期公演は休みだが、避暑地などでは音楽フェスティバルを行っている町も多い。夏のフェスティバルの代表格はザルツブルク音楽祭 "Salzburger Festspiele"。常連のベルリン・フィルやウィーン・フィルをはじめ、世界のトップオーケストラやアーティスト達が集まって毎日演奏会を繰り広げる。
シーズン・オフの7、8月以外は小さな町でもオーケストラやオペラの公演がある。少し大きな町だとその町のオーケストラやオペラ劇場が必ずあるあたりがさすがヨーロッパ。地元の人達がちょっとばかり着飾って、気軽に劇場に足を向ける。こうした日常のコンサートに足を運んでみよう。
情報、チケットの入手方法
コンサートやオペラの情報は足を使って調べよう。町の観光案内所(Touristen Information)に行けば教えてもらえるし、町中の掲示板や広告柱、教会やお城の扉などにも案内のポスターが貼ってある。 有名な教会やお城のホームページを個別に見れば、そこで行われるコンサート情報がわかる。Wienなどの観光地では日中、観光スポットのあちこちにいる楽士(宮廷風のコスチュームを着ていて目立つ!)からチケットを買うこともできる。学生割引は窓口でしか効かないかも知れないがボラれる心配はない。交渉次第では学割もOK?
どうしても行きたいコンサートがある場合は、日本からネットで予約を入れておこう。多くのコンサートのチケットはホームページ上で予約ができる。予約の際、クレジットカードの番号を聞かれることがある。クレジットカードを持っていれば事前に料金を振り込む必要もなく、手間がかからない。
コンサートやオペラでのマナー
演奏中は静かにすることや、楽章間では拍手をしないことなどはこちらも同じ。日本との大きなマナーの違いは、自分の席の前の通路を人が通る時、日本ではちょっと足をひっこめて通してあげるのが普通だが、こちらでは座っている人は必ず立って前を通す。通してもらう方は恐縮することなくにっこり笑って"Danke"と言って、立ってくれた人と向かいあうように横歩きして通過する。決しておしりを向けて通ってはいけない。
上述のように、音楽の都・ウィーンではシーズン・オフであっても、主に観光客向けに定期的に行われているコンサートが複数ある。歌やバレエなどを盛り込んで、ウィンナ・ワルツやオペラやオペレッタを中心とした有名な曲が並ぶコンサートが多いので、普段クラシックを聴かない人でも楽しめるし、演奏内容はクラシック好きにも満足できる質を保っている。そうした定期的に行われているコンサートをいくつか紹介しよう。
ドイツもオーストリアもスイスも鉄道網が非常に発達している。マイカーがない旅行者には鉄道の旅が一番だ。 語学研修で滞在している町から週末に鉄道を使って近郊の町へ出かけてみよう。
切符を買う
切符は早めに買っておくことをお勧めする。切符はネットか駅で購入する。
(駅で購入する場合)
(ネットで購入する場合)
どのサイトでも、自国以外を運行している列車の乗車券も購入可能だが、それぞれのサイトを個別に見ると、自国の列車の乗車券については早割など、割引でチケットを購入することができる。乗車する列車を限定すると割引率は大変高くなる。
時刻を調べる
駅の要所には大きな時刻表が貼ってある。"Abfahrt"と書いてある黄色の時刻表が出発時刻表だから、自分が乗る列車はこれで調べる。"Ankunft"と書いてある方は到着時刻表なのでこちらは出迎え用。出発時刻表を見れば全ての列車の出発時刻と番線、行き先、停車駅がわかる。時刻表の読み方を簡単に説明しよう。
一番左の列は発車時刻、その隣の白抜きのSやRB、IC等のアルファベットと数字は列車の種類。 次の列は停車駅と到着時刻。急行や特急列車の場合は最初にその運行列車のニックネーム"ALLGÄU号"などがつけられている場合がある。 一番右の列は発車番線。その隣りのaとかbというアルファベットはホーム上の列車の停車位置を示していて、ホームにはそのアルファベットの看板が出ており、ホーム上の掲示でも位置を確認できる。
それぞれの列車の終着駅と到着時刻の下には特記事項が書かれていることがあり、例えば図の13:12発RBにある但し書き"Hält nicht in MZ-Nord und Wi-Ost"は、「普通列車だがMainz-Nord駅とWiesbaden-Ost駅には停車しません」ということで、このように駅名などが省略形で書かれることが多い。 乗り換えが必要な場合は出発時刻表だけではわからないので、ネットで検索するか、駅のInformationに行って尋ねよう。駅で目的地と何時ごろ着きたいかを言えば、そこへ行くための電車の発車時刻、出発ホーム、乗り換え駅と番線などがすべて入ったメモをプリントアウトしてくれる。ただし、列ができている場合は待つ覚悟が必要。 乗 車 切符を買い、時刻とホームがわかったら列車に乗る。改札口はないので手間はかからない。遠距離切符には切符の有効期日があらかじめ入っていることが多い。この場合はEntwertenする必要はない。 列車に乗る前にホームの掲示板でもう一度時刻と行き先を再確認しよう。時刻表に載っている内容が変更されることがある。
ホームの掲示板。"Verspätung ca. 35 Min "と遅れを伝えている 以前は正確さが売り物だったドイツ鉄道(DB)も民営化されてから遅れることは日常茶飯事。特にICやECはよく遅れる。遅れる場合はホームの掲示板に"etwa 30Min. später"というようにコメントが表示される。来るはずの列車が遅れると、その後の列車の方が先にホームに入ってくることもあるので要注意。 列車は1等車と2等車に分かれている。車体に大きく1、2と書いてあるので間違えることはない。"erster Klasse"(2格で言う)とわざわざ断って切符を買わない限り、乗る車両は2等車だ。更に車両は禁煙車と喫煙車に分かれている。同じ車両内が簡単なパーテーションで分かれていることもある。タバコのマークが書いてあるので外からでも簡単に見分けられる。 車内に入ったら空いている席に座る。その前に、その席が予約席でないことを確かめよう。座席の上や、コンパートメント(6人用の個室)の入り口に予約状況のカードが入っていたり予約のディスプレイ表示があればその席は予約席だ。カードやディスプレイでどこからどこまでの区間が予約されているかがわかる。予約されていない区間は予約席であっても座って構わない。
Ist hier noch ein Platz frei? すでに隣に座っている人がいたり、コンパートメント(Abteil)にすでに人がいる場合は一声断ってから着席するのが礼儀。決まり文句の聞き方は:"Ist hier noch ein Platz frei?" 臨機応変に"Sind hier noch zwei Plätze frei?"というように変化させればいい。 最近はめっきり減ってしまったが、コンパートメントの車両があったら是非そこに座ってみよう。できればすでに誰か座っているコンパートメントを選んで、同乗者としばしの会話をするのは列車の旅の楽しみのひとつ。何でもいいから同乗者に一言でも話しかけてみよう。きっと相手はいろいろ答えてくれるし、逆に"Sind Sie aus Japan?"などと聞いてくるので、旅の会話を楽しめる。鉄道の旅の楽しみを存分に味わってもらいたい。
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