3月10日(金)小菅 優(Pf)
~ソナタ・シリーズVol.1「開花」(初期のソナタ)~
和光大学ポプリホール鶴川
【曲目】
1.バッハ/ソナタ ニ長調 BWV 963![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
2.ベートーヴェン/選帝侯ソナタ第2番ヘ短調 WoO47-2![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
3.プロコフィエフ/ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.1![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart.gif)
4.ブラームス/ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調 Op.5![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_heart.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
【アンコール】
♪ バッハ/来たれ、異教徒の救い主よ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
毎回欠かさずに聴いている東京オペラシティでの小菅優のリサイタルシリーズは、今年から新シリーズとなるが、都合がつかず他日公演を探していたら、和光大学ポプリホールで同じ演目をやることがわかり、早々とチケットを購入して出かけた。
新シリーズのテーマは「ソナタ」。「様々な時代を歩む作曲家の限りない世界に挑戦したい」というコンセプトで、初回は「開花」と題して4人の大作曲家の初期のソナタを集めた。小菅はどの曲でも明晰で無駄がなく、逞しいアプローチで、若き巨匠達の燃えるハートとロマンティシズムを熱く鮮やかに表現した。
バッハが10代後半に書いたというソナタは知らなかったが、祝典的な序曲で始まり、2つのフーガと、幻想曲風の楽曲を交えた多彩で充実した作品だった。小菅は、それぞれの楽曲の性格を、確信を持って鮮やかに弾き分けた。なかでも晩年の風格さえ感じる最初のフーガの厳粛さと、快活に動き回る2つ目のフーガの弾ける生気が素晴らしかった。
ベートーヴェンのソナタは、作品番号のない少年時代の作。既にベートーヴェンの非凡さが凝縮されたような作品で、小菅はこれに成熟した大人の作品として向き合い、過多に感情移入することなく、決然とした明解な演奏で音楽の価値を引き立てた。第2楽章もロマンチックになり過ぎず、冷静に音楽の奥に光る純粋な「美」を伝えていた。ベートーヴェンのソナタ・シリーズでの感動が蘇るような演奏で、その時は弾かなかったこのソナタをやったことで、ベートーヴェンのソナタ全曲演奏を完結したとも云える。
15歳で作曲し、その後、手を加えて完成したというプロコフィエフのソナタは、プロコフィエフ的なシニカルさはなく、真っ直ぐで激しい音楽。小菅の熱量はハンパなく、リストばりのガチの気合いと集中力で強靭に押しまくる熱い演奏に圧倒された。
休憩後は若きブラームスの代表作とも云えるソナタ。小菅は、骨太で逞しく、迸る若い情熱と抒情に真正面から取り組み、第2楽章では晩年の作品のようなそこはかとない寂寥や憧憬も醸し出した。大きくて逞しいフォルムをしっかりと保ち、全体を揺るぎない統一感で堂々とまとめ上げつつ、深い洞察から生まれる懐の深さも感じる演奏だった。
アンコールをバッハで締めたところも全体をひとつのリサイタルとして纏めるコンセプトが感じられた。
「ソナタ」シリーズの全国ツアーの初日となる小規模な会場でのリサイタルだったが、いつものオペラシティでの小菅となんら変わることなく全力で臨み、テンションの高いハイレベルのリサイタルだった。若書きの珍しい作品を聴けたのも収穫で、「ソナタ・シリーズ」のこれからが楽しみ。
小菅 優「自分が今一番向き合いたい作品」~2022.1.21 東京オペラシティ~
小菅 優 ピアノリサイタル Four Elements Vol.4 Earth~2020.11.27 東京オペラシティ~
小菅 優 ピアノ・リサイタル Four Elements Vol.3 Wind ~2019.11.29 東京オペラシティ~
小菅 優 ピアノ・リサイタル Four Elements Vol.2 Fire ~2018.9.21 東京オペラシティ~
小菅 優 ピアノ・リサイタル Four Elements Vol.1 Water ~2017.11.30 東京オペラシティ~
ブラボーが響くコンサートを取り戻そう ~終わりの見えない過剰な感染対策に思う~
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:「かなりや」(詩:西條八十)
~限定公開中動画~
「マーチくん、ラストラン ~33年乗った日産マーチとのお別れシーン~」
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3.プロコフィエフ/ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調 Op.1
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4.ブラームス/ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調 Op.5
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【アンコール】
♪ バッハ/来たれ、異教徒の救い主よ
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毎回欠かさずに聴いている東京オペラシティでの小菅優のリサイタルシリーズは、今年から新シリーズとなるが、都合がつかず他日公演を探していたら、和光大学ポプリホールで同じ演目をやることがわかり、早々とチケットを購入して出かけた。
新シリーズのテーマは「ソナタ」。「様々な時代を歩む作曲家の限りない世界に挑戦したい」というコンセプトで、初回は「開花」と題して4人の大作曲家の初期のソナタを集めた。小菅はどの曲でも明晰で無駄がなく、逞しいアプローチで、若き巨匠達の燃えるハートとロマンティシズムを熱く鮮やかに表現した。
バッハが10代後半に書いたというソナタは知らなかったが、祝典的な序曲で始まり、2つのフーガと、幻想曲風の楽曲を交えた多彩で充実した作品だった。小菅は、それぞれの楽曲の性格を、確信を持って鮮やかに弾き分けた。なかでも晩年の風格さえ感じる最初のフーガの厳粛さと、快活に動き回る2つ目のフーガの弾ける生気が素晴らしかった。
ベートーヴェンのソナタは、作品番号のない少年時代の作。既にベートーヴェンの非凡さが凝縮されたような作品で、小菅はこれに成熟した大人の作品として向き合い、過多に感情移入することなく、決然とした明解な演奏で音楽の価値を引き立てた。第2楽章もロマンチックになり過ぎず、冷静に音楽の奥に光る純粋な「美」を伝えていた。ベートーヴェンのソナタ・シリーズでの感動が蘇るような演奏で、その時は弾かなかったこのソナタをやったことで、ベートーヴェンのソナタ全曲演奏を完結したとも云える。
15歳で作曲し、その後、手を加えて完成したというプロコフィエフのソナタは、プロコフィエフ的なシニカルさはなく、真っ直ぐで激しい音楽。小菅の熱量はハンパなく、リストばりのガチの気合いと集中力で強靭に押しまくる熱い演奏に圧倒された。
休憩後は若きブラームスの代表作とも云えるソナタ。小菅は、骨太で逞しく、迸る若い情熱と抒情に真正面から取り組み、第2楽章では晩年の作品のようなそこはかとない寂寥や憧憬も醸し出した。大きくて逞しいフォルムをしっかりと保ち、全体を揺るぎない統一感で堂々とまとめ上げつつ、深い洞察から生まれる懐の深さも感じる演奏だった。
アンコールをバッハで締めたところも全体をひとつのリサイタルとして纏めるコンセプトが感じられた。
「ソナタ」シリーズの全国ツアーの初日となる小規模な会場でのリサイタルだったが、いつものオペラシティでの小菅となんら変わることなく全力で臨み、テンションの高いハイレベルのリサイタルだった。若書きの珍しい作品を聴けたのも収穫で、「ソナタ・シリーズ」のこれからが楽しみ。
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