10月29日(日)オーケストラ "フィルハーモニカ" 杉並特別公演
杉並公会堂小ホール
【曲目】
1.「ドン・ジョヴァンニ」序曲K.527
2.モーツァルト/交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」
3.モーツァルト/交響曲第32番ト長調K.318
4.モーツァルト/協奏交響曲変ホ長調K.364(320d)
Vn:中島 麻/Vla:鈴木康浩
【アンコール】
1. 協奏交響曲~フィナーレの最後の部分の再演
2. ディヴェルティメント ニ長調K.334~「メヌエット」
3. 3つのドイツ舞曲K.605~「そり滑り」
【指揮】田淵 彰(2,4,アンコール1,2)/多戸幾久三(1,3,アンコール3)
フジコさんのお誘いでアマチュアオケによるモーツァルトプロを聴いた。小規模な編成ながら「ドン・ジョヴァンニ」の導入では堂々とした響きを聴かせ、間もなくかっちりとした主要部が軽快なテンポで始まった。とても聴き応えのある演奏。続く「ハフナー」では弦のどのパートもよく弾きこなし、管も軽やかに味付けを加え、嬉々とした躍動感に溢れる演奏に思わず身を乗り出す。
指揮はN響のヴァイオリン奏者の田淵さん、最初の「ドン・ジョヴァンニ」はN響を定年になった多戸さん。プログラムを見るとトレーナーにN響奏者がずらり並び、佼成ウィンドオケや新日フィルなども加わる錚々たるもの。オケのメンバーはかなり若い。この「オーケストラ"フィルハーモニカ"」というアマオケ、これまで知らなかったがかなりすごい。そもそもモーツァルトばかりのプロを持ってくるのがすごい。
この日の一番の聞き物は2人の若手ソリストを迎えた協奏交響曲。オケの前奏にも気合いが入る。ヴィオラの乗り乗りのトリルから入るオクターブのアルページョも実に気持ちよく朗々と歌っていて頼もしい。そして二人のソリストの登場。中島さんのヴァイオリンはスマートでエレガント。温かみのある美しい音で奏でる柔らかな語り口が細やかなニュアンスを伝える。
鈴木さんのヴィオラは実に頼もしい音を響かせる。これはスコルダトゥーラによって弦の張力を強くしているせいだけではない。去年10月のマロワールドでブラームスを聴いた時も鈴木さんのヴィオラはすごい存在感だった。ふくよかで奥行きのある音色で、実に堂々と落ち着いて音を練り上げて行く。空気のような自然なアインザッツからたっぷりとしたフレージングで朗々と歌わせるその語り口はたまらなく魅力的。読響の首席ということだが、マロワールドの時にも増して「すごいヴィオリストがいるもんだ」と驚き、そして聞き惚れた。
中島さんと鈴木さんはかなりタイプの違うソリストではあるが、呼吸をよく合わせて、とても完成度が高いデュオを聴かせてくれて楽しめた。
ここでもオケがまた素晴らしかった。ソロに一生懸命合わせるというレベルは超越してソリスト達とアンサンブルを楽しんでいる。外すと目立つホルンも見事に要所を美しく決めてソリスト達を盛り立てる。トップオケでオーケストラを熟知したプレイヤーがトレーナーを務め、更に指揮をすることがこのオケのレベルを確実に上げて行っていることだろう。技術の高さだけでなく団員の気迫も伝わってくるし、フルオーケストラの編成でやる曲も聴いてみたい。これからも注目していきたいアマチュアオケだ。
杉並公会堂小ホール
【曲目】
1.「ドン・ジョヴァンニ」序曲K.527
2.モーツァルト/交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」
3.モーツァルト/交響曲第32番ト長調K.318
4.モーツァルト/協奏交響曲変ホ長調K.364(320d)
Vn:中島 麻/Vla:鈴木康浩
【アンコール】
1. 協奏交響曲~フィナーレの最後の部分の再演
2. ディヴェルティメント ニ長調K.334~「メヌエット」
3. 3つのドイツ舞曲K.605~「そり滑り」
【指揮】田淵 彰(2,4,アンコール1,2)/多戸幾久三(1,3,アンコール3)
フジコさんのお誘いでアマチュアオケによるモーツァルトプロを聴いた。小規模な編成ながら「ドン・ジョヴァンニ」の導入では堂々とした響きを聴かせ、間もなくかっちりとした主要部が軽快なテンポで始まった。とても聴き応えのある演奏。続く「ハフナー」では弦のどのパートもよく弾きこなし、管も軽やかに味付けを加え、嬉々とした躍動感に溢れる演奏に思わず身を乗り出す。
指揮はN響のヴァイオリン奏者の田淵さん、最初の「ドン・ジョヴァンニ」はN響を定年になった多戸さん。プログラムを見るとトレーナーにN響奏者がずらり並び、佼成ウィンドオケや新日フィルなども加わる錚々たるもの。オケのメンバーはかなり若い。この「オーケストラ"フィルハーモニカ"」というアマオケ、これまで知らなかったがかなりすごい。そもそもモーツァルトばかりのプロを持ってくるのがすごい。
この日の一番の聞き物は2人の若手ソリストを迎えた協奏交響曲。オケの前奏にも気合いが入る。ヴィオラの乗り乗りのトリルから入るオクターブのアルページョも実に気持ちよく朗々と歌っていて頼もしい。そして二人のソリストの登場。中島さんのヴァイオリンはスマートでエレガント。温かみのある美しい音で奏でる柔らかな語り口が細やかなニュアンスを伝える。
鈴木さんのヴィオラは実に頼もしい音を響かせる。これはスコルダトゥーラによって弦の張力を強くしているせいだけではない。去年10月のマロワールドでブラームスを聴いた時も鈴木さんのヴィオラはすごい存在感だった。ふくよかで奥行きのある音色で、実に堂々と落ち着いて音を練り上げて行く。空気のような自然なアインザッツからたっぷりとしたフレージングで朗々と歌わせるその語り口はたまらなく魅力的。読響の首席ということだが、マロワールドの時にも増して「すごいヴィオリストがいるもんだ」と驚き、そして聞き惚れた。
中島さんと鈴木さんはかなりタイプの違うソリストではあるが、呼吸をよく合わせて、とても完成度が高いデュオを聴かせてくれて楽しめた。
ここでもオケがまた素晴らしかった。ソロに一生懸命合わせるというレベルは超越してソリスト達とアンサンブルを楽しんでいる。外すと目立つホルンも見事に要所を美しく決めてソリスト達を盛り立てる。トップオケでオーケストラを熟知したプレイヤーがトレーナーを務め、更に指揮をすることがこのオケのレベルを確実に上げて行っていることだろう。技術の高さだけでなく団員の気迫も伝わってくるし、フルオーケストラの編成でやる曲も聴いてみたい。これからも注目していきたいアマチュアオケだ。