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冬の山歩き ~丹沢の霊峰 大山~

2017年02月27日 | 山&ハイキング
2017年2月13日(月)

大山は丹沢で一番有名だし、入門の山として人気も高いが、これまでは塔ノ岳方面からその整った雄姿を眺めるだけだった。いつか登ってみたいと思っていたが、雪のある冬なら人も少なくて、静かな山歩きを楽しめると思い、初めて大山へ出かけた。

大山ケーブルのバス停付近にある第2駐車場に車を停め(1日1000円)、参道へ入る。長い石段の両側には古いお土産屋や料理屋が軒を連ねている。石段を上がりきると、ケーブルカーの始発駅があるが、始発までにはまだ1時間あるので、そのまま登山道へと進んだ。

阿夫利神社下社までは、男坂と女坂の2通りの道があるが、コースタイムが短い男坂を選ぶ。道は古い石段の連続。なかなかの急坂だ。


男坂を登り始めて約30分で朱色が鮮やかな阿夫利神社下社に到着。軽く参拝して本坂へ。本坂の登山道も石段が中心だが、斜度は緩やかになる。雪は少なめだが、積もっているところは固いので慎重に通過。途中、樹齢600年という夫婦杉があった。


野鳥が囀りながら沢山飛び交っていた。



本坂を登り始めて頂上まであと半分という頃、富士見台で突然視界が開けて富士山がドーンと見えた。


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信仰の霊峰として大勢の人たちが参拝登山する大山は、登山道に「~合目」よりもさらに細かい「~丁目」の表示が沢山出ている。阿夫利神社下社の1丁目から始まり、28丁目まで来れば頂上。

頂上には本社が建ち、茶屋があるが、お店は閉まっていた。お茶屋の前にはご神木のブナが枝を広げていた。大山は雨乞いの山で、別名「雨降山」と呼ばれているが、このご神木は「雨降木」と呼ばれているそうだ。


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広い頂上付近にはベンチもあって、東京方面や相模湾方面が良く見渡せる。東京タワーや東京スカイツリー、伊豆大島なんかも見えた。


クリックでスカイツリーをアップ(中央)


クリックで大島をアップ

このニャンコは頂上の主?? 登山者に近づいては、食べ物をもらっていた。でも茶屋も閉まってるしどこで暮らしているんだろうか、寒かろうに… 塔ノ岳の尊仏山荘のあったかいストーブの脇にいた猫のようなわけにはいかなそう。

大山の頂上からは、途中の富士見台で見えたような富士山方面の展望は得られないが、頂上の北側裏手に少し下ったところに建つ東電の電波塔の横に出ると、富士山と丹沢山系方面の大展望を得られるところがあった。南アルプス南部の山々も見える。北斜面は雪もたくさん。


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やっぱり富士山方面が見渡せるのはいい。風もなく気温は僅かに0度を下回る程度でポカポカ暖かい。ベンチはないがここでお昼を食べ、スケッチもした。


頂上で3時間以上過ごして下山開始。雷ノ峰尾根を通って見晴らし台に向かう。山肌には雪があっても階段状に整備が行き届いた登山道には雪はあまりなく、日なたはぬかるんでいるところもあった。


約1時間で見晴らし台到着。だったっ広い台地にベンチとテーブルが並び、東屋もあった。振り返ると大山の全容を見上げることができた。


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ここでシュークリームとコーヒーで小休憩しようと、お湯を沸かし始めて気づいた… 「カップ持ってくるの忘れた。。」
仕方なくコッヘルのフタにコーヒーを淹れて飲んだ。これではすぐに冷めちまうが仕方ない…



見晴らし台を過ぎると針葉樹の気持ちのいい道になる。これを過ぎると常緑広葉樹林帯となり、冬でも茂らせる緑の葉が陽光に照らされて目を和ませてくれる。モミ、ブナやカシから成る原生林は、県下でも大山付近に限られて自生していて、天然記念物に指定されているとのこと。豊かな植生は景観に変化を与えてくれて歩いていて楽しい。




しかし、この辺りには「歩行注意!死亡事故発生区間」という標識が出ていた。道は広くてよく整備されているが、崖になっている左側には新しいロープが付けられていた。2014年5月、大山で滑落死亡事故のニュースを聞いたときは、丹沢でも家族連れが多く訪れる入門の山の一体どこで、そんな事故が起こったのだろうと思っていたが、この辺りだったようだ。

道は小さな子供でもスタスタ歩けそうなハイキング道だが、何かに気を取られたりして道を外れてしまえば左は急な岩の崖だ。どんなに安全と思える道でも山では遭難が起きるということを肝に銘じて、いつでも慎重に歩かねばと思った。

縄と紙垂で祀られた杉の大木。樹齢は数百年というところだろうか。古い巨木には霊気が宿っているように感じられ、そっと手を当て耳をつけてみたら、モーターの音が聞こえてきた。阿夫利神社下社が近く、ケーブルカーのワイヤーが動く音だった…



下社のあたりで丹沢ではお馴染みのシカ君に出会った。

下社からの下山路は女坂を歩いた。朝はまだ動いていなかったケーブルカーが20分おきに山の急斜面を行き交っていた。大山にケーブルカーが開通したのは50年も前だが、つい1年半前に新型車両が導入されたとのこと。女坂の途中でケーブルカーのビュースポットがあったので、そこで待ち伏せしてケーブルカーを撮影した。


ケーブルカーで途中下車もできる大山寺。歴史を感じる古いお堂へ通じる長い石段には石灯籠や銅像が立ち並ぶ。


信仰の霊山として古くから親しまれてきた大山登山道の中でも、この女坂は表参道として昔からよく歩かれたということで、信仰にまつわる様々なスポットがある。それらの中には「女坂の七不思議」という看板が立っていて、その謂れについての説明が記されていた。そんなものを読んだり、道端のお地蔵さんを眺めたり、古道の散策を楽しみながらゆっくりと下っていった。






ゴール近くには、このかわいらしい花が登山道に沿ってたくさん咲いていた。地元の学校の子供たちが植えたようで、「ミツマタ」という植物だとわかった。なるほど、どれも先端は枝が3本に分かれている。


下社から30分ほどのコースタイムの下山路を1時間かけのんびり歩いていたら、既にケーブルカーも営業を終え、参道のお店もみな閉店していて、最初から最後まで、静かな山歩きとなった。

《行程》
市営大山第2駐車場 8:09 →9:05 阿夫利神社下社 →10:37 大山山頂 13:43 →14:41 見晴らし台 15:18→15:55 阿夫利神社下社→17:15 市営大山第2駐車場


過去の同エリア山行記事:
富士を眺める晩秋の丹沢(蛭ヶ岳~丹沢山~塔ノ岳~ヤビツ峠)

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