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MAROワールドVol.46 ~Viva! ヴィヴァルディ~ by 篠崎“まろ”史紀 & MAROカンパニー

2023年01月10日 | pocknのコンサート感想録2023
2023年1月7日(土)
MAROワールドVol.46 ~Viva! ヴィヴァルディ~ by 篠崎“まろ”史紀 & MAROカンパニー

王子ホール

【曲目】
1.合奏協奏曲集「調和の霊感」Op.3~第6番イ短調 RV356
2.合奏協奏曲集「調和の霊感」Op.3~第8番イ短調 RV522
(無茶ぶり) 2つのチェロのための協奏曲 ト短調 RV 531~第1楽章
3.3つのヴァイオリンの協奏曲ヘ長調 RV551
4.合奏協奏曲集「調和の霊感」Op.3~第10番ロ短調 RV580
♪ ♪ ♪
5.ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の極み」Op.8~「四季」
【アンコール】
♪ アントーキノ・ヴィヴァルディ(山田武彦)/アンコールのために

【演奏】篠崎“まろ”史紀(Vn)+<MAROカンパニー>Vn:大江 馨、倉冨亮太、郷古廉、小林壱成、﨑谷直人、白井篤、伝田正秀/Vla:佐々木亮、鈴木康浩/Vc:市寛也、佐山裕樹/Cb:菅沼希望/Cem:山田武彦

2023年の初コンサートはMAROワールド。王子ホールのニューイヤー・スペシャルコンサートとしてMAROカンパニーの14人のメンバーが一堂に会し、ヴィヴァルディの華やかなヴァイオリンコンチェルトの世界をたっぷり楽しませてくれた。

前半は、ソリストをそれぞれ1人から4人要するヴァイオリン協奏曲を順に並べ、MAROカンパニーのヴァイオリニスト全員がソロを担当するという趣向。ソリスト達の華麗な演奏を弦楽合奏が艶やかな響きで生き生きと盛り立て、両者のやり取りの妙に心惹かれた。恒例の無茶振りでは2人のチェリストが指名され、珍しい2台のチェロ協奏曲を演奏してくれた。2つのチェロの低音が合わさって生まれた頼もしい太い響きが、弦楽合奏と共に雄弁で奥行きのある空間を作り出した。

後半は「四季」。この作品は実に様々なアプローチが行われるが、今夜の演奏は他のどんな演奏とも異なる、これぞMAROワールドの「四季」!と云いたい独自のアプローチで、楽しくドラマチックな世界が広がった。元気溌剌に始まると思った「春」がふわっと柔らかく始まったところから予想を裏切り、春の心地よい暖かさに包まれた。ソロを務めるマロさんとMAROカンパニーの面々は、今この瞬間に沸き上がったインスピレーションをお互いに感じ合って音楽を奏でる。シーンごとにテンポやニュアンスが自然に変化し、予期せぬサプライズも散りばめられ、ワクワクドキドキしながら聴き進んでいった。

「夏」はMAROカン全員が脇目も振らずに一丸となって食らいつく圧巻の熱い演奏に引き付けられた。合奏が一気果敢に駆け抜けると、会場からは思わず拍手が沸いた。
「秋」は農民たちの底抜けに楽しい宴。土臭いステップを踏んだ陽気な踊りと歌、そこに登場したソロの鮮やかなパフォーマンスを周囲が盛り立て、冷やかし、益々場が盛り上がる。やがて酔っ払って眠り込んでしまうメンバーが続出。イビキまで聞こえてきた!

「冬」は、バルトークピッチカートやスルポンティチェロを駆使して凍てつく寒さをリアルに表現する一方で、チェンバロの山田さんの凍える演技が笑いを誘い、冬の厳しさに和みをもたらした。様々な季節を巡って行き着いた最後のシーンでは、再び春を迎えることへの感謝と祈りが伝わって来た。

並外れた結束力でガチの熱い演奏を聴かせ、エレガントな歌にも溢れ、更にサプライズや遊びも散りばめたMAROカンパニーによる稀有の「四季」は演奏の素晴らしさと共に、多様なアプローチを許容するこの作品の懐の深さを感じる機会ともなった。

アンコールでは、今夜は影で支えることが多かったコントラバスとヴィオラに光を当てた山田さんの書き下ろし作品が演奏された。トークでも演奏でも全てのメンバーにスポットが当たり、それぞれの存在の大切さが感じられるのもMAROワールドならではの魅力。新年最初を飾るに相応しい演奏会となった。

MAROワールド Vol.45 “ドヴォルザーク Part Ⅲ” 2022.10.25 王子ホール~
MAROワールド Vol.44 “ドホナーニ Part Ⅱ” 2022.3.21 王子ホール~
MAROワールド Vol.42 ブラームスPart Ⅳ 2021.9.24 王子ホール~
MAROワールド Vol.41 “モーツァルトPart V 2021.4.23 王子ホール~
MAROワールドVol.40 "バッハ Part IV" by 篠崎“まろ”史紀 & MAROカンパニー 2021.1.10 王子ホール~
MAROワールド Vol.38  “ベートーヴェン Part Ⅴ” ~2020.10.16 王子ホール~
MAROワールドVol.37 by 篠崎“まろ”史紀 & MAROカンパニー ~2020.1.11 王子ホール~

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