8月12日(土)Vn:谷村香衣 /Pf:諸田由里子
オーキッドミュージックサロン(二子玉川)
【曲目】
1.モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218~第1楽章
2.ヴィエニャフスキ/新しい手法作品10~第6曲プレリュード
3.バッハ/無伴奏ヴァイオリンソナタ 第3番ハ長調BWV1005~第2曲フーガ
4.サン=サーンス/序奏とロンド・カプリチョーソOp.28
5.プラームス/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第3番ニ短調 Op.108
6.パガニーニ/イ・パルピティ Op.13
【アンコール】
♪ モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218~第1楽章
谷村香衣さんのことはプロフィールも殆ど知らないし面識もないのだが、メッセンジャーからリサイタルのお知らせが時々届いていて、今回は、硬軟織り交ぜた多彩なプログラムや演奏曲目への真摯な姿勢が感じられるお知らせを読んで行くことにした。500円という料金も嬉しい。ほぼ満席の会場は男性率が高い!
最初はモーツァルト。スケールの大きな演奏で、ヴァイオリンの音が細部まで朗々とよく鳴り響く。安定感はあるが音が鳴り過ぎという印象。そのせいか、表情が一本調子に聴こえる。色や香りを添えたチャーミングな表情が欲しいな、と感じるモーツァルトだった。
ヴィエニャフスキやバッハでも同様の印象を受けたが、バッハでは単声で昇りつめて行くところでテンションの高まりと、キラリと光るものを感じた。そして前半最後のサン=サーンスでは、ヴァイオリンが俄然意思を持ち、音に明確な方向性が生まれ、勢いが感じられた。型にはまらず自由に羽ばたいて、バッハで感じた光が更に鮮やかで多彩な色を発して、艶やかな色香を放った。これで後半が楽しみになった。
後半はブラームスのソナタで始まった。これは諸田さんの厳しさを内包して掘り下げたピアノとともに緻密で緊迫感のある演奏となった。音楽に合わせて密度を丁寧にコントロールしつつ、陰影に富んだ細かな表情や香り付けを施し、歌い、語りかけてきた。緊張感を絶やすことなく、終楽章でのクライマックスへ向けてテンションを上げてゆく構築プランもしっかりしていて、熱のこもった堂々としたブラームスだった。
このブラームスの後にパガニーニをやってどうなるんだろうと思ったが、異なるテイストでブラームスと双璧を成す存在感のある演奏を聴かせてくれた。瑞々しく艶やかで嬉々とした表情を湛え、失敗を恐れることなく果敢に音楽に対峙して、自由自在に躍動する演奏に引き込まれた。
後半の演奏を聴くと、このノリでモーツァルトもやってくれていたら… と思っていたところで、アンコールで最初のモーツァルトをやってくれた。最初よりずっと表情豊かで、抑揚とインスピレーションに富んだ演奏に変身した。モーツァルトはやっぱりこんな風に歌ってこそ魅力が開花する。前半の演奏では入れなかったカデンツァも入れて更なる花を咲かせてほしかったが。
谷村さんは音楽に対しても、自分を売り込むことにも積極的な姿勢が頼もしく、今日のリサイタルを聴いて、更に大きなアーティストに育っていく予感がした。
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4.サン=サーンス/序奏とロンド・カプリチョーソOp.28
5.プラームス/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第3番ニ短調 Op.108
6.パガニーニ/イ・パルピティ Op.13
【アンコール】
♪ モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218~第1楽章
谷村香衣さんのことはプロフィールも殆ど知らないし面識もないのだが、メッセンジャーからリサイタルのお知らせが時々届いていて、今回は、硬軟織り交ぜた多彩なプログラムや演奏曲目への真摯な姿勢が感じられるお知らせを読んで行くことにした。500円という料金も嬉しい。ほぼ満席の会場は男性率が高い!
最初はモーツァルト。スケールの大きな演奏で、ヴァイオリンの音が細部まで朗々とよく鳴り響く。安定感はあるが音が鳴り過ぎという印象。そのせいか、表情が一本調子に聴こえる。色や香りを添えたチャーミングな表情が欲しいな、と感じるモーツァルトだった。
ヴィエニャフスキやバッハでも同様の印象を受けたが、バッハでは単声で昇りつめて行くところでテンションの高まりと、キラリと光るものを感じた。そして前半最後のサン=サーンスでは、ヴァイオリンが俄然意思を持ち、音に明確な方向性が生まれ、勢いが感じられた。型にはまらず自由に羽ばたいて、バッハで感じた光が更に鮮やかで多彩な色を発して、艶やかな色香を放った。これで後半が楽しみになった。
後半はブラームスのソナタで始まった。これは諸田さんの厳しさを内包して掘り下げたピアノとともに緻密で緊迫感のある演奏となった。音楽に合わせて密度を丁寧にコントロールしつつ、陰影に富んだ細かな表情や香り付けを施し、歌い、語りかけてきた。緊張感を絶やすことなく、終楽章でのクライマックスへ向けてテンションを上げてゆく構築プランもしっかりしていて、熱のこもった堂々としたブラームスだった。
このブラームスの後にパガニーニをやってどうなるんだろうと思ったが、異なるテイストでブラームスと双璧を成す存在感のある演奏を聴かせてくれた。瑞々しく艶やかで嬉々とした表情を湛え、失敗を恐れることなく果敢に音楽に対峙して、自由自在に躍動する演奏に引き込まれた。
後半の演奏を聴くと、このノリでモーツァルトもやってくれていたら… と思っていたところで、アンコールで最初のモーツァルトをやってくれた。最初よりずっと表情豊かで、抑揚とインスピレーションに富んだ演奏に変身した。モーツァルトはやっぱりこんな風に歌ってこそ魅力が開花する。前半の演奏では入れなかったカデンツァも入れて更なる花を咲かせてほしかったが。
谷村さんは音楽に対しても、自分を売り込むことにも積極的な姿勢が頼もしく、今日のリサイタルを聴いて、更に大きなアーティストに育っていく予感がした。
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