5月25日(木)ファビオ・ルイージ 指揮 NHK交響楽団
《2023年5月Bプロ》 サントリーホール
【曲目】
1.ハイドン/交響曲 第82番ハ長調 Hob. I-82「くま」![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
2.モーツァルト/ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K. 447![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_heart.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
【アンコール】
♪ ブリテン/テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード ~プロローグ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/atten.gif)
Hrn:福川伸陽
3.ベートーヴェン/交響曲 第6番へ長調 Op.68「田園」![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart.gif)
ファビオ・ルイージの指揮で、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンという古典派の王道プログラムを聴いた。とりわけ今夜のN響は、どの曲もふんわり暖かな空気を包み込むふくよかな響きで優美に歌い、エレガントな語り口が愉悦と幸福感をもたらしてくれた。枝葉末節まで血が行き渡り、丁寧で調和の取れた演奏を堪能した。
ハイドンの「くま」は、そんなふわりとした滑らかな語り口を随所で聴かせつつ、楽し気に躍動した。特徴的なリズムが冴え、瑞々しい饗宴を繰り広げた。第4楽章の素朴な踊りの音楽は底抜けの楽しさを溌剌と伝え、後半の「田園」との共通性を感じた。ハイドンならではの機転が利き、アイデアに溢れた逸品だが演奏される機会は少ない。世の音楽界は相変わらずハイドンの音楽を軽んじている。N響は、他にも無数にあるハイドン作品の宝庫から、積極的に名曲を取り上げてもらいたい。
次はモーツァルト。福川さんが古巣のオケに客演して、マジックのようなホルンを聴かせてくれた。どこまでも滑らかに天使のように軽々と飛び回り、柔らかな音色の優しい歌を奏でる。細くたなびく超弱音も絶品。ファビオ/N響も極上の管弦楽でエスコート。幸せ感いっぱいのモーツァルトだった。久々のN響と福川さんの再会となった両者の和やかな表情もステキな演奏に花を添えた。微分音を駆使したように聴こえたアンコールにも舌を巻いた。
前半を聴いて、「田園」への期待は益々膨らんだ。そして、その期待通りのエレガントで喜びに溢れる「田園」となった。語り口はここでも優美。熟成され、まろやかにブレンドされた響きで全体を包み込むなかに、パート間でのモチーフの受け渡しの様子がくっきりと浮かび上がってくる。一方で、第3、4楽章では贅肉を削ぎ落した赤裸々なアプローチで、民衆の原初的な興奮や、「雷・嵐」が大げさでなく、鋭く心に突き刺さってきた。そして最終楽章では、はち切れんばかりの喜びを謳歌し、ミサ曲の"dona nobis pacem"が伝えるような天にも昇る高揚感を創り出した。
今夜のコンマスは、前半が郷古さん、後半はマロさんが担い、隣同士で座る2人がこれからのN響を見据えた受け渡しをしているようだった。
残念だったのは、後半でまたしても補聴器のハウリング音が断続的に聴こえてしまったこと。音そのものも気になるし、ホール内のスタッフのそわそわと動く様子(仕方ないけれど)も気になってしまった。いつも書いているけれど、補聴器のハウリング音は装着者本人には聞こえない。隣の人が教えてあげるのが一番の解決策で、これをアナウンスに入れてはどうだろうか。
ファビオ・ルイージ指揮 N響(「新世界」ほか) 2022.12.15 サントリーホール
ファビオ・ルイージ指揮 N響(ブラームス/交響曲第2番ほか) 2022.9.22 サントリーホール
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3.ベートーヴェン/交響曲 第6番へ長調 Op.68「田園」
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ファビオ・ルイージの指揮で、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンという古典派の王道プログラムを聴いた。とりわけ今夜のN響は、どの曲もふんわり暖かな空気を包み込むふくよかな響きで優美に歌い、エレガントな語り口が愉悦と幸福感をもたらしてくれた。枝葉末節まで血が行き渡り、丁寧で調和の取れた演奏を堪能した。
ハイドンの「くま」は、そんなふわりとした滑らかな語り口を随所で聴かせつつ、楽し気に躍動した。特徴的なリズムが冴え、瑞々しい饗宴を繰り広げた。第4楽章の素朴な踊りの音楽は底抜けの楽しさを溌剌と伝え、後半の「田園」との共通性を感じた。ハイドンならではの機転が利き、アイデアに溢れた逸品だが演奏される機会は少ない。世の音楽界は相変わらずハイドンの音楽を軽んじている。N響は、他にも無数にあるハイドン作品の宝庫から、積極的に名曲を取り上げてもらいたい。
次はモーツァルト。福川さんが古巣のオケに客演して、マジックのようなホルンを聴かせてくれた。どこまでも滑らかに天使のように軽々と飛び回り、柔らかな音色の優しい歌を奏でる。細くたなびく超弱音も絶品。ファビオ/N響も極上の管弦楽でエスコート。幸せ感いっぱいのモーツァルトだった。久々のN響と福川さんの再会となった両者の和やかな表情もステキな演奏に花を添えた。微分音を駆使したように聴こえたアンコールにも舌を巻いた。
前半を聴いて、「田園」への期待は益々膨らんだ。そして、その期待通りのエレガントで喜びに溢れる「田園」となった。語り口はここでも優美。熟成され、まろやかにブレンドされた響きで全体を包み込むなかに、パート間でのモチーフの受け渡しの様子がくっきりと浮かび上がってくる。一方で、第3、4楽章では贅肉を削ぎ落した赤裸々なアプローチで、民衆の原初的な興奮や、「雷・嵐」が大げさでなく、鋭く心に突き刺さってきた。そして最終楽章では、はち切れんばかりの喜びを謳歌し、ミサ曲の"dona nobis pacem"が伝えるような天にも昇る高揚感を創り出した。
今夜のコンマスは、前半が郷古さん、後半はマロさんが担い、隣同士で座る2人がこれからのN響を見据えた受け渡しをしているようだった。
残念だったのは、後半でまたしても補聴器のハウリング音が断続的に聴こえてしまったこと。音そのものも気になるし、ホール内のスタッフのそわそわと動く様子(仕方ないけれど)も気になってしまった。いつも書いているけれど、補聴器のハウリング音は装着者本人には聞こえない。隣の人が教えてあげるのが一番の解決策で、これをアナウンスに入れてはどうだろうか。
ファビオ・ルイージ指揮 N響(「新世界」ほか) 2022.12.15 サントリーホール
ファビオ・ルイージ指揮 N響(ブラームス/交響曲第2番ほか) 2022.9.22 サントリーホール
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