11月7日(水)川久保賜紀(Vn)/遠藤真理(Vc)/上原彩子(Pf)
~贅沢なトリオが贈るロシア音楽の真髄~
《北とぴあ国際音楽祭2018》
北とぴあ さくらホール
【曲目】
1.プロコフィエフ/チェロ・ソナタ ハ長調Op.119
2.プロコフィエフ/ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調Op.94bis
3.チャイコフスキー/ピアノ三重奏曲イ短調Op.50「偉大な芸術家の思い出に」
世界を又にかけて活躍する日本の若き3人のトップアーティストが会し、チャイコフスキーの大作トリオに挑んだ。前半は2人の弦楽器奏者が、それぞれ上原彩子のピアノでプロコフィエフのソナタを聴かせた。
チェロ・ソナタを弾いた遠藤真理は、もう少し野太さが欲しいとも感じたが、練り上げるような息の長い情感を湛えた歌が心に訴えてきた。2番のヴァイオリン・ソナタを弾いた川久保賜紀は、以前聴いた印象と比べると、もう一つインパクトが弱い。2楽章のプレストなどではスリリングで白熱したシーンも聴かせたが、テンションやパワーを全開しきれていないような印象を持った。ピアノの上原は、どちらの曲でも大きな存在感を示した。弱音でも、出す音数が少なくても、確かな手ごたえで音楽を大きく捉え、変幻自在のプロコフィエフの音楽の全体像を目の前にドーンと見せてくれた。
後半はこのコンサートの看板であるチャイコフスキーのトリオ。ここでは川久保も遠藤も俄然存在感を示し、益々スケールアップした上原のピアノと共に、充実の極みとも言える素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれた。川久保のヴァイオリンは、フレーズの末端までどこまでも滑らかに生き生きと伸びて行き、息の長い線を大きく描いたうえで、細やかで柔らかな表情づけもうっとりするほど美しい。遠藤のチェロは、音が前半より更に能動的になり、熱も加わり、親密な表情も伴いたっぷりと練り上げた歌で聴き手を魅了した。
上原は、そんな頼もしい仲間のなかでも親分的存在としてアンサンブルを束ねる。そのピアノは、大地に根が生えたようなスケールの大きさ、踊り出したくなる衝動、天上へ舞い上がるような軽やかさ、深刻な運命を背負った重厚さ、大伽藍を思わせる華やかさ… どんなシーンの表現でも、それらが持つ輝きや味わいが「これこそ本物!」と言わずにはいられない正真性を感じさせるのだ。
こんな3人によるアンサンブルは、チャイコフスキーならではの、情感こみ上げアグレッシブな歌を、壮大なバラードとして熱く雄弁に歌い上げて行った。スケールの大きさといい、深い表現力といい、テンションの高さといい、申し分ない名演が生まれた。
上原彩子&川久保賜紀 デュオ・コンサート 2012.6.26 サントリーホール
B→C 遠藤真理 チェロリサイタル 2011.12.6 東京オペラシティリサイタルホール
♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢(YouTube)
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美(YouTube)
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1.プロコフィエフ/チェロ・ソナタ ハ長調Op.119
2.プロコフィエフ/ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調Op.94bis
3.チャイコフスキー/ピアノ三重奏曲イ短調Op.50「偉大な芸術家の思い出に」
世界を又にかけて活躍する日本の若き3人のトップアーティストが会し、チャイコフスキーの大作トリオに挑んだ。前半は2人の弦楽器奏者が、それぞれ上原彩子のピアノでプロコフィエフのソナタを聴かせた。
チェロ・ソナタを弾いた遠藤真理は、もう少し野太さが欲しいとも感じたが、練り上げるような息の長い情感を湛えた歌が心に訴えてきた。2番のヴァイオリン・ソナタを弾いた川久保賜紀は、以前聴いた印象と比べると、もう一つインパクトが弱い。2楽章のプレストなどではスリリングで白熱したシーンも聴かせたが、テンションやパワーを全開しきれていないような印象を持った。ピアノの上原は、どちらの曲でも大きな存在感を示した。弱音でも、出す音数が少なくても、確かな手ごたえで音楽を大きく捉え、変幻自在のプロコフィエフの音楽の全体像を目の前にドーンと見せてくれた。
後半はこのコンサートの看板であるチャイコフスキーのトリオ。ここでは川久保も遠藤も俄然存在感を示し、益々スケールアップした上原のピアノと共に、充実の極みとも言える素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれた。川久保のヴァイオリンは、フレーズの末端までどこまでも滑らかに生き生きと伸びて行き、息の長い線を大きく描いたうえで、細やかで柔らかな表情づけもうっとりするほど美しい。遠藤のチェロは、音が前半より更に能動的になり、熱も加わり、親密な表情も伴いたっぷりと練り上げた歌で聴き手を魅了した。
上原は、そんな頼もしい仲間のなかでも親分的存在としてアンサンブルを束ねる。そのピアノは、大地に根が生えたようなスケールの大きさ、踊り出したくなる衝動、天上へ舞い上がるような軽やかさ、深刻な運命を背負った重厚さ、大伽藍を思わせる華やかさ… どんなシーンの表現でも、それらが持つ輝きや味わいが「これこそ本物!」と言わずにはいられない正真性を感じさせるのだ。
こんな3人によるアンサンブルは、チャイコフスキーならではの、情感こみ上げアグレッシブな歌を、壮大なバラードとして熱く雄弁に歌い上げて行った。スケールの大きさといい、深い表現力といい、テンションの高さといい、申し分ない名演が生まれた。
上原彩子&川久保賜紀 デュオ・コンサート 2012.6.26 サントリーホール
B→C 遠藤真理 チェロリサイタル 2011.12.6 東京オペラシティリサイタルホール
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金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢(YouTube)
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MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美(YouTube)
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